チューリップの水耕栽培は球根から育てる場合と、芽が出ている状態の球根から育てる場合の2通りの方法があります。それぞれどんな方法なのか詳しく見ていきましょう。

球根から育てる場合

チューリップは、土で育てるときと同じく球根からでも水耕栽培が可能です。ただし、球根から育てる場合には、下準備が必要になります。

ホームセンターなどで購入してきた球根を紙袋などに入れて封を閉じ、しばらく冷蔵庫で寝かせます。これを「春化処理」といいます。

春化処理をする理由は、春に開花する球根は冬の寒さを超えなければ花芽がつかない性質があるからです。とはいえ、凍ってしまうような場所に置くのは避けましょう。冷蔵庫での保管は2〜3カ月が目安です。

芽が出ている球根から育てる場合

芽が出ている球根は「春化球根」や「アイスチューリップ」と呼ばれる球根のことで、春化処理を済ませた状態で販売されています。

そのため長期間冷蔵保管する手間もなく、購入してすぐに水耕栽培に取りかかれるのがメリットです。手軽に水耕栽培を始めたい人は、芽が出た球根から育てるのがおすすめです。

ここからは、チューリップの水耕栽培での育て方を具体的に解説します。

用意するもの

・春化処理した状態の球根
・水耕栽培用の容器（500mlのペットボトルでも可）
・液体肥料

1.球根の外側にある茶色の皮をむく

まずは、春化処理がしてある球根の外側についている茶色の皮をむきます。この時に、根の生える部分を傷つけないように気をつけましょう。

茶色の皮は水につけるとふやけてカビが生える原因になるため、きれいにむくのがポイントです。

2.水耕栽培の容器にセットする

茶色の皮をむいたら、球根を水耕栽培用の容器にセットします。そして根の部分が浸るくらいまで、容器に水を入れていきます。この時点では、まだ液体肥料は入れません。

3.日が当たらない場所に設置する

球根を容器にセットしたら、15℃程度の気温が保てる日が当たらない暗い場所に設置します。ベランダなら光を通さない段ボールなどをかぶせておくのも良いでしょう。

日が当たらないようにする理由は、球根が土の中で越冬するときに近い環境にすることで、成長しやすくなるからです。

4.成長してきたら置き場所を日なたに移す

成長してきたら、直射日光の当たらない日なたに移しましょう。日なたに置くことで、球根は春がやってきたと錯覚します。

成長する過程で根も伸びてくるので、根が触れる程度の水位に調整しましょう。暖房の効いた部屋で育てる場合、カビが生えやすくなるため風通しの良い場所に置くのがおすすめです。

暖かい場所では水が蒸発しやすいため、水換えは1日1回は行いましょう。このとき水はすべて取り換え、液体肥料を1～2滴たらします。肥料のやり過ぎは根腐れの原因になるため気をつけましょう。

暖かい場所に移してからおよそ2～4週間後に、色鮮やかな花が咲きますよ。

チューリップの水耕栽培を成功させるには、ちょっとしたポイントを押さえることが大切です。
ここでは3つのポイントを確認していきましょう！

芽が出たら毎日水換えを行う

芽が出たら基本的に水換えは毎日行うのがベストです。なぜなら、水が汚れると菌が繁殖しやすくなり、根腐れの原因になるからです。

水換えをする際には、継ぎ足すのではなく丸ごときれいな水に取り換えるようにしましょう。

芽が出るまでは日陰、芽が出てきたら日なたに置く

チューリップの水耕栽培を成功させるポイントは、芽の成長によってその都度置き場所を変えることです。

芽が出るまでは越冬と同じような環境にするために日の当たらない冷暗所に置き、芽が出てきたら春がきたと錯覚させるために、日なたに置きます。

置き場所をきちんと変えることによって生育に適した条件がそろい、順調に育っていくでしょう。また、花が咲いたら涼しい場所に置くと長持ちします。

チューリップの水耕栽培は、根が伸びていく様子を見られる楽しさがあります。土を使わないため、病気や害虫の心配がほぼないのもメリットです。

大事に育てたチューリップが色鮮やかな花を咲かせたときには、心も華やかな気分になることでしょう。土耕栽培よりも簡単なチューリップの水耕栽培。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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