感染症対策としてマスクの着用が当たり前となっている昨今ですが、マスク需要の増加に伴って新たな環境問題が起きています。それは使い捨てマスクが海洋汚染の原因になるという問題です。
そこで登場したのが、人や環境にやさしいサステナブルなマスク。今回はマスクの需要が増えたことによって起きている海洋汚染問題や、海を守るために私たちができることを解説します!
環境保護団体の推計によると、2020年、世界では約520億枚のマスクが生産され、そのうちの3%、約15億6,000万枚がごみとして海に流出したといいます。
街を歩いていて、道ばたにマスクが落ちているのを見かけたことがある人は多いのではないでしょうか。マスクは風に飛ばされ川へ落ち、やがて海に流れます。
不織布の使い捨てマスクは紙素材だと思われがちですが、主な原料はプラスチックです。海洋プラスチック問題が深刻化している中、プラスチック製の使い捨てマスクが大量に流出し、海洋汚染を引き起こしているのです。
このまま海洋プラスチックが増え続ければ、2050年には海洋プラスチックが魚類よりも多くなると報告されています。
(参照:COVID-19 Facemasks & Marine Plastic Pollution)
不織布のマスクは、ポリエステルやポリウレタン、ポリエチレンなどのプラスチック素材を使用しているため、自然分解されるまでに約450年かかるといわれています。
プラスチック製のマスクが大量に、長い年月に渡って海を漂えば、海の生態系や環境に悪影響を及ぼすことは容易に想像できるでしょう。自然分解されるまでの間に、マイクロプラスチックとなって魚の体に入り込んでしまう可能性もあります。
何気なく着用している使い捨てマスクですが、自然分解されるまで長い年月を要するという事実を知っておくことが大切です。
マスクの需要が増えたことによって発生している海洋汚染問題を防ぐために、私たちにもできることがあります。それは環境負荷の少ない、サステナブルなマスクを選ぶことです。
不織布のマスクは感染症を防ぐのにも効果的とされているため、毎日のように使用している人が多いことでしょう。しかし、今使用しているマスクは自然分解されにくいプラスチック原料でできているものかもしれません。
海洋汚染問題を防ぐには、マスクのポイ捨てをしないことはもちろん、使用するマスクを環境負荷の少ない自然分解しやすいものにするのも対策方法のひとつです。
これからマスクを選ぶ際には、ぜひサステナブルなマスクを選択肢のひとつにしてみてはいかがでしょうか。環境と人にやさしいマスクで、感染症と海洋汚染を防いでいきましょう!
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