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木材を生かしたサーキュラーエコノミー|活用事例を見てみよう!

Thursday, 28 March 2024

木材の廃棄物には、一般廃棄物と産業廃棄物の2種類があります。一般廃棄物は家庭から出る木材で、法的に企業や個人が自由に回収しリサイクルすることはできません。一方、産業廃棄物は建設業者や家具製造業者など、業者から出る木材を指します。

今、この産業廃棄物の木材を生かしたサーキュラーエコノミーに、注目が集まっているのです。今回は、木材が持つ特性や可能性に触れ、木材を生かしたサーキュラーエコノミーの事例をご紹介します!

(参照:https://www.lumber-recycling.com/cascade_use/recycling-mechanism.html)

木材はCO2を吸収する優秀な資源!

日本では古くから建築材や家具に使用されている木材は、天然資源で環境に優しい素材として親しまれてきました。木材が建築材として選ばれる理由のひとつが二酸化炭素(CO2)を蓄えられるという点です。

樹木は大気中の炭素を吸収し、伐採・加工されたあとも炭素は構造内に保存され続けるといわれています。

また、木が持つ柔らかで温かみのある質感と、断熱性や調湿性に優れた機能を持ち合わせています。木の香りによるリラックス効果やストレス軽減効果など、心身の健康効果が期待できる点も魅力です。

さらに、天然資源のためプラスチックと違い生分解でき、環境負荷を軽減できるのもポイントになっています。

(参照:
https://cehub.jp/news/weforum-sustainable-timber/
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/nourin/ringyou/kiiku/motto/)

木材を廃棄するのはもったいない!リサイクル方法は?

木材は主に建設業者や家具製造業者に多く扱われています。これらの業種は建築したり物を製造したりする上で、どうしても木材の廃棄物である「木くず」が発生します。

業者から出る木くずは、2008年に産業廃棄物の対象として扱われるようになって以来、リサイクル原料として加工されるのが主流となっています。

木くずがリサイクル原料として加工される場合、主に「チップ化」「ペレット化」「ファイバー化」の3種類に分類されます。それぞれの特徴は以下の通りです。

・チップ化…均一なサイズが特徴。主に紙や家具、建材、家電などさまざまな用途で使われる。
・ファイバー化…チップ化よりもさらに細かく砕かれ、繊維になるまで分解されるのが特徴。建材のファイバーボードなどに使われる。
・ペレット化…木くずを固めたもの。ストーブや暖炉の燃料などに使われる。

木材廃棄物は、このようにリサイクル原料として生まれ変わることができます。良質な原料にするため、異物を限りなく除去してからそれぞれの形に加工するのがポイントです。

(参照:
https://cehub.jp/news/weforum-sustainable-timber/
https://www.lumber-recycling.com/cascade_use/recycling-mechanism.html)

木材を生かしたサーキュラーエコノミーの事例を見てみよう

業者から出る木材廃棄物は、リサイクル技術の進化によって、再利用可能な資源へと生まれ変わることがわかりました。

昨今では、循環型経済のサーキュラーエコノミーへの移行が求められていますが、経済建築業界や家具製造業界などで、廃棄木材をチップ化やファイバー化、ペレット化などに再生した、リサイクル原料を生かした取り組みが広がっています。

ここからは、木材を生かしたサーキュラーエコノミーの事例を見ていきましょう。

<家屋解体材から生まれる建築資材>

家屋の解体現場で発生する廃棄木材や、新築の工事現場などで発生する不要な木材を生かして、丈夫な建築資材の「パーティクルボード」に生まれ変わらせる取り組み事例があります。

パーティクルボードとは、廃棄木材を粉砕したチップを固めて作る板のことです。主に住宅の下地などに使用される建材で熱を加えて圧力をかけ、成型する特徴があります。

もともとは森林から採れる木材を使用していましたが、時代の変化などをきっかけに廃棄木材から製造するようになりました。廃棄予定の木くずが丈夫な建材に生まれ変わり、資源の循環を実現している取り組みです。

(参照:https://kinomachi.jp/6243/)

<廃棄木材とコンクリートがれきから生まれるボタニカルコンクリート>

廃棄木材とコンクリートがれきを混ぜて、水を加えただけで「ボタニカルコンクリート」と呼ばれる新たなコンクリートを生成できる最新技術が開発されています。

廃棄木材に含まれる樹木成分の「リグニン」が接着剤として作用するため、通常のコンクリート生成に必要な成分を使わず、廃棄材のみでコンクリートを生成できるのが特徴です。

リグニンは樹木だけでなく、野菜くずや落ち葉にも含まれている植物由来の成分で、混ぜやすく柔軟性が増して加工しやすいメリットもあります。

さらに、セメント不要で接着できるため、二酸化炭素(CO2)を排出せず、環境に優しいのもポイントです。

(参照:
https://happy-quinoa.com/botanical-concrete/
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/genjo_kadai/attach/pdf/SDGs_shinrin-5.pdf)

<廃棄木材とプラスチックごみを融合させた循環型素材の開発>

建築材の解体などから出た廃棄木材と、家庭や事業から出るプラスチックごみを融合させた循環型の素材が開発されています。これまでリサイクルが難しいとされてきた複合プラスチックもすべて活用できるのが特徴です。

現在では、主に国立公園などの自然遊歩道やオフィスビル、商業施設内の広場の舗装として利用されています。廃棄物の有効活用と、廃棄物を処分する際に発生するCO2の排出量を抑えられるのがメリットです。

廃棄木材を活用したサーキュラーエコノミーに目を向けてみよう!

事業者から出る廃棄木材は、加工技術でリサイクル原料として再生され、建築資材のパーティクルボードやコンクリートにがれきを混ぜたボタニカルコンクリート、プラスチックごみを融合させた循環型素材など、さまざまなものに生まれ変わっています。

再生された素材はすべて廃棄物から作られたものです。今後もさらに開発が続き、廃棄木材の可能性はますます広がっていくことでしょう。

ぜひこれを機に、廃棄木材を活用したサーキュラーエコノミーに目を向けてみてはいかがでしょうか。

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