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アンジェリーナ・ジョリーの人道支援と環境保全活動を見てみよう
Wednesday, 18 September 2024
国連UNHCR親善大使としての経験から映画を制作するなど、難民問題を多くの人に広め持続可能な社会を促進するのにも貢献しています。
今回は「The use of arts to promote sustainability(持続可能性を促進するための芸術の使用)」をテーマに、アンジェリーナ・ジョリーの人道支援や環境保全活動を見ていきましょう。
アンジェリーナ・ジョリーが人道支援を始めた理由
アメリカ生まれのアンジェリーナ・ジョリーは、幼い頃から母親と一緒に映画を観ていたのをきっかけに演技に興味を持ち、女優の道を目指し始めたといいます。
テレビ映画『ジーア/悲劇のスーパーモデル』や映画『17歳のカルテ』では、ゴールデングローブ賞を受賞し、演技派女優としての道を確立しました。
そんなジョリーが人道支援を始めたのは、2000年に映画『トゥームレイダー』の撮影でカンボジアを訪れたことがきっかけでした。
美しく壮大な自然や現地の人々の温かさに触れ感動したといいます。それと同時に、地雷がいつ爆発するかわからない、危険な状況で暮らす子どもたちがいる事実にショックを受けました。
ジョリーは自分に何かできることはないかと考え、帰国後すぐに自らUHCR(国連高等難民弁務官事務所)に連絡したといいます。この撮影での体験をきっかけに、ジョリーは難民問題への関心が高まり、表面的に慈悲心をアピールするのではなく、人生のキャリアとして人道支援に励むようになったのです。
(参照:angelina_jolie)
アンジェリーナ・ジョリーの人道支援
アンジェリーナ・ジョリーは、2001年に国連UNHCR親善大使に任命されて以来、難民キャンプを訪問したり、基金プロジェクトを立ち上げたりなどさまざまな人道支援を行っています。ここではその一部を見ていきましょう。
国連UNHCR親善大使として人道支援の現場へ40回以上訪問
アンジェリーナ・ジョリーは2001年に国連UNHCR親善大使として、世界一貧しい国といわれるシエラレオネや撮影で訪れたカンボジア、難民の多いパキスタンなどを視察で訪れました。
また、世界最古といわれるナミブ砂漠のあるナミビヤやタイ、エクアドル、ケニア、コソボなどの紛争地域にも訪れています。さらに、シリアやイラク、アフガニスタンなど命の危険が伴う場所を含む人道支援が必要な現場を40回以上訪れ、現地の人々の声に耳を傾けています。
そして、訪問を通して感じた悲しみや驚き、感動を残した日記を本にして出版し、売上げのすべてをUNHCRに寄付しました。
(参照:世界の中でも最貧国の1つであるシエラレオネには、災害を防ぐための大規模なインフラ整備をする余裕はありません。)
寄付に加え長期的な支援のために基金プロジェクトを設立
アンジェリーナ・ジョリーは現場視察だけでなく、国際交流の場でも世界の難民問題へ関心を向けるようにと呼びかけてきました。
また、国連UNHCR親善大使に任命されてから総額500万米ドルをUNHCRに寄付しています。さらに一時的な支援だけでなく、長期的な支援を考慮し、2003年に「マドックス・ジョリー・ピット基金プロジェクト(Maddox Jolie-Pitt Foundation project)」を立ち上げました。
カンボジアの農業、教育、医療、インフラ整備、農業開発など多岐にわたる分野で貢献しています。加えて、2005年には「難民と移民の子どもたちのためのセンター」や「弁護を必要とする子どもたちのための組織」を立ち上げ、医療や法律分野の支援も行ってきました。
(参照:angelina_jolie)
アンジェリーナ・ジョリーの環境保全活動
アンジェリーナ・ジョリーは人道支援に加え、環境保全活動にも力を入れています。ここではその一部をご紹介します。
カンボジアの自然を守る活動
映画の撮影でカンボジアを訪れた際に、森林伐採の現場を目の当たりにしたジョリーは、カンボジアの自然を守る活動に取り組んでいます。
先述した「マドックス・ジョリー・ピット基金プロジェクト」を通じて、毎年世界環境デーにはカンボジアで大規模な植林イベントを開催。森林を守ることで絶滅危機に瀕する動植物の保護に貢献しています。
女性養蜂家を育成するプロジェクトのアンバサダーに就任
ミツバチの保護と生物多様性の保全を目的に立ち上げた、女性養蜂家を育てるプロジェクトのアンバサダーに就任し、ミツバチを繁殖させる活動に参加しました。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)とフランス発のコスメブランドが立ち上げた共同プロジェクトで、女性の地位向上と持続可能性、生物多様性を目指し、5年間で50人の女性養蜂家を育てるというものです。
ジョリーは参加する女性たちと交流し、訓練に立ち会うなどしてプロジェクトを支援しています。
2013年 初の脚本・監督を務めた映画「最愛の大地」を制作
2010年にボスニア・ヘルツェゴビナを訪問した際の体験から着想を得て、2013年に自身が脚本・監督を務める映画「最愛の大地」を制作しました。
1990年代のボスニア紛争を舞台に一組の男女の悲劇的な愛が描かれており、紛争下における性暴力撲滅への強い願いが込められています。多数の映画賞を受賞し、難民問題を多くの人へ投げかけることに貢献しました。
人権問題や環境問題に貢献し続けるアンジェリーナ・ジョリーに注目!
アンジェリーナ・ジョリーはカンボジアとエチオピアで出会った2人の子どもを養子に迎え入れ、慈愛あふれる生活を送っています。
現在は国連UNHCR親善大使から特使へ任命され、人道支援や環境問題への取り組みを継続中です。ジョリーの今後の活動にも注目していきましょう。
(参照:アンジェリーナ・ジョリー、長男が大学へ。特別の絆を築いた母子の18年)
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