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ロンドンにおけるSDGsの取り組み|洪水対策やCO2削減に注目

Monday, 30 December 2024

イギリスの首都、ロンドンは世界の三大都市のひとつとして知られています。有名な世界遺産や美しい街並みが魅力ですが、一方で気候変動による異常気象や洪水リスクの増加、水不足などの環境問題も深刻です。

近年は持続可能な社会に向けてSDGsの取り組みを強化し、CO2削減や廃棄物削減などに積極的に取り組んでいます。

今回は「SDGs達成のための、各国や地域の取り組み」をテーマに、ロンドンにおけるSDGsの取り組みを解説します。

ロンドンが抱える環境問題 

ロンドンは大規模な都市化や人口の集中に伴い、多様な環境問題に直面しています。中でも深刻化しているのは、異常気象や洪水リスクの増加です。

 

ロンドンはテムズ川に面しており、近年気候変動に伴う海面上昇や集中豪雨の増加によって、川の氾濫や沿岸部の浸水被害が頻発しています。ロンドン市内の道路や住宅、駅の冠水や、病院が浸水して閉鎖が続くなどの被害が出ることも多い状況です。

 

また、集中豪雨によって農地が浸水被害を受け、麦など穀物へのダメージをもたらすなど、食糧危機の問題にも発展しています。

 

さらに、ロンドンは水資源が限られており、気候変動による降水パターンの変化や川の水が干上がることによって、水不足のリスクが高まっています。

 

人口増加に伴う水需要も高まっており、将来的に水が枯渇してしまう可能性があるとして、気候変動対策に加えて水資源の持続的な管理が急務です。

 

(参考:

https://jp.reuters.com/economy/VVYL3JQ24ZIXBAVEQEVTEGYV6E-2024-05-18/

https://ampmedia.jp/2019/05/16/england-water/)

 

ロンドンにおけるSDGsの取り組みをチェック! 

気候変動による影響を直接的に受けているロンドンでは、環境問題や社会的課題が身近になり、SDGs達成に向けたさまざまな取り組みが行われています。ここでは、ロンドンにおけるSDGsの代表的な取り組みを見ていきましょう。

 

<高潮洪水対策として「テムズ河口2100計画」>

「テムズ河口2100計画」とは、ロンドンとその周辺地域を気候変動による洪水から守るための長期的な対策計画のことです。1984年に防災インフラとして作られた「テムズ・バリア」は、これまで数多くの洪水から都市を守ってきました。

 

しかし、気候変動の影響で、テムズ・バリアの耐久性に限界がくると予測されています。そこで2100年までの都市の安全性を目指し、テムズ・バリアの強化と未来に向けた新たな洪水対策を目的としているのが、テムズ河口2100計画です。

 

2100年までの期間を3段階に分けて、気候変動の進行具合に応じた対策や計画を適応させていくとしています。

 

例えば既存の防災インフラの強化に加えて、新たな排水設備の導入や、低地の土地利用の見直しなども行われる見込みです。

 

(参考:https://adaptation-platform.nies.go.jp/db/measures/report_039.html

 

<ロンドン市内全域で「超低排出ゾーン」計画を実施>

ロンドンでは、2030年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、達成に向けて「超低排出ゾーン」を導入しました。これは、エリア内に乗り入れる自動車の排出ガスの量が基準に満たない場合、1日12.50ポンド(約2,000円)の通行料を支払わなければならない制度です。ただし、エリア内に駐車されているだけの場合は免除になるといわれています。

 

もともと超低排出ゾーンは、2019年から大気汚染や交通渋滞の緩和策としてロンドンの中心部で実施されていました。この取り組みによって、環境基準を満たないガソリン車やディーゼル車は減少し、ロンドン中心部の二酸化窒素の量を50%削減できたといいます。

 

しかし、エリア外のロンドン郊外における大気汚染の改善率が低く、大気汚染に起因する死亡率も高いことから、2023年8月よりロンドン市内全域に規制エリアが拡大されたのです。

これによって、自動車による大気汚染の軽減や市民の健康を守ることに貢献しています。

 

(参考:https://eleminist.com/article/2004)

 

<カーフリーデーの実施で交通量を削減>

世界の都市の中でも交通量が多く、渋滞が問題視されているロンドンでは、近年新たに「カーフリーデー」という取り組みが実施されています。

 

カーフリーデーとは、マイカーを使わない日とし、1日道路を通行止めにして車がなく安全に過ごせる街を体験できるという取り組みです。

 

2030年までに温室効果ガス排出量ゼロに向けて交通量27%削減を目指すとともに、市民が都市生活における車の使い方を考え、徒歩や交通機関の利用を促すことが目的です。

 

また、カーフリーデーではロンドン市内の200カ所の道路が子どもの遊び場に変わり、大気汚染も改善されるなど多くのメリットをもたらしています。

 

<廃棄食品をシェアできる公共冷蔵庫を設置>

ロンドンでは廃棄食品を地域の人々に無料でシェアできる公共冷蔵庫を設置しています。地元の飲食店やスーパーなどの事業者、あるいは一般市民がパンや野菜、果物などの廃棄食品を冷蔵庫に入れることができ、食料が必要な人が自由に持って行けるという取り組みです。

 

公共冷蔵庫の設置によって食品廃棄物が減り、生活に困窮した人たちを救う役割も果たしています。

 

(参考:https://ideasforgood.jp/2019/05/29/freddie/)

ロンドンの取り組みを参考にSDGs達成に向けて行動しよう! 

ロンドンは、気候変動の影響を直接的に受けており、洪水などの被害が頻発しています。川の氾濫を防ぐテムズ・バリアの強化に加え、新たな洪水対策にも取り組んでいるところです。

 

また、CO2排出量削減に向けた「超低排出ゾーン」や「カーフリーデー」などは日本では行われていない先進的な取り組みといえます。

 

ロンドンの取り組みを参考に、自動車の利用を減らすなど、個人でもSDGsを意識して行動していきましょう。

 

あわせて読みたい: バスの環境対策とは?乗り合いでCO2排出量が削減できる?

 

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