持続可能なスキー場とは?スキーが続けられる未来を目指して

冬はスキーやスノーボードなど、ウィンタースポーツが楽しめる季節です。今年はスキー場に行く計画を立てている人も多いのではないでしょうか?けれども気候変動の影響か、暖冬になるシーズンも少なくありません。

暖冬で雪不足が続いている状況では、スキー場では「人工降雪機」と呼ばれる機械で、人工雪を降らせているところもあります。

しかし、この人工降雪機やスキー場そのものが、環境へ大きなダメージを与えるともいわれています。

そこで今回はスキー場が環境に与えている影響とは何か、また、持続可能なスキー場を目指すためにどんな取り組みがされているのか、さらにスキーやスノーボードを未来まで楽しむために私たちにできることは何か、これらについて詳しく解説していきます。

目次

スキー場が環境に与える影響

スキー場が環境に与える影響には一体どのようなものがあるのでしょうか。主な影響について見ていきましょう。

<森林の伐採や山の切り崩しによって行われるスキー場の開発>

日本のスキー場の多くが、山間部の傾斜面を利用してつくられています。ブルドーザーやショベルカーなどを使い、山を切り崩し、森林を伐採するなどの環境破壊が開発の過程で起こっています。

また、スキー場の開発に伴い、周辺にはレジャー施設やリゾート地も開発されるでしょう。さらに、ゲレンデへのアクセスを良くするために、山を切り開き、道をつくるトレイル整備が必要となります。

これにより、動物の移動経路が分断されたり、山の水流が変化したりする恐れがあります。このように、スキー場の開発は自然へ与えるダメージが大きいといえるでしょう。

<人工降雪機による水の大量消費>

冒頭でもお伝えした通り、暖冬による雪不足のため、人工雪を用いるスキー場も多くあります。

人工降雪機は、雪不足という状況の中でゲレンデのコンディションを整えるには必要不可欠でしょう。

しかし、人工降雪機は低温の大気中に水を噴射させて雪を降らせる仕組みになっているため、大量の水を必要とします。その量なんと、1機につき1分間で数百リットルともいわれています。

水は自然の雨水や小川の水を人工の溜池に貯水して使用しており、周辺の川など別の場所での水不足が発生してしまう可能性があります。

水が少なくなれば川が凍結しやすくなるため、生態系への影響がまったくないとは言い切れません。

水不足は地球が抱える問題のひとつでもあります。できれば人工雪に頼らず、自然の雪が降り積もる環境を取り戻すためにも、気候変動対策を進めていかねばなりません。

持続可能なスキー場を目指すために行っている取り組み

スキー場が環境に与える影響についてお伝えしてきましたが、それらに加えてスキー場の運営には大量のエネルギーが必要となることを知っておかねばなりません。

例えばリフトや照明、ゲレンデ整備車、先ほどの人工降雪機もそうです。稼働には大量のエネルギーを使うため、発電時に発生するCO2(二酸化炭素)の排出量も多くなるということです。

CO2の排出量が多ければ、地球温暖化が進み、気候変動で暖冬になる可能性も高くなります。結果的に更なる雪不足へとつながってしまうでしょう

つまり、できる限り環境に負荷を与えないような対策をとることが重要です。そんな中、この先もスキーやスノーボードが楽しめる持続可能なスキー場を目指して、一早く環境に配慮した取り組みを始めたスキー場があります。それは長野県白馬村のスキー場です。

白馬村のスキー場は1998年の長野オリンピックが行われた際に、クロスカントリー、ジャンプ、アルペンスキーといったスキー競技の主要会場に選ばれた場所です。ここでは、その取り組みの一部をご紹介します。

<「白馬八方尾根スキー場」にCO2排出ゼロのリフトが登場>

国際山岳リゾート「白馬八方尾根スキー場」にCO2排出量ゼロで再生可能エネルギー100%の電気で動かす、地球にやさしいリフトが登場しました。これは、再生可能エネルギーでCO2排出量を低減した電気を提供する会社「エネット」の「EnneGreen」を導入したことにより実現したものです。

スキー場全体の約半分のリフトの電力が再生可能エネルギーに切り替わっています。また、リフトだけでなくレストラン施設や八方温泉においても、再生可能エネルギー由来の電力に切り替えを進めています。

<「カープール優先駐車場」の設置>

白馬八方尾根スキー場や白馬岩岳スノーフィールドなど、白馬のいくつかのスキー場ではカープール優先の駐車場が設置されています。カープールとは「自動車の相乗り」という意味。

複数人で1台の車に相乗りをすることで、車によるCO2排出量の削減につながります。このカープールを促すための対策として、カープールで来場したグループは、最も便利な駐車場に停車できるという取り組みです。

また、EV駐車場(電気自動車スタンド)の整備も進められています。

この他にも照明のLED化、リフト搬器(椅子部分)、スキー板などの廃材を使ってDIYでリノベーションを実施するなど、環境負荷を低くする運営へと転換が進められています。

未来までスキーやスノーボードを楽しむために私たちにできること

未来までスキーやスノーボードを楽しむために、私たちにもできることがあります。

それは、普段の生活でCO2排出量をできるだけ増やさないように省エネを心掛けること、そしてスキー場に行く際にもなるべく友人同士や家族同士でカープール(相乗り) をして、車によるCO2排出量を減らすことです。

また、今回ご紹介したような環境に配慮した取り組みをしているスキー場を選択するのも良いでしょう。さらに、スキー場では植物など周りの環境を傷つけることがないよう、注意して滑ることも大切です。

スキー・スノーボードが続けられる未来を目指して、また、雪山の美しい自然を守るためにも、環境への関心を高め、できることから実践していきましょう。

・参照

https://www.joc.or.jp/eco/skiarea.html
https://protectourwinters.jp/change-to-carbon-neutral/
https://tabi-labo.com/298506/wt-happo-one-ski-lift-sustainable

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