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プラントベースフード×中華料理の可能性とは?課題と今後の展望
Tuesday, 15 April 2025

そんな中、注目を集めているのが「プラントベースフード×中華料理」の融合です。「プラントベース中華」とも呼ばれており、中華料理店での提供やインスタント食品、冷凍食品にも登場しています。
今回はプラントベース中華の可能性やトレンド、課題や未来の展望を解説します。
プラントベース中華とは?
プラントベース中華とは、肉・魚・乳製品・卵などの動物性食材を使用せず、植物由来の食材のみで作る中華料理のことです。
従来の中華料理では定番の肉や魚は、ダイズミートや腐竹で代用します。腐竹とは豆腐を作る過程で豆乳の表面にできる膜のことで、湯葉のようなものです。
腐竹は湯葉を何枚も重ねて作られるため、湯葉よりも大きくて厚みがあります。肉厚な食感で食べ応えがあり、プラントベース中華に良く使われる食材のひとつです。
また、中華料理のコクを出すために豆鼓(とうち)や甜麵醬(てんめんじゃん)などの発酵食品を使う特徴があります。
植物由来の食材のみで伝統的な本格中華料理の再現を目指し、新しい食の選択肢として進化しているジャンルです。

プラントベース中華の可能性
プラントベース中華は、伝統的な中華料理との相性が良く、新たな食文化としての可能性や、健康、環境、フードテック、外食産業などさまざまな観点から成長の可能性を秘めています。ここではプラントベース中華の可能性について見ていきましょう。
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<植物性の食材は伝統的な中華料理と相性が良い>
もともと中華料理には、豆腐や野菜、キノコ類、ナッツ、発酵食品などのプラントベース食材が豊富に使われています。四川料理の特徴にあるように、スパイスや調味料の工夫次第で肉を使わなくても満足感のある味わいを再現できます。
中国仏教の素食である精進料理など、植物性食材を生かした料理が存在するため、無理なく取り入れられやすいのも相性が良い理由です。
(参考:https://wakore.media/traditionalculture/eat/l_20220622-2-3/)
<健康志向の高まりと食の多様性によって市場が拡大>
健康志向の高まりによって、動物性食品の摂取を控える人が増加傾向にあります。糖尿病や高血圧の予防として、低脂質、低カロリーで食物繊維も豊富なプラントベースフードが注目されているのです。
また、都市部ではビーガンやベジタリアン人口の増加に加え、菜食を意識するフレキシタリアンの増加も伴い、プラントベース中華の市場が拡大しています。
<環境・サステナビリティーの観点から需要が拡大>
畜産業によるCO2排出量や水産資源、森林伐採などが問題視され、環境負荷の少ない食事の選択肢にプラントベースフードが選ばれている傾向があります。
サステナビリティーの観点からも多くの企業がプラントベースフードの開発に注力しており、プラントベース中華の需要拡大の可能性も期待できます。
<フードテックによって本格的な中華の味が再現可能に>
植物由来の代替肉の技術が向上し、従来のプラントベースミートよりも、よりリアルに肉の食感を再現できる製品が登場しています。
また、植物由来の代替卵や発酵技術を生かした調味料、コクのある植物性油脂なども開発され、動物性食材なしでも本格的な中華の味が再現可能になりました。
フードテックによって、よりおいしく栄養価の高いプラントベース中華が生まれる可能性は高いといえるでしょう。
<中華料理店など外食産業でプラントベースメニューを導入>
プラントベースメニューを導入し始めている大手外食チェーンや中華料理店が増えつつあります。「ビーガンメニュー」として提供しているお店も多く、プラントベースメニューを求める人々のニーズも満たしています。
動物性油脂のおいしさを再現した植物油脂や、キノコのうま味を生かしたスープを使うなど、本格派中華料理の味わいを再現。
また、植物由来のエビや卵を使って、動物由来の食品が食べられない人でも満足度の高いプラントベース中華を提供し、今後も人気上昇の可能性が高いと考えられています。
<冷凍食品やインスタント食品市場でもプラントベース中華が増加傾向>
冷凍食品やインスタント食品市場でも、種類豊富なプラントベース中華が登場しています。
例えば、ダイズミートを使用した餃子やシュウマイ、肉まん、小籠包や春巻き、ニラ饅頭などが商品化されています。
また、ダイズミートを使用した酢豚風のおかずや、中華丼など食べ応えある食品も展開中です。現段階ではオンラインストアでの販売が主流ですが、需要の高まりに伴ってスーパーなどで購入できる可能性も期待できるでしょう。

プラントベース中華の課題と今後の展望
さまざまな観点から成長が期待できるプラントベース中華ですが、一方で課題も抱えています。それは、通常の中華料理よりも価格設定が高めな点や、消費者の先入観です。
高品質な代替肉や植物由来の調味料はコストがかかるため、価格も高くなってしまいます。また、肉や魚を使わない中華料理に対して「物足りなそう」「おいしくなさそう」という消費者の先入観も課題です。
消費者が気軽に試せる価格にすることや、マーケティング戦略の工夫が必要といえるでしょう。とはいえ、プラントベース中華はグローバル市場への展開や、国内におけるプラントベース中華専門店の拡大も期待されています。
インバウンド需要を取り込めるチャンスも広がっており、今後の動向が注目されています。
(参考:https://mmp.miyoshi-yushi.co.jp/next-food-lab-post/shef__domeneshef/)

プラントベース中華はより多くの人に受け入れられる可能性大!
健康志向や環境配慮の観点から、プラントベース中華はさらなる成長が期待できます。課題がクリアになることで、より多くの人に受け入れられ、日本市場でも拡大する可能性は十分にあるといえるでしょう。
新たな食文化として確立される可能性も高いプラントベース中華を、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
