エシカルファッションとは、素材の選定から生産、流通、販売に至るまで地球環境や生産者の労働権利に配慮して作られたファッションのことです。エマ・ワトソンがエシカルファッションを推進する背景は、10代にまで遡ります。

エマ・ワトソンはハリーポッターシリーズに出演していた12歳の頃から、ファッション業界とサステナビリティの関係性に関心があったといいます。

当時、先進的な教師の元で学んでいたエマ・ワトソンは、特にフェアトレード・ファッションと再生可能エネルギーについて強い関心を示しました。

そして2010年にオーガニックコットンの服で知られるブランドと共にバングラデシュを訪問する機会を得ます。このとき、ファッション業界による環境問題や労働者の権利問題など、さまざまな課題を知り、サステナビリティーの重要性が明確になったのです。

また、世界で縫製業に携わる労働者の約80％が18〜35歳までの女性という事実も知り、フェミニズムの問題と深く関わっていると感じたそうです。

エマ・ワトソンは、ファッション業界はより良く発展する可能性に満ちていると考えて、自身の活動を通じてサステナビリティーの重要性を訴え、エシカルファッションを推進しています。

（参照:エマ・ワトソンにASK！ ケリングの取締役になり、ファッション界のサステナビリティを推進する理由。)

現在34歳のエマ・ワトソンは10代の頃から今日まで、サステナビリティーに関するさまざまなアクションを起こしてきました。ここからは、エマ・ワトソンのサステナブルな活動を見ていきましょう。

2009年、19歳のときにエシカルファッションブランドとコラボ

エマ・ワトソンは、「フェアトレードとオーガニックな生産方法を選択するブランドとならノーギャラでコラボする」と宣言し、2009年にエシカルファッションとフェアトレードを推進しているブランドとのコラボを実現しました。

自身もデザインや製品づくりに積極的に関わり、「貧困問題緩和のツールとしてファッションを使うというブランドのアイデアがうれしかった」と話しています。

また、若い世代が関心を示すファストファッションには人道問題があるため、別の選択肢を増やしたいという思いがあったといいます。

（参照:エシカルファッションの先駆者、エマ・ワトソンのサステナブルファッション・ヒストリー)

国連女性機関「UN Women」の親善大使に就任。ジェンダー平等の推進に尽力

バングラデシュへの訪問やエシカルファッションの推進など、その影響力や功績が讃えられ、エマ・ワトソンは2014年7月に国連女性機関「UN Women」の親善大使に就任しました。

「UN Women」は、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための機関として、世界全域で女性と女児のニーズに応じた変化を支援する目的で設立されたものです。

また、エマはジェンダー平等を推進する「He For She」の立ち上げにも携わり、発足の際にはニューヨークの国連本部でスピーチも行っています。

男性もジェンダー平等に立ち上がるよう呼びかけ、世界中から注目を集めました。「He For She」の取り組みのひとつとして、ファッション業界の格差撲滅を訴え、人種差別と性差別を無くしていこうと呼びかけています。

（参照:女優エマ・ワトソンが、UN Women親善大使に就任)
（参照:HeForShe：ジェンダー平等を実現するムーブメント)

人道支援団体の「ホワイトシャツプロジェクト」に参加

エマ・ワトソンは人道支援団体が立ち上げたキャンペーンの「ホワイトシャツプロジェクト」に参加しました。これはファストファッションの工場で安い賃金で働かされる子どもたちや労働者問題を改善するためのプロジェクトです。

ブランドやデザイナーとコラボして白いシャツを制作し、その売上をチャリティー資金として奴隷労働や人身売買撲滅のために寄付しました。

エマもイベントなどでは白いシャツを着て出席し、プロジェクトのアピールに努めていました。

（参照:エシカルファッションの先駆者、エマ・ワトソンのサステナブルファッション・ヒストリー)

映画のプロモーション活動や授賞式ではエシカルファッションを徹底

俳優としての活動も多忙を極めるエマは、映画のプロモーション活動や授賞式などでもエシカルファッションを徹底しています。

動物由来のファーを使わないと宣言したブランドや、持続可能な生産方法で服をつくるブランドのアイテムを身に着けるなど、世界各地でエシカルファッションを披露し、サステナブルなメッセージを発信し続けています。

ファッションブランドの環境対策がわかるアプリのサポーターに就任

エマ・ワトソンは、エシカルなファッションブランドかどうかすぐに判断できるアプリのサポーターに就任しています。

このアプリではブランドが取り組む環境対策やエシカルブランドとしてのランキングがわかるため、エシカルブランドを選択するのに役立ちます。

また、エシカルやサステナブルなふりをしている、グリーンウオッシュなブランドを見抜くのにも適したツールです。

（参照:誰でもエシカルファッションを選べるアプリ「Good on you」が取り組む、消費者の意識改革)

エマ・ワトソンは俳優業の傍ら、フェミニズム活動家としてジェンダー平等を訴えたり、エシカルファッションを推進したりと、環境や社会問題に対しても積極的に活動しています。

エマ・ワトソンのThe use of arts to promote sustainability（持続可能性を促進するための芸術の使用）は、世代を超えて世界中の人々に良い影響を与え、エシカル消費を考える機会をもたらしているでしょう。

これを機に、エシカルファッションやジェンダー平等に関心を向けていきましょう。
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