SDGs達成への壁ともなる『大気汚染』について考えよう

地球の課題を解決するために掲げられた持続可能な開発目標、『SDGs』。その実現に向かって、世界ではさまざまな取り組みが進められています。そんな中、大気汚染はSDGsの達成に向けて大きな壁になると考えられています。以下4つの開発目標に取り上げられていることからも、大気汚染問題の重大さが見えてきます。

目標3『すべての人に健康と福祉を』
目標7『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』
目標11『住み続けられるまちづくりを』
目標13『気候変動に具体的な対策を』

これらを実現するにあたって、大気汚染の問題は切っても切り離せない関係なのです。
今回はなぜ大気汚染は起こるのか、大気汚染が引き起こす問題と健康被害について、そして日本の大気汚染対策についてお伝えします。

目次

大気汚染の原因となっているものとは?

大気とは地球を取り巻く空気のこと。この空気を汚す原因となっているのが、自動車の排気ガスや工場のけむりなどに含まれる化学物質です。ガスや粒子状の化学物質は大気を汚すだけでなく、空気中で人間や動植物に悪影響を及ぼす有害物質へと変化します。

残念ながら大気汚染の原因となる汚染物質のほとんどは、私たち人間の生活から発生しているものなのです。加えて、森林火災や火山の噴火など、自然災害から発生することもあるということを覚えておきましょう。

大気汚染が引き起こす問題と健康被害

大気汚染が引き起こす問題にはどのようなものがあるのでしょうか。大気汚染による健康被害についてもあわせて解説します。

光化学スモッグ

自動車の排気ガスや工場から出るけむりに含まれる汚染物質が、太陽の強い光を浴びることで光化学オキシダントという有害物質に変化します。この有害物質が大気中に溜まると、白いモヤがかかったような状態になります。これが光化学スモッグと呼ばれるものです。

光化学スモッグが発生すると、目がチカチカしたり、喉が痛くなったりするなどの健康被害が発生します。また人間だけでなく、植物にも悪影響を及ぼすと言われています。

PM2.5

ここ数年で耳にする機会が増えたPM2.5。その名前は、2.5マイクロメートル以下の細かい粒状の汚染物質であることに由来しています。目に見えないような小さな粒子のため、肺の奥深くまで入り込み、健康に悪影響を与えてしまいます。

ぜんそくや気管支炎、肺炎を引き起こす恐れがあると言われているため、特に高齢者や子ども、呼吸器や循環器系の病気を持つ人は注意が必要です。

黄砂

中国やモンゴルなど東アジア内陸部の砂漠から黄色い砂が偏西風に乗って飛んでくる現象のことを黄砂と呼びます。黄砂は強風で高く巻き上がり、大気中に広がって日本にまで降り注いでおり、その量は年々増加しています。

増加の一因は中国の土地開発が進んだことです。森林を切り開いて土地開発を続けた結果、中国では砂漠のように乾燥した土地が増えてしまったことが原因とされています。

黄砂には有害な化学物質が含まれており、アレルギーや呼吸器系の病気を引き起こしたり、農作物にも被害を及ぼしたりと、大きな社会問題になっているのです。

酸性雨

酸性雨とは酸性の度合いが強い雨のことです。自動車の排気ガスや工場のけむりから出る二酸化硫黄や窒素酸化物などが、大気中で硫酸や硝酸に変わります。これらの物質は強い酸性を持っており、雨水に溶け込んで酸性雨として降り注ぐのです。

酸性雨は森林や植物を枯らしたり、コンクリートなどの建物の表面を溶かしたりします。よく建物や銅像の色が変色しているのも、酸性雨の影響によるものがあります。また、川や海の魚が死んでしまうなど、水の中の生き物にまで被害をもたらしています。

日本の大気汚染対策について

大気汚染を解消するために、日本では電気自動車の普及や再生可能エネルギーへの転換が進められています。電気自動車はバッテリーに蓄えたモーターの力を利用するため、有害な排気ガスを出さずに走行することが可能です。

また、石炭や天然ガスなどの限られた資源からエネルギーを作り出すのではなく、太陽光や水力、風力など自然の力を利用した再生可能エネルギーを使うことで、化石燃料を燃焼させた際に生まれる有害物質を排出せずに済みます。

加えて日本は『大気汚染防止法』の規制があり、工場や事業場からの汚染物質について、物質の種類や施設の種類や規模ごとに排出基準が定められています。これによって、汚染物質の環境基準が一定以下に守られているのです。

このように国や企業による大気汚染対策は進められていますが、私たちひとりひとりの意識も変えていくことが大切です。

空気のきれいなまちと健やかな暮らしを目指すために

世界の国々でも大気汚染対策は進められており、徐々に改善されつつあります。しかし、すべての人が健康で住み続けられるまちづくりを目指すためには、個人の意識と行動を変えていかなければなりません。

私たち人間がこれまで行ってきた、過剰な消費を満たし便利さを求めた活動の結果が、こうした大気汚染問題として現れているのです。

日々の生活の中で無駄な電気を使わないようにしたり、自動車移動をなるべく控えたりするなど、実践できることはたくさんあります。物を買い過ぎないこと、ゴミを減らすことも大気汚染物質の削減につながるでしょう。

ぜひ、この機会に大気汚染について学び、自分なりにできることを考えてみてはいかがでしょうか。

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