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熊本県におけるSDGsの取り組みとは?特徴や事例を解説

Tuesday, 07 January 2025

九州地方のほぼ中央に位置する熊本県は、古くから「水の都」「森の都」と呼ばれるほど豊かな自然に恵まれた地域です。一方で熊本県は地震が発生しやすく、土砂災害などの被害を受けやすいことでも知られています。

災害の経験も踏まえて持続可能な街づくりを目指し、SDGsの取り組みも推進中です。今回は「SDGs達成のための、地域の取り組み」をテーマに、熊本県におけるSDGsの取り組みを解説します。

熊本県のSDGsの特徴

熊本県では、SDGs(持続可能な開発目標)を推進するため、地域の特性を生かしたさまざまな取り組みを行っています。まずは、熊本県ならではのSDGsの特徴を見ていきましょう。

 

<熊本県SDGs登録制度> 

熊本県では、SDGs登録制度という独自の取り組みがあります。これはSDGsに積極的に取り組む熊本県内の企業や団体が、自らの活動とSDGsとの関連性を理解し、具体的な取り組みを進めることによってSDGsの普及を促す制度です。

 

新たな価値の創造を大切にし、取り組みを見える化することで、地域活動の好循環につながり、熊本の特性を生かした持続可能な社会と地方創生が実現することを目指しています。

 

また登録期間は3年とされていますが、更新可能です。熊本県内の企業や団体であり、2030年を目指し環境・社会・経済の3つの側面において、SDGsと関連した取り組みを明確に示していることが要件になります。

 

(参考:https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/18/80968.html)

 

<SDGs未来都市の取り組み>  

政府が選定する「SDGs未来都市」に、熊本県ではこれまで以下の地域が選ばれてきました。

 

・小国町(2018年度)

・熊本市(2019年度)

・水俣市(2019年度)

・菊池市(2021年度)

・山都町(2022年度)

・八代市(2022年度)

・上天草市(2022年度)

・南阿蘇村(2022年度)

 

SDGs未来都市とは、SDGs達成に向けて優れた取り組みを提案する自治体として毎年政府が30地域ほど選定するものです。選定された都市は国と連携を取りながら、提案内容を具体化した3年間の「SDGs未来都市計画」を策定する必要があります。

 

例えば2019年にSDGs未来都市に選ばれた熊本市では、熊本地震での経験と教訓を生かし、地域単位の防災力を高める取り組みを提示しました。

 

排気ガスゼロの環境に優しい電動(EV)バスを導入し、災害時には避難所や病院に派遣し、非常用電源として活用するという内容です。

 

また、令和3年に選定された菊池市では、人口減少や少子高齢化に向けた対策として、ITベンチャーなどを取り入れ新たなビジネスを展開するなど、地域の活性化や持続可能なまちを発展し続けるまちを目指しています。

 

(参考:https://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/18/20497.html

https://www.shinrinbunka.com/news/pickup/20597.html

菊池市は「SDGs未来都市」に選定されました)

 

<「くまもとSDGsプラットフォーム」を開設> 

「くまもとSDGsプラットフォーム」は、熊本市をはじめ近隣の自治体が熊本連携中枢都市圏を形成し、経済成長のけん引や都市機能の集積・強化、圏域全体の生活関連機能の向上といった取り組みを行い、人々が集まる魅力的な街づくりを目指すことを目的に開設されました。

 

圏内の住民や事業者、団体、行政が実践するSDGs活動の紹介や協働活動のマッチングの場としての役割も担っています。

 

(参考:https://kumamoto-sdgs.jp/)

SDGs達成に向けた熊本県の取り組み事例

熊本県ではそれぞれの地域で持続可能な街づくりを目指した取り組みを実践しています。

ここからはSDGs達成に向けた熊本県内の取り組み事例を見ていきましょう。

 

<2050年のゼロカーボンを目指す取り組み>

地球温暖化による気候変動のリスクを低減するため、熊本連携中枢都市圏では2050年までに温室効果ガス排出量ゼロの「ゼロカーボン」を目指すことを宣言しています。

 

取り組みのひとつとして、南阿蘇村では初の地熱発電所が誕生しました。地熱発電とは、マグマの熱エネルギーで高温になった地下水や蒸気を井戸から取り出し、その蒸気の力を利用してタービンを動かし発電するシステムです。

 

発電させる過程で二酸化炭素が排出せず、天候を問わず24時間発電できます。取り出した温水は地中に戻すことで再び使えるという点もメリットです。

 

また別の取り組みでは、県民が2050年のゼロカーボン達成に向けて行動できるように、「くまもとセロカーボン行動ブック」を作成しました。環境に優しいだけでなく、お財布にも優しい36のアクションがわかりやすくまとめられていて、県民一人ひとりの意識や行動力の向上につながっています。

 

(参考:https://www.env.go.jp/content/900514927.pdf

https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/255154.pdf)

 

<熊本地震を教訓にマンホールトイレや貯水機能付給水管を整備> 

平成26年の熊本地震での被害を教訓に、熊本市では施設の耐震化などの防災対策や、マンホールトイレの整備、貯水機能付給水管の整備などを行っています。

 

被災時の避難所などでのトイレ確保のため、熊本市地域防災計画で避難所と認められている市内の小中学校および防災拠点のうち、下水道区域内にある施設を対象にマンホールトイレの設置を行っています。

 

市内の小中学校58校に、290基を整備しました。また、地震災害の断水時に4㎥の水道水が確保できる貯水機能対給水管があり、市内の小中学校に設置されている44基を整備しました。

 

(参考:

https://www.kumamoto-waterworks.jp/wp-content/uploads/2016/01/8daa40fd75c968eac56177eda5644cb7.pdf)

熊本県の取り組みを参考にSDGs達成へのアクションを起こしてみよう! 

熊本県は2050年のゼロカーボン達成を目指した取り組みや、震災の教訓を生かした持続可能な街づくりに向けた防災対策を強化しています。

 

県民がSDGsへの行動を起こしやすくなるような工夫もポイントです。熊本県の取り組みを参考に、SDGs達成に向けたアクションを起こしていきましょう。

 

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