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食品ロス削減への対策「てまえどり」とは?

Thursday, 16 December 2021

昨今では食品ロスという言葉をよく耳にすることが増えています。食品ロスとは、本来食べられるはずなのに捨てられてしまう食品のことです。

食べられるものを捨てるのはもったいないことですが、それと同時に環境にも悪い影響を与えてしまいます。そこで食品ロスを削減するために生まれた取り組みが「てまえどり」です。

てまえどりとは一体どんな取り組みなのか、また食品ロスの現状や問題について詳しく解説します!

てまえどりとは 

「てまえどり」とはコンビニやスーパーなどでお買い物をする際に、購入後すぐに食べる場合には、商品棚の手前にある商品から選ぶ行動のことです。今まで意識的に奥から商品を取っていたという人は少なくないかもしれません。

商品陳列棚は手前ほど賞味期限や消費期限が短いため、奥にある期限の長いものを選んでしまうこともあるでしょう。しかし、それによって期限の短い商品が売れ残り、販売期限が過ぎて廃棄せざるを得ない状況になります。その結果、コンビニやスーパーから出る食品ロスが増えてしまうのです。

こうした購買行動を改善するために、「てまえどり」として、2021年6月に農林水産省、環境省、消費者庁、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会が共同で消費者に呼びかけるようになりました。

ちなみに「消費期限」は、日持ちが5日以内の食品に表示された安全性の目安です。一方、「賞味期限」は5日以上日持ちする食品に表示されており、おいしく食べられる期限の目安とされています。

コンビニなど小売業では、消費者に安全な商品を届けるため販売期限や納品期限が定められており、メーカーでも食品を廃棄することになります。

奥から商品を取るほど廃棄食品は増え続けてしまうため、「てまえどり」を心掛けることで、食品ロスを減らすことへとつながるのです。

てまえどりを推奨する理由と食品ロスの現状

農林水産省のデータによると、2018年度の日本での食品ロスの推計値はおよそ600万トン。そのうち約324万トンは食品事業者から出るもので、残りの276万トンは家庭から出るものです。国民1人当たりで計算すると1年間で47kgもの食品を捨てていることになります。

また、600万トンという量は、世界で飢餓に苦しむ人々への食料支援量の約1.4倍です。こうして見ると、どれだけもったいない行動をしているのかがわかります。

家庭から出る食品ロスを減らしていくためには、「食材を買い過ぎない、傷ませない、食べ残さない」などが大切ですが、事業系の食品ロスを減らすためには、買い物をする際の消費者の意識も重要だと考えられています。このような背景が理由となって、「てまえどり」の取り組みが推奨されているのです。

食品ロスが引き起こす問題 

食品ロスはSDGs12の目標「つくる責任 つかう責任」でも取り上げられているように、社会全体で取り組んでいかなければならない課題となっています。食品ロスはただ単にもったいないというだけではなく、地球規模の問題を引き起こしています。では、一体どのような問題があるのか見ていきましょう。

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<1:食料不足>

世界の人口は増え続けており、2050年には今より20億人増えると予想されています。そのため、将来的に食料が不足する可能性があると考えられているのです。今後のことを考慮し、食品を効率良く、無駄なく消費していくことが必要不可欠となるでしょう。

また、大量に食品ロスが出る一方で、世界では飢餓に苦しむ人々がいるという矛盾が発生しています。今の状況が続けば人口増加に伴い、ますます飢餓は増えると言えるでしょう。

こうした問題を解決するためには、途上国か先進国かに関わらず、社会全体で課題に取り組む必要があります。

<2:地球温暖化などの環境問題>

大量に廃棄された食品は、ごみとして処理しなければなりません。ごみ処理には多額のコストがかかる他、運搬時や焼却処理時に排出される二酸化炭素(CO2) の問題もあります。

大量のごみを燃やすことで、二酸化炭素が発生し地球温暖化が進んでしまいます。地球温暖化によって気候変動が起こり、農業や漁業にもダメージを与えてしまうのです。また、ごみの焼却時に出る灰の埋め立てなども環境負荷につながってしまいます。

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1日にお茶碗約1杯分の食品ロスを削減していこう

食品ロスを減らしていくためには、食品製造者や食品事業者に限らず、私たち個人が身近な問題として意識することが大切です。

国民1人当たりの年間の食品ロスを1日当たりに換算してみると、お茶碗約1杯分(130g) 。ひとりひとりが日常生活の中でちょっとした心掛けをすることで、食品ロスを減らすことができるでしょう。

今からできるアクションのひとつとして、まずはお買い物の際に「てまえどり」を実践することからはじめてみてはいかがでしょうか。

You Are What You Eat | 身体は食べたものでできている(subtitled)

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