世界で最もサステナブルな企業100社に選出された事務機器メーカーの取り組み
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世界で最もサステナブルな企業100社に選出された事務機器メーカーの取り組み

Tuesday, 08 July 2025

事務機器や光学機器を製造する日本の企業が、2025年1月カナダの調査会社による「世界で最もサステナブルな企業100社」の一つに選出され、総合51位にランクインしました。

これは通算13回目の選定であり、コンピューターおよび周辺機器製造セクターでは最高位となる快挙です。今回は、同社のサステナビリティー戦略と具体的な取り組みを解説します。

日本の事務機器メーカーが世界で最もサステナブルな企業に選出された背景

日本の事務機器・光学機器メーカーが、カナダのサステナビリティー評価機関が発表する「世界で最もサステナブルな企業100社」において、総合51位にランクインし、コンピューターおよび周辺機器製造セクターで最高位を獲得しました。

 

これは、2005年から2014年までの10年連続選出に続き、2023年から3年連続での選出となり、通算13回目の快挙となっています。

 

この評価は、同社が掲げるESG(環境・社会・ガバナンス)と事業成長の同軸化」戦略の成果を示すものです。

 

同社は、サステナブルな製品・サービスの売上拡大や、気候変動分野での長年の取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献しています。

 

ESGと事業成長の統合的なアプローチは、国際的な評価機関から高く評価されており、今後もその取り組みが注目されています。

 

(参考:https://www.ricoh.com/info/2025/0123_1)

事務機器・光学機器メーカーのサステナビリティー戦略  

同社は持続可能な社会の実現に向けて、独自のサステナビリティー戦略を掲げています。これは、経済社会地球環境の3つの要素が調和した社会を目指す考え方であり、企業活動を通じてこれらのバランスを保つことを重視しています。

 

このビジョンを具体化するために、同社は「事業を通じた社会課題解決」「経営基盤の強化」の2つの視点から、7つのマテリアリティ(重要社会課題)を特定しました。これらのマテリアリティには、以下のような項目が含まれます。

 

【事業を通じた社会課題解決】

 

  1. “はたらく”の変革
  2. 脱炭素社会の実現
  3. 循環型社会の実現
  4. 地域・社会の発展

 

【経営基盤の強化】

  1. 責任あるビジネスプロセスの構築
  2. オープンイノベーションの強化
  3. 多様な人材の活躍

 

これらのマテリアリティに対応する形で、同社は16のESG目標を設定し、具体的なKPI(重要業績評価指標)を通じて進捗を管理しています。

 

例えば、GHG(温室効果ガス)排出量の削減、再生可能エネルギーの使用比率の向上、製品の新規資源使用率の低減など、環境面での目標が含まれています。

 

同社は、これらの取り組みを通じて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を同時に追求しています。

 

(参考:https://jp.ricoh.com/sustainability/environment/management/policy

https://japanclimate.org/member/ricoh-company/

https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20240906/20240905581476.pdf)

環境への取り組み:脱炭素社会と循環型社会の実現  

同社は脱炭素社会と循環型社会の実現に向けて、製品開発と事業活動の両面で積極的な取り組みを進めています。ここからは環境への具体的な取り組みを見ていきましょう。

 

あわせて読みたい: 世界のファンドによるサステナブル業界への投資事例をチェック

 

<環境配慮型製品の開発:A3カラー複合機> 

同社のA3カラー複合機は、環境負荷低減を追求した製品です。本機は、製品本体の樹脂総重量の約50%に再生プラスチックを使用し、業界トップクラスの再生材使用率を実現しています。

 

さらに、低融点トナーの採用により消費電力を削減し、前身機と比較してライフサイクル全体でのカーボンフットプリントを約27%低減しています。

 

また、製品の組み立て生産には再生可能エネルギー由来の電力を100%使用し、包装プラスチックも従来比で54%削減するなど、環境への配慮が随所に施されています。

 

(参考:https://www.ricoh.co.jp/products/maker/ricoh/features/multi-function-printer-environment)

 

CO2排出削減目標と実績>  

同社のグループは、2050年までにGHG(温室効果ガス)排出ネットゼロを目指し、以下の中間目標を設定しています。

 

【2030年目標】 

・スコープ1、2で63%削減(2015年比)

・スコープ3で40%削減(2015年比)

・再生可能エネルギー比率50%

 

【2040年目標】 

・スコープ1、2(自社の直接排出と購入電力による間接排出)においてGHG実質排出ゼロ(2015年比90%削減、残余排出は国際的に認められる方法でオフセット)

・スコープ3(サプライチェーン全体)で65%削減(2015年比)

・再生可能エネルギー比率100%

 

これらの目標は、国際的なイニシアチブであるSBTi(Science Based Targets initiative)による1.5℃水準」の認定を取得しており、科学的根拠に基づいた取り組みとして位置づけられています。

 

(参考:https://jp.ricoh.com/sustainability/environment/zero_carbon_society

https://www.jema-net.or.jp/sustainability/climatechange/evefa20000002355-att/down_pdf_1.pdf)

社会課題への取り組み:多様な人材の活躍と地域社会への貢献  

同社はダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(DEI)の推進を通じて、多様な人材が活躍できる企業文化の育成と地域社会への貢献に取り組んでいます。

 

ここでは、社会課題への取り組みを確認していきましょう。

 

<多様な人材が活躍できる企業文化の育成>

同社は性別、年齢、国籍、障がいの有無、性的指向などに関わらず、すべての社員が能力を最大限に発揮できる職場環境の構築を目指しています。

 

具体的な取り組みとして、女性管理職候補層の早期育成研修、若手女性向けキャリアフォーラム、LGBTQ+に関する理解促進セミナー、障がい者の職域拡大、ベテラン人材へのキャリア支援などを推進中です。

 

(参考:https://jp.ricoh.com/sustainability/society/diversity-equity-inclusion-worklife-management/japan

https://jp.ricoh.com/-/Media/Ricoh/Sites/jp_ricoh/about/integrated-report/pdf2023/P61-68_spread.pdf)

 

<地域社会への貢献と共創活動の推進> 

同社は地域社会との共創を通じて、社会課題の解決に貢献しています。具体的な活動として、地域清掃活動、森林保全活動、地域企業との連携による地域貢献活動、SDGsイベントへの出展などを展開中です。

 

また、事業を通じた社会課題解決の取り組みを「製品・サービスを通じてお客様と進めるSDGsへの貢献」と捉え、地域・社会の発展に向けた活動を進めています。

 

(参考:リコージャパン株式会社の社会貢献活動の取り組み

https://jp.ricoh.com/companies/ricoh-japan/sustainability/solving-social-issues-through-our-business)

未来を創る日本のサステナブル企業の挑戦に関心を持とう  

世界で最もサステナブルな企業100社に選出された、日本の事務機器・光学機器メーカーは、経済・社会・地球環境の調和を目指すサステナビリティー戦略を推進しています。

 

7つのマテリアリティと16のESG目標を設定し、事業成長と社会課題解決を同軸で進めることで、持続可能な社会の実現に貢献しています。同社の取り組みに関心を持ち、私たち一人ひとりの選択でより良い未来を築いていきましょう。

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