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BLOG -Circular Economy and Environment

サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉|2つのプロジェクトも解説

Tuesday, 21 May 2024

近年観光地においても持続可能性が求められる中、廃棄物を削減し資源の循環利用を図るサーキュラーエコノミーへの取り組みに力を入れる温泉地があります。それは、熊本県の阿蘇郡にある「黒川温泉」です。

黒川温泉では2030年にすべての食品廃棄物をサーキュラー化する目標を掲げ、プロジェクトを進めています。

今回は、黒川温泉の特徴や2030年のビジョンについて、またプロジェクトの内容をわかりやすく解説します。

黒川温泉とは? 

2-サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉|2つのプロジェクトも解説
黒川温泉は、日本の熊本県阿蘇郡、南小国町に存在する小さな温泉地です。阿蘇の奥深くに位置し、大分県との県境になります。

渓谷にある温泉地で、山間に30軒ほどの和風旅館が立ち並ぶこぢんまりとした温泉地ですが、ここ20年ほどで全国に知れ渡る人気の温泉地になりました。

その背景には、旅館組合の組織編成の若返り化によって、若手を中心に地域への真摯な思いを形にした取り組みが行われてきた過程があります。

例えば、露天風呂と旅館、里山の風景をすべて「黒川温泉一旅館」とし、統一感のある地域づくりに取り組んでいます。具体的には、派手な看板などは廃止し、建物の屋根勾配を一定にするほか、色味を黒や茶などに統一するなどです。

街並みを形成するルールを策定することで、温泉地全体がまるでひとつの旅館のような、落ち着いた空間として成り立っています。ふるさとの自然と暮らしを守り、お客様をもてなす優しさあふれる温泉地として人気が高まり、多くの観光客が足を運んでいます。

(参照:黒川温泉公式サイト|熊本・阿蘇の温泉地)
(参照:里山の豊かさが循環する温泉地へ。サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉・北山元が吹かせる新しい風)

2020年にはサステナアワードで受賞

3-サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉|2つのプロジェクトも解説
黒川温泉一旅館をコンセプトに、地域が一丸となって環境保全や資源の循環に取り組んできたこともあり、2020年にはサステナアワードで「環境省環境経済課長賞」を受賞しています。

サステナアワードは、2030年までにSDGs達成を目指し、持続可能な生産や消費を推進する環境省・農林水産省・消費者庁連携の「あふの環プロジェクト」の一環として行われています。

受賞の理由として、持続可能な地域づくりやサーキュラーエコノミーへの取り組み、観光振興などが評価されています。

(参照:【熊本県 黒川温泉】黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト)

黒川温泉が掲げる2030年のビジョン

4-サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉|2つのプロジェクトも解説
黒川温泉観光協同組合では2030年に組合設立60周年を迎えるにあたって、2030年のビジョンを打ち出しています。

その内容は、「阿蘇の豊かな環境資源を循環させることで過環境・経済・人々の幸福につながるサステナブルな温泉地を目指します」というものです。

また、旅館から出る食品廃棄物をすべて堆肥化することも目標に掲げています。このビジョンを達成するための取り組みとして、現在黒川温泉ではサーキュラーエコノミーに向けたプロジェクトが進行しています。

サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉2つのプロジェクト

5-サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉|2つのプロジェクトも解説
サーキュラーエコノミーに向けたプロジェクトには主に次の2つがあります。

・黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト
・南小国町産あか牛“つぐも”プロジェクト

それぞれのプロジェクト内容を解説していきます。

黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト

 

黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクトとは、旅館から出る生ごみを落ち葉やもみ殻を加えてコンポスト(堆肥化)し、農作物の肥料として再利用する取り組みです。

30軒ほどある旅館から毎日出る食品廃棄物の問題を、資源を循環させることで解決していこうという目的で始まりました。堆肥化したものは地元の農家が使用し、完熟堆肥で栽培したおいしい野菜を旅館で提供するという仕組みです。

黒川温泉のミネラル分が配合された完熟堆肥は、家庭菜園用としても販売しています。さらに完熟堆肥で栽培したトマトで作ったクラフトジュースの販売を行うなど、プロジェクトを通して経済の発展にもつながっています。

2020年は4カ月間で約2,000リットルの堆肥ができたとされており、今後は年間102トン分の生ごみをコンポスト化していくことを目指して、現在もプロジェクトは進行中です。

南小国町産あか牛“つぐも”プロジェクト

 

「南小国町産あか牛“つぐも”プロジェクト」は、南小国町で育てたあか牛を、黒川温泉の旅館や飲食店で提供するプロジェクトです。

“つぐも”とは、「継ぐ」と牛の鳴き声の「モー」を組み合わせた造語です。このプロジェクトは「景観・農業・観光」の3つの資源循環に貢献しています。

「景観」では、あか牛の放牧地となる阿蘇の広大な草原を示していて、野焼きを終えて青々とした草原にあか牛を放ち、秋に草を刈り取り、その際にあか牛は人里に帰ります。

そして春先に再び野焼きをしてあか牛が草原に戻るという、自然とあか牛、人々の循環から成り立っているのです。

また「農業」では、堆肥のことを示しており牛が排出した糞を堆肥化して豊かな土を作り、その土で農作物を栽培し、人が食べない野菜くずなどを牛が食べ、またその糞を堆肥化させるといった循環が実現しています。

さらに「観光」では、旅館で地元産のあか牛を食べて、温泉で癒やされ、また再度来訪してもらうという循環を作ることを意味しています。

(参照:次の百年を作るあか牛”つぐも”プロジェクトが始まります)

黒川温泉のサーキュラーエコノミー活動は未来に希望を与えてくれる!

6-サーキュラーエコノミーに挑む黒川温泉|2つのプロジェクトも解説
黒川温泉一旅館をコンセプトに、地域が一丸となって環境保全やサーキュラーエコノミーに取り組んでいる黒川温泉は、持続可能な観光地を目指す温泉地の見本になっています。

黒川温泉のサーキュラーエコノミー活動は、資源の可能性に気づかせてくれる取り組みです。ぜひこの機会に黒川温泉に足を運び、サーキュラーエコノミーを体験してみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい: サステナビリティに配慮したホテルとは?取り組みを見てみよう

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