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水のサステナビリティに向けた取り組みが重要な理由
Thursday, 25 May 2023
そこで今回は、水のサステナビリティに向けた取り組みが重要な理由や、実際に行われている取り組み事例を解説します!
水のサステナビリティに向けた取り組みはなぜ重要?
水は限りある貴重な資源であり、私たちが生活していく上で欠かせないものです。しかし、人間が使える水は、地球上の水全体のわずか0.01%しかありません。
地球は水の惑星といわれていますが、97%は海水で、淡水は2.5%、そのうち人間が使える状態の水はほんの0.01%しかないのです。
また、人口増加や水害などによって、今後さらに水へのアクセスが厳しくなると考えられています。水資源を守るためには、水のサステナビリティに向けた取り組みが重要なのです。
(参照:世界の水資源)
世界で深刻化する水にまつわる問題
現在、世界ではすでに水にまつわる問題が深刻化しています。
約20億人が安全な水にアクセスできていない
2020年時点で世界では、約20億人が管理された安全な水にアクセスできていない状況です。このうち約1億2,200万人は、湖、河川、用水路などの未処理の水を使っているのです。不衛生な水を飲んで感染症や下痢を起こし、命を落とす子どもも少なくありません。
理由として、水道インフラ整備の遅れや紛争などが挙げられます。衛生的な水にアクセスできる環境を整えることが重要課題です。
(参照:どんなに汚くてもこの水を飲むしかない…。 | 日本ユニセフ協会)
(参照:水と衛生)
集中豪雨による洪水や暴風雨などの水害
気候変動の影響で集中豪雨による洪水や、暴風雨などの水害が年々増え続けており、深刻な問題となっています。
2022年には、世界各地で記録的な大洪水が発生し、被害を受けた人は子どもだけでも2,700万人です。洪水によって溺死や感染症、飲料水の不足、栄養不良など、生命の危機に関わる事態になっています。
排水設備が発達していない国は被害が大きくなるため、自然災害の被害を最小限に抑えるための水インフラの構築が求められています。
(参照:映像で見る、2022年夏・世界の自然災害)
(参照:世界各地の記録的大洪水2,700万人以上の子どもたちに影響COP27で気候適応資金目標の実現を)
水道管路の老朽化
水にまつわる問題は途上国に限ったことではありません。日本を含む先進国では水道管路の老朽化が問題になっています。
日本は水道普及率98%を達成していますが、高度経済成長期に整備された施設が多く、年間2万件を超える漏水や破損事故が起きているのが現状です。
水道管路の法定耐用年数は40年ですが、施設の更新は進んでいません。大規模災害が起きた際には断水のリスクが高まるため、非常事態への備えとしても水道管路施設の計画的な更新が求められています。
(参照:水道の現状と水道法の見直しについて)
水のサステナビリティに向けた取り組み事例
ここからは、日本の企業が行っている水のサステナビリティに向けた取り組み事例をいくつか紹介します。
世界の水インフラの構築に貢献
水道用鉄管の開発・製造を行う企業では、日本で培われた技術を生かし、世界の水インフラの構築に貢献しています。水道用鉄管を供給するだけでなく、水インフラの設計や調達、施工からメンテナンスまで、幅広く提供しているのが特徴です。
また、水不足を改善するための水資源の再利用などにも取り組んでいます。
水の循環利用と雨水の活用
飲料水を生産する企業では、工場で使う水を循環利用する取り組みを行っています。工場では製造設備の洗浄や冷却などさまざまな用途に水を使います。節水はもちろん、用途によってはくり返し使ったり、適切な処理をして再利用することを徹底する取り組みです。
また、タンクに貯まった雨水を植栽の水やりに使うなど、水資源の有効活用に励んでいます。
河川や海を汚さないための排水管理の徹底
工場からの排水によって河川や海を汚さないよう、排水管理の徹底に取り組む企業があります。工場から排水する前に微生物を用いた排水処理設備などで浄化処理し、下水道や河川へ放出します。
その際には測定装置による監視を行うほか、検査員による日々の水質検査が実施されるなど徹底した管理が特徴です。
水資源の環境保全活動
地下水は森でつくられることから、自然環境を保全する活動を行う企業があります。森林の土には雨水を蓄え、時間をかけて少しずつ川に流す働きがあります。
しかし、手入れをしなければ森林の水を蓄える能力が下がり、流れ出る水の量が減ってしまうのです。水不足を防ぐには森林を守ることが重要であると考えられており、50年、100年先を見据えた森づくりが行われています。
(参照:森林は水を蓄える)
水は生きる上で欠かせない資源!日々の生活で節水を心がけよう
企業は水のサステナビリティを目指した取り組みを進めていますが、私たちにもできることがあります。それは、日々の生活の中で節水をすることです。
歯磨きをして口をすすぐときには水を出しっぱなしにしない、お米のとぎ汁は畑の水やりに活用するなど、簡単にできる取り組みはたくさんあります。
地球上で使える水はわずかだということを思い返し、水を使い続けられる未来のために、節水を実践してみてはいかがでしょうか。
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