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サステナビリティにつながる働き方とは?日本の問題点も解説
Friday, 28 April 2023
今回は日本の労働問題や課題を確認しながら、サステナビリティにつながる働き方について、働き方改革をもとに解説します。
(参照:働き方改革のポイントをチェック!)
日本の働き方における問題点
まずは、日本の働き方における問題点を見てみましょう。
長時間労働や有給取得率の低さ
日本では時間外労働や残業が当たり前のように行われており、長時間労働が常態化しています。また、有給休暇の消化率も低いことが問題視されてきました。
有給休暇は「半年以上継続して雇用されている」また「全労働日数の8割以上出勤している」という2つの条件をクリアしていれば、誰でも取得できます。しかし、実際には「自分が休んだら上司や部下に迷惑がかかる」といった理由で、有給を消化できていない人が大半です。
こうした働き過ぎの状況によって、心身のリフレッシュがなかなかできず、健康を害する人もいることが問題になっています。
産後における復職のしづらさ
妊娠・出産を経た女性が産後に職場復帰しづらい点も、問題視されていることのひとつです。厚生労働省の調査によると、出産・育児を機に退職を選んだ女性は約3割という結果が出ています。
その理由として「育児と仕事の両立が難しい」「子どもが熱を出した時に仕事を休みづらい」といった声が多く挙げられています。
また、キャリアが途切れてしまうことも復職しづらい要因といえるでしょう。職場復帰しにくい環境に加え、子育ての負担が女性に偏りがちなことも原因のひとつです。
(参照:育児・介護休業法の改正について)
雇用形態による賃金格差
正社員か非正規社員かという雇用形態だけで、賃金格差が生じている問題があります。同じ内容の仕事で同じ時間働いたとしても、非正規だと賃金が低かったり、福利厚生の利用を制限されたりするケースが多いのです。
(参照:(6) 雇用形態別にみた賃金)
労働問題における日本全体の課題
働き方による問題点を見てきましたが、今後の日本の労働問題における非常に重要な課題があります。それは、少子高齢化による労働力人口の減少です。高齢化が進み、日本はこれからさらに労働人口が減っていくと予測されています。
そのため、働き方による問題点を解決していかなければ、経済の発展はおろか、社会の維持が難しくなってしまうのです。日本は、より働きやすい環境を整え、労働人口を確保することが求められています。
そこで厚生労働省が定めた制度が「働き方改革」です。長時間労働を解消し、労働人口を増やすための柔軟な働き方を推進することや、雇用形態の違いによる賃金格差をなくすことを目的としています。
働き方改革に基づいたサステナビリティにつながる働き方は、日本の未来において重要な課題です。
(参照:(参考資料)働き方改革の背景)
サステナビリティにつながる働き方改革
ここからは、サステナビリティにつながる働き方として取り入れられている制度にはどんなものがあるのか、確認していきましょう。
時間外労働の上限規制
時間外労働の上限規制とは、残業時間の上限を原則として月45時間、年間360時間とする制度です。特別な事情がない限りは定められた時間を超えることはできません。
また特別な事情がある場合でも、月45時間を超える残業は年間6カ月までとなっています。これまで法律上における残業時間の上限がなかったため、長時間労働が問題となっていました。
しかし、法律上で残業時間を定め、それに反した場合は罰金を課せられる場合もあるため、長時間労働の改善が期待できます。
(参照:時間外労働の上限規制)
年次有給休暇を取得させることが義務化
使用者(会社側)は法律で定められた年次有給休暇付与日数が10日以上のすべての労働者に対し、年に5日は年次有給休暇を確実に取得させる必要があるという制度です。
これまでは労働者が会社側に申し出るケースが多かったため、申告しづらい職場環境から有給休暇を取得できずにいる人が多くいました。
この制度ができたことによって会社側から労働者に有給休暇の取得時季を聞き、希望を尊重して有給時季を決めるため、有給休暇が消化できないといった事態を減らすことにつながるでしょう。
(参照:年次有給休暇の時季指定)
同一労働同一賃金
同一労働同一賃金とは、正社員と非正規雇用労働者との間での不合理な待遇差を禁止する制度です。これによって不合理な待遇差をなくすための規定整備や、非正規雇用労働者に対する待遇に関する説明義務、行政による専業主への助言・指導などが取り入れられています。
この制度によって、「同じ内容の仕事をしているのに待遇や賃金が違う」といった雇用形態による賃金格差の改善が期待できるでしょう。
(参照:同一労働同一賃金)
フレックスタイム制度
フレックスタイム制とは、定められた総労働時間内において、始業時間と終業時間を自分で決められる制度です。
例えば9時〜17時と労働時間が固定されることなく、始業時間を2時間早めて7時〜15時とすることもできます。自分の都合に合わせて自由に勤務時間を決められるため、柔軟な働き方がしやすくなります。
また家庭の事情と仕事との調整を図りやすいため、子育てや介護などにかかわる人も働きやすくなるなど、人材の確保につながるのもメリットです。
(参照:変形労働時間制の概要)
産後パパ育休制度
2022年10月に「産後パパ育休制度」が定められました。子どもが生後8週間以内(母親の産後休業期間)で、最大4週間まで取得することができ、さらに従来の育休は別途取得できます。
産後パパ育休と育休はそれぞれ2回に分割しての取得も可能なため、男性も育児をしやすくなり、夫婦で家事や育児を乗り切るきっかけになるでしょう。
また、育休は夫婦で期間をずらしてとることもできるため、産後に女性が職場復帰しやすくなるのもメリットです。
(参照:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内)
社会の発展にはサステナビリティにつながる働き方が不可欠!
日本は少子高齢化によって、労働人口が減少傾向にあります。従来の働き方を改善し、より働きやすい環境を整え労働人口を増やすことが不可欠です。
柔軟な働き方ができれば、子育て中の人や高齢者なども働きやすくなり、労働人口の増加につながります。そのためには、法で定められた働き方改革を実践し、それを受け入れる職場の雰囲気も大切といえるでしょう。
ぜひこれを機に自社の働き方や個人の働き方を見つめ直して、サステナビリティにつながる働き方を目指してみてはいかがでしょうか。
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