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サステナビリティに配慮したレストラン・カフェの取り組みとは
Friday, 26 May 2023
今回はサステナビリティに配慮したレストランやカフェの取り組み事例の一部をご紹介します!
レストラン・カフェでの環境や労働に関する問題点
では、レストランやカフェではどのような点が問題視されているのでしょうか。環境や労働に関する問題を見ていきましょう。
飲食店から出る食品廃棄物の問題
飲食店では食品廃棄物の発生が問題視されています。その主な要因は、仕込みの量が多過ぎることや、客の食べ残しによるものです。
厚生労働省のデータによると、外食産業(カフェやレストラン)などから出る食品廃棄物の量は、食産業全体の26.8%を占めています。特にコース料理の多いレストランでは、客の好みに合わせて量やメニューを調整することが難しく、食べ残しが多い傾向です。
(参照:外食・中食産業における食品ロスについて)
エネルギー資源の問題
食材を調達する際の運搬にかかるエネルギーのほかに、お店の照明やエアコンの使用、調理の過程などでエネルギーを消費します。
電力を使うと地球温暖化の原因となる二酸化炭素が排出されるため、エネルギーの消費量を最小限に抑えなければなりません。
また、食材や調理器具、食器なども生産に多くの資源を消費します。有限である資源はいつか枯渇する可能性があるため、資源の循環利用などが必要とされています。
従業員の労働問題
飲食店は人手が足りないことから、従業員ひとりあたりの負担が大きくなり、長時間労働などを強いられるケースが問題視されてきました。従業員の労働問題は心身の不調にもつながるため、改善すべき重要課題です。
お客様だけでなく、従業員一人ひとりにも配慮したお店であることが求められています。
サステナビリティに配慮したレストラン・カフェの取り組み例
ここからは、サステナビリティに配慮したレストランやカフェの取り組み例の一部をチェックしていきましょう。
生産環境をチェックし、地産地消の食材を使用
シェフが自ら食材の生産環境や生育状況を確かめ、生産者と真摯に向き合った上で、地産地消の食材を使用するレストランがあります。
地産地消に取り組むことで運搬にかかるCO2排出量を削減できるほか、地元の農家を応援し、地域経済の活性化にもつながる取り組みです。
魚介類はサステナブル・シーフードを使用
サステナブル・シーフードとは、適切な漁業で漁獲していると認められた「MSC認証」や「ASC認証」がついた水産物を指します。
昨今では、気候変動の影響による海水温の上昇や、違法漁業による過剰漁獲によって、海の資源の減少が深刻化しています。サステナブル・シーフードの使用は、海の環境を守る重要な取り組みです。
コーヒー・チョコレート・香辛料などはフェアトレード商品を使用
とあるカフェでは、コーヒー・チョコレート・香辛料などはすべてフェアトレード商品を使用する取り組みを行っています。
フェアトレード商品とは、主に開発途上国で生産される農産物を対象に、公平な貿易や取り引きが認められているものを指します。
消費者がフェアトレード商品を購入することで、途上国に対して適正な価格で原材料費や人件費が支払われるため、現地の生産者の生活を守ることにつながるという、人権を大事にする取り組みです。
紙カップや紙ストローはFSC認証を使用
プラスチック製品を廃止し、紙製品に切り替えるお店が増えていますが、その中でもFSC認証がされた紙カップや紙ストローを使用するカフェがあります。
FSC認証は、森林を適切に管理し、伐採された木材を使用しているとともに、森林管理に関わる人々の労働環境にも配慮していると認められた木材に与えられるマークです。
FSC認証のある紙製品の使用は、違法に伐採された木材の流通防止にもつながる取り組みです。
食材を使い切りフードロスゼロを実現
野菜の種や皮、魚のあらまでも活用して食材を使い切り、フードロスゼロを実現させているレストランがあります。料理を柔軟に変化させ、最終的にはコンポストで堆肥化し菜園の肥料として資源を循環利用しています。
フードロスゼロを徹底することで、食品廃棄物の削減に貢献する取り組みです。
外食する際にはサステナビリティに配慮したレストランやカフェを選んでみよう!
ご紹介してきた取り組み以外にも、店舗の床や壁に廃材やリサイクル材を使用しているレストランや、壁面緑化やLED照明を導入しているカフェなど、環境負荷を抑えた空間作りに取り組む飲食店もあります。
また、子ども食堂として料理を提供するなど貧困問題に貢献するお店も。私たちはサステナビリティに配慮したお店を利用することで、環境問題や人権問題に貢献できるといえます。
これから外食する際には、ぜひサステナビリティに配慮したレストランやカフェを選んでみてはいかがでしょうか。
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