脱プラスチックが叫ばれる時代、ペットボトルではなくマイボトルに飲み物を入れて持ち歩く人も多くいます。一方で「ペットボトルは貴重な資源である」といった声を耳にする機会も増えてきました。
今回はペットボトルがなぜ「サステナビリティを持つ資源」といわれているのか、また資源を循環させるためのポイントを解説します!
ペットボトルは飲料水だけでなく、調味料などの容器としても幅広く活用されています。ペットボトルを廃棄する際には、分別して資源ごみとして出している人がほとんどでしょう。
多くは食品用トレーや衣類などに再生されていますが、実は再びペットボトルとして生まれ変わる「ボトルtoボトル」の実現が可能なのです。
ペットボトルを食品トレーや衣類などに再生した場合、再びペットボトルに戻すことはできません。そのため使用後はプラスチックごみとして廃棄され、埋め立てられます。
しかしペットボトルから再びペットボトルへとリサイクルする「ボトルtoボトル」であれば、半永久的に資源として使うことができるのです。
ボトルtoボトルなら資源を循環できるため、石油由来の原料を新たに使用せずにペットボトルを生み出せるというメリットがあります。
また、使用済みペットボトルを水平リサイクルする過程では、石油由来の原料でつくる場合に比べてCO2(二酸化炭素)の排出量が約60%以上削減できるとされています。これが、ペットボトルはサステナビリティを持つ資源だといわれている理由です。
(参照:ボトルtoボトル)
ペットボトルは半永久的に資源を循環できるとお伝えしましたが、現状はリサイクルに出されたペットボトルのうち約15.7%しか、ボトルtoボトルが実現できていません。(2020年時点)
ペットボトル自体のリサイクル率は88%と優秀なのですが、そのほとんどがペットボトル以外のものに再生されています。なぜペットボトルからペットボトルへの再生率が低いのでしょう。それはリサイクルに出されたペットボトルの状態が良くないからです。
再びペットボトルによみがえらせるためには、きれいな状態で正しくリサイクルに出す必要があります。きれいな状態で回収できるペットボトルはまだまだ少ないため、ボトルtoボトルのリサイクルがなかなか進まないのが現状なのです。
(参照:PETボトルリサイクル年次報告書2022)
では、ボトルtoボトルを実現させるためには、どのようにしてペットボトルをリサイクルに出せば良いのでしょうか。
ペットボトルがサステナビリティを持つ資源だといわれる理由は、正しい方法でリサイクルに出すことで「ボトルtoボトル」が実現し、資源が半永久的に循環できるからだとわかりました。
しかし、現状ではリサイクルに出されるペットボトルの約15%しか「ボトルtoボトル」を実現できていません。ペットボトルをリサイクルに出す時には、今回ご紹介したポイントを参考に「ラベル・キャップを外す、ゆすぐ、つぶす」を実践してみてください。
貴重な資源であるペットボトルを上手に循環利用していきましょう。
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