• Green Growers
  • BLOG
  • 環境先進国ドイツのSDGs達成に向けた多様な取り組みとは?

BLOG -SDGs and Sustainability

環境先進国ドイツのSDGs達成に向けた多様な取り組みとは?

Thursday, 02 January 2025

環境先進国と呼ばれ、欧州の中で最もSDGs達成度の高いドイツは、多様な取り組みを行っていることでも知られています。自動車分野での循環型ビジネスの構築や空港跡地を生かしたエコシティーの開発など、実にさまざまです。

今回は「SDGs達成のための、各国の取り組み」をテーマに、環境先進国と呼ばれるドイツのSDGs達成に向けた取り組みを解説します。

ドイツはなぜ環境先進国と呼ばれるのか?  

そもそも、ドイツが環境先進国と呼ばれる理由には、SDGsが制定される以前から環境問題に取り組んできた背景があります。

 

ドイツは1960年頃に自動車の排気ガスや工場からの排煙によって大気汚染が進みました。その結果、酸性雨に見舞われ、深刻な森林破壊が起きてしまったのです。

 

この出来事をきっかけに、工業排水によって汚れた川や海を含む自然環境を守ろうと、国を挙げた環境対策を進める決意をしたといわれています。

 

政府が従来の環境意識を塗り替える政策を実施してきたことによって、国民一人ひとりの意識が高まり、環境に配慮した先進的な街づくりが進められています。

 

(参考:https://www2.nhk.or.jp/school/watch/clip/?das id=D0005311283_00000

環境先進国ドイツの取組みとは?日本人が見習うべきポイント)

ドイツのSDGs達成に向けた取り組み

ドイツでは、2045年までに温室効果ガス排出量実質ゼロのカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げ、CO2削減や再生可能エネルギーの推進などSDGsに関わるさまざまな取り組みを行っています。

 

ここからは、ドイツのSDGs達成に向けた多様な取り組みを見ていきましょう。

 

<空港跡地にカーボンニュートラルなエコシティーを開発> 

2020年に閉鎖されたドイツのテーゲル空港をエコシティーに生まれ変わらせる再開発プロジェクトが行われています。環境負荷を軽減するため、すべてを取り壊すのではなく、空港設備の一部を再利用しているのがポイントです。

 

ターミナルビルには、ベルリン工科大学をはじめ、商業スペースや新しく設立された企業のオフィスなどが入るといいます。東京ドーム8.5個分の広さの滑走路があったエリアには、5,000戸の集合住宅や学校、公園、商業施設などを建設予定です。

 

また、建物の建材にはCO2を吸収し、長期貯蔵できる天然木材を使用するほか、エコシティーで使われる電力はすべて太陽光発電や地熱発電などの再生可能エネルギーで賄われます。

 

さらに、動物の保護や救護を意味する「アニマル・エイデッド」デザインを採用し、オープンスペースや建物では、コウモリやバッタなどの生態系が生息できる環境が整っています。

 

空港を再利用したエコシティーは2027年を完成目標とし、現在も開発が進行中です。

 

(参考:https://eleminist.com/article/2220)

 

<政府公認の洋服タグでエシカルな衣服の購入を推進> 

ドイツでは2019年から政府公認の洋服タグを製作し、エシカルファッションの推進を図っています。

 

「Grüne Knopf(緑のボタン)」と呼ばれる洋服タグは、生産者の人権を尊重し、労働環境や自然環境に配慮された製品であることを証明するタグです。2013年のバングラディシュ縫製工場崩落事故をきっかけに導入されました。

 

児童労働や強制労働、危険な化学物質を使用していないことなども基準に含まれており、生産側のつくる責任や服選びに対する消費者の意識変革を目的としています。

 

(参考:https://gruener–knopf-de.translate.goog/?_x_tr_sl=de&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc)

 

<自動車の電動化や循環型ビジネスモデルの構築>  

自動車大国のドイツでは、自動車による温室効果ガスの排出量削減が重要課題となっています。自動車産業界は再生可能エネルギーを導入した電気自動車(EV)や、水素を混ぜ合わせた合成燃料、植物由来のバイオマス燃料などを使用した、環境負荷の低い自動車の普及に取り組んでいる状況です。

 

とある有名企業では、2030年までに欧州における電気自動車の販売を70%にすると宣言し、新車の完全電動化を目指しています。

 

また、使用済みの蓄電池やニッケルなどの素材を新車に再利用するなど、自動車生産における循環型ビジネスの構築も進んでいます。

 

(参考:https://sp.volkswagen.co.jp/way-to-zero/way-to-zero-the-overall-strategy/     

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2023/1101/7b594545f07ba1ca.html)

 

<レジ袋の提供禁止>

ドイツでは2022年1月より、小売業者によるプラスチック製のレジ袋の配布または販売が禁止されています。

 

厚さ15〜50マイクロメートルのレジ袋(バイオマス製や生分解性も含む)が対象で、野菜や果物、肉などを量り売りするときに使う薄手のビニール袋は対象外です。

 

また、小売店が消費者にレジ袋を提供した場合、最高で1,300万円の罰金が科される可能性があるとしています。

 

小売店では、提供する袋を有料紙袋やくり返し使えるコットンバッグに切り替えており、国民の間でもエコバッグやかごの利用が浸透中です。レジ袋の消費を廃止することで、海洋環境の保全につながっています。

 

それ以外にも、以下のような取り組みがあります。

 

・廃棄食品のみを提供するショップ

・使い捨て容器に対する税金やデポジット制の導入

・バルクショップ(量り売り)の推進

・ごみ分別の徹底

 

デポジット制は販売価格に預り金を上乗せした制度で、製品(容器)を返却すると預り金が戻ってくる仕組みのことです。この制度によって、リサイクル率が向上しています。

 

(参考:

使い捨てプラスチック製レジ袋の提供、2022年1月から禁止へ

https://earthsustainability.jp/economy/9427/

https://organic-press.com/column/kohgi_column_vol34/)

環境先進国のドイツからSDGsの先進的な取り組みを学ぼう!

ドイツは2045年のカーボンニュートラル達成を目指し、CO2削減や再生可能エネルギーの推進など多様な取り組みを行っています。空港跡地を再利用するエコシティーの開発は、日本に導入されていない先進的な取り組みです。

 

環境先進国のドイツに学び、SDGs達成に向けて取り組みを加速させていきましょう。

 

あわせて読みたい: SDGs目標12:つくる責任 つかう責任/食品ロスの現状を知ろう

Share

  • Facebook
  • Twitter
  • whatsapp
  • URLをコピー

BLOGのおすすめ記事

CLOSE

greengrowers

URLをコピーしました