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サステナブルな腕時計とは?特徴やメーカーの取り組み事例を解説
Monday, 24 April 2023
そんな腕時計にも、実はサステナブルな商品が登場しています。今回はサステナブルな腕時計の特徴や、メーカーの取り組み事例を解説します!
サステナブルな腕時計がつくられるようになった背景
そもそも、なぜサステナブルな腕時計がつくられるようになったのでしょうか。腕時計の主な素材はプラスチックや金属であるため、製造や廃棄の際にかかる環境負荷を削減することが理由として挙げられます。
もうひとつ大きな理由は、電子ごみの問題を解決するためです。電子機器の普及によって電子ごみは年々増えており、2019年には世界全体で5,360万トン発生しています。これは1人あたりでいうと約7.3kgです。
このまま電子ごみが増え続ければ、2030年には約7,400万トン、2050年にはおよそ1億1000万トンに上ると予測されています。電子ごみには有害物質が含まれているため、適切に処理しなければ人々の健康や環境に悪影響を及ぼします。
腕時計は小さいですが、廃棄の際に電子ごみの一部になることには違いありません。
こうした背景から、電子ごみを減らす対策として、環境に優しい素材や電子廃棄物から資源を循環利用した、サステナブルな腕時計がつくられるようになったのです。
サステナブルな腕時計の特徴
サステナブルな腕時計は具体的にどんな素材でつくられ、どのような機能があるのでしょうか。
環境負荷の低い素材で製造されている
サステナブルな腕時計はプラスチックや金属の使用を極力減らし、環境負荷の低い素材で製造されています。例えば以下のような素材の種類があります。
・自然由来の原料を使用したバイオプラスチック
・リサイクルウッド
・海洋プラスチック
・違法銃器から不純物を取り除いた「ヒューマニウムメタル」
自然由来のトウモロコシやトウゴマの種などを原料として生まれたバイオプラスチックは、環境負荷が低く有機資源由来のため、CO2排出量削減に貢献できます。また、再生可能な循環型資源でもあるため、サステナブルな腕時計づくりに適した素材です。
リサイクルウッドは間伐材や廃材を利用した木材を指します。ベルト部分までリサイクルウッドが使用されているものもあり、木のぬくもりと自然への関心が深められるようなデザイン性が魅力です。
加えて海に漂っている海洋プラスチックごみをリサイクルしてつくられた素材もあります。海洋プラスチックごみを資源として再利用することで、海の環境と生態系を守ることにつながります。
さらに驚きなのが、違法銃器から不純物を取り除いてつくられた「ヒューマニウムメタル」という金属素材です。人を傷つける兵器から生み出される時計には、平和への願いが込められています。
(参照:平和を祈り作られた腕時計。今TRIWAが届けたいメッセージ「TIME FOR PEACE」をハンドペイントで表現。)
人に優しく機能性にも優れている
環境だけでなく、人に優しく機能性にも優れているものが多いのもサステナブルな腕時計の特徴です。
例えば、「100年使える」をコンセプトに、保障期間が100年設けられている腕時計があります。親から子へ受け継がれ、長く使い続けられるのはサステナブルな腕時計である証といえるでしょう。
また、腕時計を購入することで購入費の一部を教育、健康、環境などの支援団体に寄付できる仕組みもあります。腕時計を通して社会貢献できるのもサステナブルな腕時計ならではの特徴といえるでしょう。
腕時計メーカーの取り組み事例
環境負荷の低い素材を使った腕時計作り以外にも、サステナブルな取り組みを実践しているメーカーは多くあります。
(参照:製品ライフサイクルを考慮した取組み)
ヴィンテージウォッチの販売
1970年以前に製造された時計を修理し、ヴィンテージ(中古)ウォッチとして販売しているメーカーがあります。
歴史を刻んできた高級ブランドの時計は、時を超えても普遍的な価値があり、現行品とは違った味わいが楽しめるのも魅力です。
また高級ブランドとしては手頃な価格もメリットといえるでしょう。ヴィンテージウォッチの販売は、資源やエネルギーの消費を抑えることにつながるサステナブルな取り組みです。
梱包材を見直しプラスチック使用量を大幅削減
腕時計の梱包材を見直し、主原料にリサイクルペーパーを使用したことでプラスチック使用量を約82%削減した事例があります。梱包材による製品の保護や効率的な運送・展示のしやすさは残しつつも、プラスチックごみの削減に成功しています。
腕時計本体のみならず、梱包材やショップ袋などに目を向けるのも、サステナブルな取り組みには必要といえるでしょう。
サステナブルな視点で腕時計を選んでみよう!
サステナブルな腕時計は、自然由来の原料から生まれたバイオプラスチックやリサイクルウッド、海洋プラスチックごみをリサイクルしたものなど、環境負荷が低い素材でつくられているのが特徴です。
こうした素材でつくられた腕時計は、電子ごみを減らし環境汚染や健康被害を防ぐことにもつながります。
これから腕時計を選ぶ際には、機能性やデザイン性に加え、サステナブルであるかどうかも選ぶ基準に入れてみてはいかがでしょうか。
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