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なぜ七草がゆを食べるの?春の七草の由来と栄養価
Friday, 01 December 2023
七草がゆの由来
実は七草がゆを食べるという風習は、日本と中国の文化が結びついて生まれたそうです。
万葉集や百人一首にもあるように、元来日本には春に向かう雪の間から出る若草を摘み、新芽の生命力をいただく「若菜摘み」の文化がありました。その様子は江戸時代の浮世絵にも描かれており、若菜摘みは当時の人にとってとても身近であったことがわかります。
一方中国には、「正月七日を人日となす。七種の菜を以て羹(あつもの)をつくる」とあるように、1月7日の人日(じんじつ)の節句に七種の若菜を羹(熱く煮た汁物)にして食べ、年中の無病を願う行事がありました。これが中国から日本へ伝わったといわれています。
そして平安時代に、宮廷行事としての若菜摘みと中国の七草の汁物の風習を結びつけた「七草がゆを食べる風習」が始まり、江戸時代に庶民へ広く知れ渡りました。
なぜ七草がゆを食べるの?
七草がゆに使われる七草は、他の植物よりも早く芽吹くため、邪気を払ってくれるといわれていました。そのため、江戸時代頃から1月7日に七草がゆを食べ、一年の無病息災を願うようになったといわれています。
また、年末年始に疲れた胃腸の回復のために食べるともいわれます。現在では、この理由の方が多くの人に広まっているかもしれませんね。
七草の種類
春の七草とは一体どんな若草なのでしょうか。それぞれの意味や栄養素をご紹介します。
芹(せり)
新芽がたくさん競り合って育つため、「せり」と呼ばれるように。この名前から勝負に「競り」勝つという祈りが込められています。
栄養面では、ビタミンCやβカロテン、食物繊維が豊富に含まれています。
薺(なずな、ぺんぺん草)
なでることで汚れを取り除くという意味が込められています。
ビタミンKやビタミンBが豊富です。
御形(ごぎょう、ははこぐさ)
仏様の体を表しているという縁起物の1つ。
ハーブティーにして飲むこともあります。
繁縷(はこべら)
繁栄が広がるようにと願いを込めて。
たんぱく質が比較的多く含まれていて、ミネラルやサポニンが豊富です。
仏の座(ほとけのざ)
正式にはコオニタビラコという名前の若草。仏の安座にたとえられる縁起物です。
菘(すずな)
現代のカブのこと。神を呼ぶ鈴とのいわれがあります。
カブの葉には、芹と同じようにβカロテンやビタミンCが豊富です。
蘿蔔(すずしろ)
蘿蔔(すずしろ)は大根のこと。汚れのない清白という意味合いが込められています。
葉には菘(すずな)と同じように、βカロテンやビタミンCが多く含まれているほか、カルシウムも豊富です。
それぞれの野菜には縁起の良い意味が込められています。そして栄養価の高いものが多いのも特徴です。
薺(なずな)は花芽の前の若芽を、菘(すずな)と蘿蔔(すずしろ)は葉の部分を使います。
昔ながらの七草がゆの作り方
前日の1月6日の夜に、ご紹介した七草を「七草なずな 唐土の鳥が 日本の国に 渡らぬ先に ストトントン」と歌いながら包丁の背を使って細かく叩きます。そして7日の朝におかゆを炊き、前日に叩いた七草と塩を一緒に食べるのが昔ながらのいただき方。
現在はおかゆを炊く際に、七草を細かく切ったものと塩少々を一緒に入れて作るのが一般的ですね。
今回は七草がゆについてご紹介しました。七草がゆは無病息災を願うだけではなく、体に優しいおかゆです。新年に七草がゆを食べ、健やかな一年を過ごせますように。
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