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大阪で注目されるUrban Farming|背景や事例を解説

Monday, 04 November 2024

都市型農業を意味するUrban Farming。日本の三大都市である東京をはじめ、大阪でも休耕地を活用したUrban Farmingが広がっています。大阪でUrban Farmingが始まった背景にあるのが、超高齢社会や空き家問題などです。

今回は、大阪で注目されるUrban Farmingについて、始まった背景や事例を解説します。

大阪でUrban Farmingが始まった背景と現状

都市の空きスペースを利用して農業を行なうUrban Farmingは、食料自給率の向上や食の安全性の確保、都市環境の悪化を防ぐなど、都市が抱える問題の解決策として注目されています。

大阪でUrban Farmingが始まったのも社会問題が背景にあります。特に問題視されているのが「超高齢社会」「空き家問題」「地域コミュニティーの弱体化」の3つです。これらの問題の改善策としてUrban Farmingが導入されました。

大阪で注目されるUrban Farmingの事例をチェック! 

では、Urban Farmingはなぜ社会問題の改善策になるのでしょうか。ここでは、大阪の都市部で重要視される社会問題の現状を確認しながら見ていきましょう。

<超高齢社会>

大阪市のデータによると、令和2年で65歳以上の人口は大阪市全体の25.5%、つまり4人に1人が65歳以上と報告されています。

国連は、65歳以上の人口が21%を越えた場合を「超高齢社会」と定義していて、大阪府を含む日本は既に超高齢社会です。また、2025年には戦後のベビーブームで生まれた団塊世代が全員75歳を越え、国民の3人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上になります。

大阪市でもさらなる高齢者人口の増加が見込まれます。こうした超高齢社会で重要となるのが、健康維持と孤立の防止です。特に大阪は要介護認定率が全国一高いことでも知られています。

Urban Farmingで農活動を行なうと、健康維持に良い影響を得られることが研究で証明されています。また、市民農園など集団で活動することで、精神的・社会的健康の低下を抑える効果も期待できるのです。Urban Farmingは高齢者の健康維持に重要な役割を果たしています。

※あわせて読みたい
https://docs.google.com/document/d/1d3TXG5XHH-Psv0dZVTpuoSTqyo6qaJYK6Xud0GfykMA/edit

(参考:https://eemachi.pref.osaka.lg.jp/about/agenda/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalcpij/51/3/51_1024/_pdf)

<空き家問題>

日本全体で空き家の増加が問題になっていますが、特に大阪市は、平成25年の「住宅・土地調査」で空き家が28万戸、空き家率が17.2%となり政令指定都市ワースト1になりました。

管理されていない空き家の多くは老朽化し、倒壊の恐れや放火による火災、景観の悪化などさまざまな問題を引き起こします。

空き家の増加は街全体のイメージダウンや活力低下につながり、人口減少の一因になります。空き家を取り壊し、緑あふれる農地に転用することで景観の改善につながります。

Urban Farmingによって街の美観が向上し、地域住民にとっても魅力的なエリアになるのです。

(参考:https://www.sankei.com/article/20180201-OQOWCO3J3BIKTLSLPAZE23EV5E/)

<地域コミュニティーの弱体化>

大阪の都市部が抱える問題のひとつに、地域コミュニティーの弱体化が挙げられます。その要因はコミュニティー参加のきっかけとなる子どもの減少や、高齢者世帯の増加、住民の入れ替わりによる地域への愛着低下などです。

地域コミュニティーのつながりが薄れると、社会的孤立の増加や犯罪率の上昇を引き起こします。また、災害時に住民同士が助け合う体制が整わず、迅速な救助が難しくなるでしょう。

空き地を活用したUrban Farmingは地域住民が参加できるため、共同作業を通じてコミュニティーの結びつきが強まります。

(参考:https://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000074054.html
https://www.pref.osaka.lg.jp/o070040/fukatsu/chiikiryoku/index.html)

大阪で注目されるUrban Farmingの事例をチェック!

大阪の都市部では徐々にUrban Farmingが広がっています。ここでは、注目される2つの事例をチェックしていきましょう。

<農を知らない素人の集まりから始まったシェア農園>  

「街の中にみんなが集まる農園をつくる」をコンセプトに農を知らない素人の集まりから始まったシェア農園があります。住宅跡地を耕してつくった500㎡の農園は、1区画あたり約6㎡に分けられており個人で借りられます。

農具や水道が完備されていて、自分だけの区画で好きな無農薬野菜を育てられるのが特徴です。敷地内には古民家を改装したキッチンスタジオがあり、自由に使うことができます。

BBQ交流会や薬膳料理づくりなどのイベントも開催されており、コミュニティーの活性化や食と農を学ぶ場としても役立っています。

(参考:https://minnanouen.jp/about/)

<都市農園で育てた無農薬野菜を地域給食へ届けるプロジェクト> 

大阪の柏市と八尾市では、市民農園で育てた無農薬野菜を地域給食へ届けるプロジェクトがあります。地域のママたちが主体となり、「子どもたちに農薬や添加物を使わない安心安全な食材を届けたい」という思いから始まったといいます。

地域の休耕地を畑に変えることで、育っていく作物を身近に感じられる場や、地域の人々の居場所の役割を担っている点もポイントです。

無農薬野菜で給食の質が向上し、子どもたちが元気に育つことに加え、地域経済の循環で大人も元気に暮らせる街づくりを目指しています。

(参考:https://syncable.biz/associate/yumepro/vision#associate-tabs)

大阪のUrban Farmingは社会問題の解決に必要不可欠!

大阪の都市部では、超高齢社会や空き家問題、地域コミュニティーの弱体化など、さまざまな社会問題を抱えています。Urban Farmingを取り入れることで、健康維持や孤立の防止、街の景観の改善や地域コミュニティーの活性化につながります。

社会問題の解決に導き、持続可能な街づくりにむけてUrban Farmingは今後さらに必要性を高めていくことでしょう。

合わせて読みたい:アップサイクルの家とは?空き家や廃材を生かした驚きの再生術

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