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BLOG -Circular Economy and Environment

環境配慮型塗料とは?人体に影響のある溶剤型塗料との違い

Friday, 16 February 2024

外壁工事などで使用される外壁塗料。その多くは溶剤型塗料が使われており、環境や人体へ悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。そんな溶剤型塗料の代わりとして注目されているのが、環境配慮型塗料です。

環境配慮型塗料は従来の溶剤型塗料に比べて、どんな違いがあるのでしょうか?今回は溶剤塗料がもたらす人体への影響を確認した後、代わりとなる環境配慮型塗料の種類やメリットを解説します!

環境配慮型塗料とは? 

環境配慮型塗料とは、シンナーなどの有機溶剤が含まれていない環境に配慮した塗料を指します。環境配慮型の塗料には主に以下のような種類があります。

・水性塗料…塗料を薄める際に有機溶剤ではなく水で薄めたもの。
・粒体塗料…有機溶剤を含んでいない顔料や樹脂を粉状にした塗料。
・ハイソリッド塗料…有機溶剤が少量で塗料の割合が高いもの。
・有機物質低減型塗料…特化則対応塗料など。(※)

※特化則対応塗料とは?…特定化学物質障害予防規則(特化則)に対応している塗料のこと。特定化学物質障害予防規則(特化則)とは、適切な取り扱いをしないと健康を害する可能性のある化学物質に対し、取り扱い方や設備など事業者が守るべき規則を定めたものです。

上記の塗料はすべて「環境配慮型塗料」と呼ばれるものです。環境配慮型塗料は、人や動植物及び地球環境への負荷を低減・緩和する塗料と定義されています。

溶剤型塗料とは? 

一方、環境や人体への影響が懸念されている溶剤型塗料とは、シンナーなどの有機溶剤を用いて希釈した塗料です。環境配慮型塗料に比べて安価であり、性能が良く作業もしやすいことから多くの外壁塗装などで使用されています。溶剤型塗料には以下のような種類があります。
•ラッカー塗料
•油性エナメル
•フタル樹脂酸塗料
•シリコーン樹脂塗料 
•メラミン樹脂塗料
•ウレタン樹脂塗料
•エポキシ樹脂塗料

これらの溶剤型塗料にはすべて有機溶剤が含まれています。性能が良く作業しやすい一方で、人体や環境に良くない影響を及ぼす可能性があるといわれているのです。

溶剤型塗料がもたらす人体への影響  

溶剤型塗料は人体に悪影響をもたらすといわれています。例えば、皮膚に付着するとかぶれたり、皮膚から血液に入って病気を引き起こしたりする可能性があるといいます。

また、目に入ると失明の恐れもあるのです。さらに、溶剤型塗料が液体から気体となって発散したものを吸い込むと、喉が炎症を起こす可能性があります。

加えて恐ろしいのが、神経系への影響です。幻覚が見えることもあるなど、深刻な健康被害も否めません。有機溶剤を長期的に使用していた従業員の多くが、胆管がんを発症した事例もあるなど、溶剤型塗料による人体への影響は大きいといえます。

溶剤型塗料の代わりに環境型塗料を使うことのメリット 

溶剤型塗料の代わりに、環境型塗料を使うことで得られるメリットがあります。どんなメリットがあるのか見ていきましょう。

臭いを抑えられる

 
環境型塗料の中でもシンナーなどの有機溶剤が含まれていないものを選ぶことで、溶剤型塗料に比べて臭いが抑えられます。

近隣における戸建ての外壁塗装で、臭いに悩まされた人は多いかもしれません。これから外壁塗装を検討している人は有機溶剤の含まれない、水性塗料や粒体塗料を選ぶのがおすすめです。

(参照:人体へ悪影響を回避する!外壁塗装の臭いへの正しい対策法)

大気汚染を防げる

 
環境型塗料は有機溶剤が含まれていないか、あるいは極少量であるため大気汚染を防げるのがメリットです。溶剤型塗料の場合、有機溶剤に含まれるVOC(揮発性有機化合物)が蒸発しやすく大気中で気体となります。

VOCは大気汚染につながる浮遊粒子状物や光化学スモッグの原因物質のひとつともいわれているのです。近年では光化学スモッグが増えていることから大気汚染防止法として、VOCの排出規制がされるようになりました。

有機溶剤の含まれていない環境型塗料を使うことで、このような大気汚染の防止につながります。

人体への影響を防げる

 
環境型塗料を使う最大のメリットは人体や環境への影響を防げることです。先述したように、溶剤型塗料は塗装作業を行う作業員の健康を害する事例も出ています。

揮発した溶剤を吸い込むと中毒症状になり、めまい、眠気、錯乱などが生じることがあります。環境型塗料なら、このようなリスクが低く安心して使えるのが良い点です。

(参照:揮発性溶剤)

外壁塗装を検討するなら環境型塗料がおすすめ!

これまで塗料に関して気にしてこなかった人も多いかもしれません。しかし、外壁塗装など町中で溶剤型塗料が使われている可能性もあります。溶剤型塗料に含まれる有機溶剤は、環境や人への影響をもたらす恐れがあるため、できるだけ避けた方が良いでしょう。

これから外壁塗装を検討している人は、有機溶剤の含まれない環境型塗料を選び、周囲の環境や健康を守っていきましょう。
あわせて読みたい: サステナブルな取り組みの背景にある環境問題|重要課題をチェック

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