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クライメートテックとは?意味や注目される理由を解説
Tuesday, 04 February 2025
クライメートテックとは、気候変動対策に焦点をあてた革新的テクノロジーやビジネスのことです。今回はクライメートテックとは何か、意味や注目される理由を解説します。
クライメートテックとは?
クライメートテックとは、温室効果ガス排出量の削減や再生可能エネルギーの導入など、気候変動対策に焦点を当てたテクノロジー技術やビジネスを指します。
気候変動に立ち向かうための技術的ソリューションとして、世界で注目を集めています。技術的ソリューションとは、国や企業が抱える課題を革新的なテクノロジー技術を用いて解決していくための、システムやサービスのことです。
クライメートテックは「気候テック」とも呼ばれており、気候変動対策が求められる昨今で重要な役割を担うとして市場は拡大し続けています。
クライメートテックの代表的な6つの分野とは?
クライメートテックが取り組む分野は非常に幅広く、再生可能エネルギーの開発や温室効果ガスの削減、エネルギー効率の向上など、多岐にわたる技術革新が含まれます。
ここでは、クライメートテックの代表する6つの分野について、確認していきましょう。
<再生可能エネルギーの開発>
太陽光発電や風力発電、水力発電など、化石燃料に代わる再生可能エネルギーの開発に関わる分野です。最近では太陽光発電や風力発電の技術が高まり、再生可能エネルギーの導入コストも低下傾向にあることから、クライメートテックの中でも最も注目されています。
<エネルギーの効率化>
スマートグリッドや省エネ技術によるエネルギー消費の最適化に携わる分野です。スマートグリッドとは、IT技術を活用し、電力の需要と供給両方の側面から自動制御する電力網を指します。
スマートグリッド技術によってエネルギーの供給と消費が最適化し、無駄な使用を防げます。また、冷暖房のエネルギー消費を抑える省エネ住宅などもそのひとつです。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/)
<二酸化炭素の回収や除去>
温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた取り組みも、気候変動対策に欠かせない分野です。主に、カーボンキャプチャー&ストレージ(CCS)やダイレクトエアキャプチャー(DAC)などの技術が挙げられます。
CCSとは日本語で「二酸化炭素の回収・貯留」という意味で、大気中に排出されたCO2を回収し、地中に貯留する技術のことです。
一方、DACは大気中のCO2を直接吸収する技術をいいます。回収されたCO2は廃棄物エネルギーとしての使用や、地中に貯留することで大気中のCO2を削減できるという仕組みです。
CO2削減への大きな可能性を秘めているとして、日本の経済産業省はCCSの開発支援やDACの普及拡大を推進しています。
(参考:https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/ccus.html
https://earthene.com/media/1394)
<持続可能な食料生産>
持続可能な食料生産の分野には、植物由来の大豆ミートや培養肉といった代替たんぱく質の開発や、環境負荷の少ない垂直農法などがあります。
気候変動が引き起こす異常気象による農作物への被害や、収穫量の減少といった食糧危機を乗り越える持続可能な食料生産は、気候変動の適応策でもあり今後さらに期待が高まる分野です。
(参考:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/jizoku/attach/pdf/index-86.pdf)
<循環型経済>
循環型経済は、廃棄物を削減し、資源の循環利用やリサイクル技術に関わる分野です。
資源の再利用を図り、廃棄物の概念をなくす仕組みをつくる「サーキュラーデザイン」などもこれに当たります。
また、廃ペットボトルから新たなペットボトルに生まれ変わる、「ボトルtoボトル」のケミカルリサイクル技術なども循環型経済の分野です。
(参考:https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/html/hj21010202.html)
<CO2排出量の見える化>
CO2排出量の見える化も、気候変動対策に外せない分野として、国や多くの企業が注目しています。これまで複雑とされていた工場や企業、公共施設などから排出されるCO2を、最新技術やクラウドを活用して算出するサービスが発展しています。
CO2排出量の見える化は、低炭素行動の促進や温室効果ガス削減への行動を継続させる役割があるとして、日本でもCO2排出量の見える化ビジネスは増加傾向です。
(参考:https://www.env.go.jp/council/37ghg-mieruka/y370-02/mat01.pdf)
クライメートテックが注目される理由
クライメートテックが注目される理由として、世界共通目標であるSDGsの推進や、脱炭素社会の実現を目指す背景があります。気候変動による異常気象が世界各地で頻発しており、自然災害による被害は1970年代に比べて5倍に増えたといわれています。
こうした状況から温暖化対策や環境負荷軽減の取り組みが求められるようになり、SDGsの推進や脱炭素への取り組みが広がりました。
日本政府も2050年を目標にカーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現を宣言しており、クライメートテック分野を支援する政策も増大しています。脱炭素社会の実現に向けて、クライメートテックのスタートアップに対する期待は高まっているのです。
(参考:https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2023/84518/sustainable
気候変動対策に重要なクライメートテックに注目!
クライメートテックは、気候変動対策に焦点を当てたテクノロジー技術やビジネスを指します。再生可能エネルギーの開発や二酸化炭素の回収・貯留など、多岐にわたる革新技術で気候変動への課題に立ち向かっています。
今後もさらにクライメートテックの市場は拡大していくことでしょう。気候変動対策に重要なクライメートテックに、注目してみてはいかがでしょうか。
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