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Urban Farmingが切り開く未来の食料生産|都市型農業の可能性

Tuesday, 15 October 2024

欧米では当たり前のように導入されているUrban Farming。都市型農業を意味するUrban Farmingは、持続可能な未来の食料生産法として期待されています。

その理由として挙げられるのが、人口増加による食糧危機の課題解決や都市空間の緑化実現、環境負荷の軽減や食料の安全性向上などです。また、デジタル技術の融合による技術革新も期待されています。

今回は、Urban Farmingが未来の食料生産として期待される理由や、テクノロジーを用いたUrban Farmingの技術革新について解説します!

Urban Farmingが「未来の食料生産」と期待される理由

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都市部の空きスペースで農業を行うUrban Farmingが、未来の食料生産と期待される理由は主に以下の5つが挙げられます。

・都市生活者の食を支える役割がある
・農業従事者減少の対応策になる
・都市空間を有効活用し、緑化を実現できる
・地産地消による食料の安全性向上と環境負荷の軽減
・食育と健康促進につながる

それぞれ順番に解説します。

都市生活者の食を支える役割を担える

 

これまで都市部には、生きる上で必要な食料を生産する機能がほとんどありませんでした。地方からの輸送や海外からの輸入でしか食料を得られず、災害や感染症の流行などの影響で食料が手に入らなくなる可能性が高いのが難点です。

しかし、都市部でも自分で野菜や果物、米などを作ることで食料の安定供給が可能になります。

自分が食べる分の食料を自分で生み出せれば、災害や社会情勢の影響を大きく受けることなく、都市生活者の食を支えられるのです。

農業従事者減少の対応策になる

 

Urban Farmingが未来の食料生産として期待される理由のひとつに、農業従事者減少の対応策につながる点が挙げられます。日本では高齢化や労働力不足などが要因で、年々農業従事者が減少しています。

2015年〜2020年の5年間で農業従事者が46万人も減少しており、1980年には700万人ほどだった農家が2020年には152万人ほどに減少しました。農業従事者の大幅な減少は、農作物の生産量にも大きく影響しています。

都会の敷地で作る米や野菜、果物は決して多くはありませんが、一人ひとりが食材を育てて食べる環境を作ることは、農家を増やすよりも現実的であり、これからの時代に必要なスキルといえます。

(参照:都市と生活者をつなぐ畑食の未来を耕すアーバンファーミングの可能性)

都市空間を有効活用し、緑地が増加する

Urban Farmingは都市内の遊休地やビルの屋上など、ちょっとした空きスペースを有効活用します。農地開拓のために森林伐採を行うこともないため、環境負荷をかけずに農業が行えるのが利点です。

また都市内の空き地を有効活用するため、無駄なスペースが減り緑地が増加します。自然の少ない都市に緑がもたらされ、都市環境の景観が改善されるのもポイントです。

さらに、緑地の増加は住民のメンタルヘルス向上と、都市のヒートアイランド現象の緩和も期待できます。

地産地消による食料の安全性向上と環境負荷の軽減

Urban Farmingは農薬や化学肥料を使わず、有機栽培で作物を育てるため、食料の安全性が確保できます。誰がどのような方法で作ったかわかる作物は、生産者の顔が見えない食べものより安心です。

また、地産地消が実現するため、新鮮な野菜や果物を迅速に供給できます。加えて、作物は基本的に育てた人々や地域住民で消費するため、輸送で発生する二酸化炭素(CO2)も抑えられます。

さらに生ごみを堆肥化し、豊かな肥料として循環利用するため、フードロス削減にも貢献できるのです。

食育と健康促進につながる

 

Urban Farmingは食べ物が生産されていく過程を知り、実践できるため、都市住民の食育推進につながります。素材への関心が養われることで、食べ物へのありがたみもより感じられるでしょう。

また、新鮮で栄養価の高い食材を提供することで、都市住民の健康促進にもつながります。有機栽培の食材のおいしさを実感し、菜食中心の健康的な食事への意識向上も期待できるでしょう。

(参照:アーバンファーミングの意義と価値とは)

未来の食料生産として期待されるUrban Farmingの技術革新

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未来の食料生産として期待されているUrban Farmingですが、そもそも都市環境で農作物は育つのかといった疑問が浮かぶかもしれません。

Urban Farmingにはさまざまな栽培方法がありますが、最近ではデジタル技術との融合によって、都市部での食料生産の効率化が進んでいます。

例えば、IoTセンサーを活用した栽培方法です。栽培環境をモニタリングし、湿度や温度、光の強度、二酸化炭素濃度などをリアルタイムで監視するシステムを搭載しています。

また、センサーから得た情報をもとに、灌漑(かんがい)や照明、栄養補給などを自動制御する自動化システムも搭載。さらにデータ分析によって最適な栽培条件の予測や、早期異常を察知して害虫・病気予防にも役立っています。

こうした技術革新によって、生産効率が高まるUrban Farmingの未来に期待が寄せられています。

(参照:タニタやNTT東「都市型スマート農業」 農作業を「健康コンテンツ」に)

Urban Farmingは都市生活者の持続可能な食文化を担う!

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Urban Farmingは、都市生活者の食を支える大事な役割があります。農業従事者減少の対応策や都市環境の緑地増加、地産地消による食料の安全性向上や、環境負荷軽減などもUrban Farmingに期待が高まる理由です。

都市でも自分の食べものは自分で作るという持続可能な食文化が当たり前になる日が近いかもしれません。
あわせて読みたい: 国産野菜の危機と日本の農業の未来

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