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ヴィーガンは本当に環境に良い?具体的な数字で見てみよう!

Monday, 01 August 2022

ヴィーガンとは、食事から日用品まで、動物由来のものを使わないライフスタイルのことをいいます。中でも環境面を重視してヴィーガンを選択する人を「エンバイロメンタル・ヴィーガン」と呼びます。

今回は、ヴィーガン食に変えることで、地球環境にどれだけの効果をもたらすのか、具体的な数字で解説します!

畜産業は環境負荷が大きい

ヴィーガン食がもたらす環境効果を見る前に、知っておくべきことがあります。それは、肉類を生産する「畜産業」環境負荷が非常に大きいということです。

人口の増加とそれを上回るペースの肉の需要増加によって、畜産業は急成長を遂げました。しかし、それに伴い環境破壊も進んでいるのです。

例えば、牛のゲップや排泄物から出る温室効果ガス「メタン」の発生や、土壌・水質汚染、動物の放牧や飼料を育てるために行う森林伐採などの問題があげられます。特にメタンは、二酸化炭素の25倍もの強力な温室効果を持ちます

温室効果ガスの排出は地球温暖化の原因となり、気候変動を引き起こします。畜産業が排出する温室効果ガスは全体の14%を占めています。

国連食糧農業機関の報告書では、「許容範囲を超えて悪化し続ける損害を食い止めるには、畜産業における環境負担を半減しなければならない」と警告しており、私たちの食生活と環境問題が大きく関わっていることがうかがえるでしょう。

(畜産業による環境負荷については、こちらの記事もご覧ください。)
ヴィーガンが環境保全になる理由|畜産業による環境負荷とは

(参照:メタンの全大気平均濃度の2021年の年増加量が2011年以降で最大になりました~温室効果ガス観測技術衛星GOSAT(「いぶき」)の観測データより~
(参照:バカにできない?肉の生産で出る温室効果ガス

ヴィーガンまたは肉食を減らした食生活の環境効果

ここからは、ヴィーガンまたは肉食を減らした食生活は環境にどのような効果をもたらすのか、研究結果をもとに具体的な数字を見ていきましょう。

<ヴィーガン食は温室効果ガスの排出を70%削減>

イギリスのオックスフォード大学の研究によると、ヴィーガン食が世界の主要な地域すべてに広まった場合、2050年までに温室効果ガスの排出を70%削減できるといいます。

魚や卵、乳製品を食べるベジタリアン食では、温室効果ガスの削減量は63%でした。また、この研究では、ヴィーガン食の選択によって2050年までに最大800万人の死亡を回避できると報告しています。

さらに気候変動による被害を減らすことなども含めると、世界全体で5,700億ドル(約78兆円)の節約につながる可能性があるとしています。この研究結果からヴィーガン食は環境のみならず、健康面や経済面でも効果をもたらす可能性があることがわかりました。

(参照:Plant-based diets could save millions of lives and dramatically cut greenhouse gas emissions

<水資源の利用を大幅に節約>

肉食をやめてヴィーガン食に切り替えた場合、水資源の利用を大幅に節約できます。
例えば牛肉1㎏を生産するのに使う水の使用量は約20,600リットルですが、トウモロコシ1kgの場合、水の使用量は約434リットルです。動物性食品に比べて植物性食品は使用する水が大幅に少ないことから、ヴィーガン食が水資源の節約になることがわかります。

~動物性の食材(1kg生産するための水の使用量)~

・牛肉…20,600リットル
・豚肉…5,900リットル
・鶏肉…4,500リットル
・卵…3,200リットル
・バター…13,200リットル
・牛乳…550リットル

~植物性の食材(1kg生産するための水の使用量)~

・キャベツ…117リットル
・ブロッコリー…314リットル
・大豆…2,500リットル
・トウモロコシ…434リットル

動物性の食材に大量の水が使われる理由は、動物の飲み水に加え、飼料の穀物を育てるのに大量の水が必要だからです。

国連人口基金のデータによると、世界で水不足に悩まされている人は人口の4割といわれています。今の状況が続けば2050年には人口約97億人のうち、約半数が水不足の危機にさらされる可能性があると予測しています。

肉の消費を減らす選択が、未来の水不足の危機を回避することにもつながるのです。

(参照:バーチャルウォーター量自動計算
(参照:シリーズ DID YOU KNOW? :水

<森林伐採を抑え、野生動物の生息地を守る>

肉食を控えヴィーガン食が広まれば、森林伐採を抑えられ、野生動物の生息地を破壊せずに済みます。なぜなら、肉類の生産は多くの土地を必要とし、大量の森林伐採につながっているからです。

統計によると、牛肉1kgを生産するには326.21 m²の土地が必要ですが、大豆1kgを生産するには3.52 m²で済みます。実に90倍の差があるのです。

このように、肉類に比べて大豆などの植物性食品は少ない土地で生産できるため、農地拡大を目的とした森林伐採を抑え、野生動物の保護にもつながるのです。

(参照:Environmental Impacts of Food Production

肉食を少しずつ減らして、週に1度のヴィーガン食から始めてみよう!

肉食を控え、ヴィーガン食に変えることで、さまざまな環境効果をもたらすことがわかりました。実際に数字で見てみると、肉類の生産にどれだけの環境負荷が掛かっているのかを実感できたのではないでしょうか。

とはいえ、肉に親しんできた食生活を急に変えるのは難しいものです。今より肉食を半分に減らすことを目標に、まずは週に1度肉を食べない日を決め、ヴィーガン食を取り入れてみてください。

一人ひとりの行動が大きな力となり、地球環境に大きな効果をもたらすことでしょう。

あわせて読みたい: ヴィーガン/ベジタリアンの多い国はどこ?日本の現状は

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