フードテックが切り開くプラントベースフードの可能性|技術革新を調査
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フードテックが切り開くプラントベースフードの可能性|技術革新を調査

Thursday, 10 April 2025

近年、食品業界では「プラントベースフード」と「フードテック」が大きな注目を集めています。

環境や健康志向の高まりから植物由来のプラントベース食品を選ぶ人が増えている中、それを支える最先端技術も急速に進化し、これまで以上においしく栄養価の高いプラントベースフードが生まれているのです。

今回は、プラントベースフードを支えるフードテックとは何か、技術革新やフードテックを活用したプラントベースフードの今後の可能性を解説します。

プラントベースフードを支えるフードテックとは? 

フードテックとは「フード(食品)×テクノロジー(技術)」を掛け合わせた造語のことです。食の分野にテクノロジーを活用し、食の課題解決や新しい食の可能性を広げる最先端技術を指します。

 

フードテックは食料生産や調理技術、流通や配送、外食やフードデリバリーなど、幅広い領域で活用されていますが、中でも重要な役割を果たしているのが、プラントベースフードの開発です。

 

植物性の代替食品は、フードテックの最先端技術によって次々と新しい食品が誕生しています。フードテックはプラントベースフードの可能性を大きく広げる技術としても、注目されているのです。

 

(参考:https://at-living.press/sustainable/22605/)

プラントベースフードの可能性を広げるフードテックの技術革新

プラントベースフードの可能性を広げるフードテックの技術革新には、どのようなものがあるのか見ていきましょう。

 

あわせて読みたい: プラントベースフードで注目される「プラントベースミート」の可能性

 

<動物由来の食品を再現したプラントベースフードの商品開発>

フードテックの代表的な事例といえば、プラントベースフードの商品開発です。例えば、ダイズやエンドウマメたんぱくを原料とした代替肉が挙げられます。

 

ダイズの発芽技術を用いることで、食感や味わいを動物由来の肉に近づけた商品が誕生しました。また、プラントベースエッグと呼ばれる代替卵もそのひとつです。

 

こんにゃく粉やにがりを使用し、独自の発酵技術を活用してうま味を抽出し、卵のコクを表現しています。

 

プラントベースエッグには、ニンジンや白インゲンマメを原料に使用し、野菜半熟化技術を用いてふわとろ食感を実現した、スクランブルエッグタイプの製品も開発されています。

 

さらに、植物由来の原料のみで濃厚で味わい深いコクのあるソースも、フードテックによって生み出された食品のひとつです。

 

例えば、キノコを冷凍し、細胞壁を壊してうま味成分を引き出したプラントベースのオイスターソースや、果実と複数の調味料で独特の香りを再現したプラントベースのナンプラーなどが挙げられます。

 

(参考:https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sosyutu/asset/meguji.pdf)

 

<3Dプリント技術を用いた代替肉の再現> 

プラントベースフードの可能性を広げるフードテックの事例には、3Dプリント技術を用いた代替肉の再現もあります。これまで植物由来の代替肉は、ひき肉やブロック、スライス、フィレといった形状が主流でした。

 

しかし、3Dプリント技術を取り入れることで、ステーキ肉のような厚みのある代替肉が再現できるようになったのです。

 

ダイズやエンドウマメ、ヒヨコマメ、ココナッツオイルなど植物由来の原料を使用しながらも、ステーキのような見た目と質感、風味を実現しています。

 

また、代替肉にとどまらず、植物由来の原料を使用したサーモンなどのプラントベースシーフードも、3Dプリント技術を活用した製品が誕生しています。

 

(参考:https://foodtech-japan.com/2022/01/28/redefine-meat-5/

https://www.autodesk.com/jp/design-make/articles/3d-printed-food)

 

<おいしさと満足度の向上> 

プラントベースフードは動物由来の代替食品として、見た目だけでなく、おいしさや満足度の向上を目指し、進化し続けています。その背景にあるのもフードテックの技術革新です。

 

プラントベースミートの「おいしくない」「満足度が低い」というイメージを払拭するために香り、風味、食感にこだわった製品も生み出されています。

 

例えば、メーカー独自の増粘剤の技術を用いてパサパサした食感をなくし、ジューシーに仕上げる製法や、昆布やきのこの出汁のうま味を取り入れて風味を出すなどの事例があります。

 

(参考:https://www.bridgine.com/2023/11/22/tastable/)

 

<人工光型の植物工場> 

フードテックはプラントベースフードの原料となる野菜や果実の生産性の向上にも貢献しています。例えば、次世代型植物工場の開発です。植物工場は、密閉型構造の栽培システムを導入しているため、栽培環境を高精度に自動制御できます。

 

天候に左右されることなく、安定した持続可能な食料供給を目指せます。水耕栽培が一般的で垂直農法を利用するため、都市部の空きスペースでの栽培が可能な点もメリットです。

 

(参考:https://www.plantx.co.jp/ledplantfactory/)

フードテックが切り開くプラントベースフードの今後の可能性  

フードテックの進化によって、プラントベースフードの可能性は大きく広がっています。

技術革新により、これまでの「代替食品」の枠を超え、新たな食文化を生み出す段階に入っているといえます。

 

例えば「精密発酵技術」は、微生物を利用して乳たんぱくや卵白などの動物由来の成分を植物ベースで精製できる技術です。実際に米国の企業では、動物を使わずに乳たんぱくを生産し、アイスクリームやチーズに活用しています。

 

また、植物由来成分と培養肉を組み合わせ、コスト削減と風味の向上を両立した、ハイブリッドなプラントベースフードも増えてくると考えられています。

 

さらに技術の進化によって大量生産が可能になれば、価格が下がり、一般消費者向けに普及が加速していく可能性も高いといえるでしょう。

フードテックはプラントベースフードの可能性を広げ、未来の食を支える!

フードテックはプラントベースフードの開発と発展に、重要な役割を果たしています。フードテックの進化によって、プラントベースフードの品質や選択肢、普及は大きく広がっていくことでしょう。

 

フードテックが支えるプラントベースフードは、今後ますます「日常の食事」の一部となり、未来の食生活を形作っていくのではないでしょうか。

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