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SDGsの重要課題「リサイクル」の種類|出す際のポイントも
Monday, 11 December 2023
そこで今回は、リサイクルがSDGsの重要課題とされている理由やリサイクルの種類、リサイクルに出す際のポイントも解説します。
リサイクルとは?
リサイクルとは、廃棄予定の資源を回収し、再び原材料として資源を有効利用することを指します。廃棄物の削減・排出抑制を意味する「リデュース」や再利用を意味する「リユース」と共に、廃棄物処理の「3R」のひとつとして知られています。
リサイクルは再利用を指すリユースと混同されがちですが、リユースは形を変えずくり返し使うのに対して、リサイクルは形を変えて再利用することが異なる点です。
リサイクルがSDGsの重要課題とされている理由
SDGsでは持続可能な社会を目指すための17の目標が設定されていますが、12番目に「つくる責任 つかう責任」という目標があります。この目標が定められた背景にあるのが、ごみ問題です。
環境省の調査によれば、令和2年度のごみ総排出量は4,167万トンで、東京ドーム約112杯分と報告されています。
前年度に比べてごみの排出量は減少傾向にあるものの、ごみ焼却施設における総発電電力量は増加しているほか、ごみの最終処分場の確保は引き続き厳しい状況とされています。
ごみの排出量をさらに減らしていかない限り、将来的に埋め立て地が無くなってしまう状況です。
また、ごみの焼却時に発生する二酸化炭素(CO2)は温暖化及び気候変動を招きます。こうした問題の解決には、リサイクルを推進し廃棄物を減らす対策が不可欠なのです。
SDGs達成につながるリサイクルの種類
SDGsの達成にはリサイクルが重要であることがわかりましたが、リサイクルには3つの種類があります。ここからはリサイクルの種類について、それぞれどんな特徴があるのか確認していきましょう。
サーマルリサイクル
サーマルリサイクルとは、ごみの焼却時に発生する「熱エネルギー」を回収して、温水プールや発電などに利用する、いわば「エネルギーのリサイクル」です。
しかし、ごみの中には汚れてリサイクル困難なものや、技術的にリサイクルできないものも含まれています。
こうした廃棄物は、資源としてではなく熱エネルギーとして回収することで、リサイクルに役立てています。
ケミカルリサイクル
ケミカルリサイクルとは、化学合成を用いて廃棄物を他の物質に変え、それを原料にして新たな製品を作ることです。
例えばプラスチックを燃やして二酸化炭素と水素を発生させ、回収した二酸化炭素は炭酸飲料やドライアイスに、水素はアンモニアの原料として使われるなどのリサイクルがあります。
マテリアルリサイクル
マテリアルリサイクルは、廃棄物を新たな製品の原材料として再利用する方法です。マテリアルは英語で「物」という意味があり、物から物へとリサイクルすることを指しています。
ただし、マテリアルリサイクルは同じ製品としてリサイクルされる場合と異なる製品に生まれ変わる場合で、以下の2種類に分類されます。
【レベルマテリアルリサイクル】
レベルマテリアルリサイクルは、同じ製品の原料としてリサイクルされることです。近年飲料メーカーで取り組みが進められている、ペットボトルからペットボトルへのリサイクルも、レベルマテリアルリサイクルに入ります。
【ダウンマテリアルリサイクル】
ダウンマテリアルリサイクルとは、同じ製品の原料としてリサイクルが難しい場合に、廃棄物が別の製品の原料として使われることを指します。
例えば、ペットボトルが衣類の原料になったり、プラスチックのデザートカップがベンチの原料としてリサイクルされたりします。
SDGsに貢献!リサイクルに出す際のポイント
リサイクルによって新たな資源を使う必要がなくなり、廃棄物を減らせます。それに伴って廃棄物の焼却や埋め立て処分にかかる環境負荷も軽減できるのです。日常生活の中にリサイクルを取り入れることで、SDGsに貢献できます。
ここからは、リサイクルに出す際のポイントを確認していきましょう。
ごみの分別をしっかり行う
リサイクルの基本はごみの分別をしっかり行うことです。リサイクル可能なものは、主に以下のような廃棄物があります。
・ペットボトル
・プラスチック容器
・ビニール
・アルミ缶などの金属製品
・小型・大型家電
・木くず・がれき
上記はすべて物から物へと生まれ変わる「マテリアルリサイクル」が可能なものです。木くずやがれきは建築現場などで発生することが多いですが、それ以外は家庭からよく出る廃棄物ともいえます。
リサイクルのポイントはきちんと分別することに加えて、リサイクルしやすいように出すことです。例えばペットボトルなら、水ですすいでラベルをはがして、つぶして出すと良いでしょう。また、油汚れは拭き取るなどしてリサイクルしやすいよう配慮するのも大切です。
加えて家電の回収はなるべく自治体に出すようにしましょう。民間の回収業者は適切に処理せず不法投棄などを行っているケースもあるため、きちんと調べることが重要です。
また、生ごみは堆肥化したり、古着は回収サービスに出したりするリサイクル方法もおすすめです。自分にできる形でリサイクルを心がけ、廃棄物の削減を目指していきましょう。
(参照:違法業者による被害例)
(参照: 服の回収とリサイクル – BRING)
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