サステナブルな企業で世界トップ5!台湾の高速鉄道企業の取り組み
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サステナブルな企業で世界トップ5!台湾の高速鉄道企業の取り組み

Friday, 27 June 2025

台湾で高速鉄道を運営する企業は、2025年の「世界で最もサステナブルな企業100」において世界第5位にランクインし、持続可能性の分野で評価を受けています。

この評価は、同社の低炭素化、環境保護、持続可能性、サプライチェーン管理などの取り組みに基づくものです。

今回は、世界で最もサステナブルな企業に選定された台湾の高速鉄道企業の取り組みを解説します。

アジアで最もサステナブルな企業!台湾で高速鉄道を運営する企業とは?

台湾西部を南北に結ぶ高速鉄道網を運営する企業であり、2007年の開業以来、安全かつ効率的な交通手段を提供しています。環境保護と社会的責任を重視し、持続可能な運営を企業理念の中心に据えています。

 

また、日本の新幹線技術をベースに建設・運営している点も特徴です。日本は車両技術の提供や、インフラ整備、運行支援、人材育成など、多方面にわたり協力しています。

 

(参考:

https://happyeconews.com/taiwan-high-speed-rail-corporation-showcases-eco-friendly-solutions/

https://www.jorsa.or.jp/ja/exports/detail.php?id=23)

 

サステナブルな企業の環境への取り組み 

台湾の高速鉄道企業は、環境へのサステナブルな取り組みとして、CO2排出量の削減や再生可能エネルギーの活用など積極的に取り組んでいます。その具体的な内容を見ていきましょう。

 

<CO2排出量の削減> 

 

同社は列車の運行によるCO2排出量を最小限に抑える取り組みを行っており、乗客1人あたりの排出量は、32gCO2e/kmと報告されています。

 

CO2排出量を抑えるための具体的な取り組みのひとつは、省エネルギー運転プログラムの推進です。2010年から「省エネルギー運転プログラム」を導入し、2023年までに約332,986MWhの電力を節約し、約173,935トンのCO2e排出を削減しました。

 

また、LED照明の導入も挙げられます。2013年から2023年末までに、車両内の照明をLEDに置き換えることで、約14,847MWhの電力を節約し、約7,669トンのCO2e排出を削減しました。

 

<再生可能エネルギーの活用>

 

同社は苗栗、彰化、雲林など6つの駅構内、および4つの保守基地に太陽光発電設備を設置しています。

 

2023年における年間の6駅の総発電量は2,486.96MWh、4つの保守基地の総発電量は7,186.51MWhで、合計9,673.471MWhの電力を発電しました。これらの設備は、駅の電力供給に貢献し、環境負荷の低減に寄与しています。

 

(参考:https://en.thsrc.com.tw/corp/79bcc3f1-f893-406d-a56b-39279726ed35)

サプライチェーン全体でのグリーン調達と循環経済の推進 

同社はサプライチェーン全体での環境負荷の軽減と、循環型経済の実現を推進しています。ここでは、これらの具体的な施策を解説します。

 

<サプライヤーへの環境・社会的責任の要求>

 

すべてのサプライヤーに対して、国際基準に基づく環境保護、労働慣行、倫理的行動を求めています。2023年には、「サプライチェーン管理方針」と「サプライヤー行動規範」を改訂し、2024年1月に全サプライヤーに通知しました。

 

これにより、サプライヤーは環境許可の取得、廃棄物の適切な処理、温室効果ガスの削減などの義務を負うことになります。

 

<グリーン調達の推進>

 

同社では環境ラベル付き製品やカーボンフットプリント認証製品の調達を積極的に行っています。2023年には、グリーン調達額が約3億8,000万台湾ドルに達し、総調達額の3%を占めています。主な調達品目は、行政用品、オフィス用品、節電型家電、グリーン建材などです。

 

<循環経済の実現に向けた廃棄物のリサイクルと管理>

 

廃棄物のリサイクル率向上を目指し、2023年には総廃棄物処理量7,322.23トンのうち、2,191.88トンをリサイクルしました。

 

リサイクル対象には、廃紙、廃プラスチック、鉄くず、銅、アルミスクラップ、使用済み電池などが含まれます。

 

また、契約業者にも廃棄物の適切な処理を義務付け、現地監査を通じて遵守状況を確認しています。

 

<水資源の管理> 

 

同社は、水資源の有効活用にも取り組んでおり、2023年には駅での乗客1人あたりの水消費量を19.01%削減しました。また、各駅や保守基地において、廃水処理設備の導入や改善を進め、水質の維持と環境への影響軽減を図っています。

 

(参考:https://en.thsrc.com.tw/corp/c6c6cff8-3ab9-4fc3-8bc7-cec5de5ce510

https://en.thsrc.com.tw/corp/331df648-ba43-4729-a171-286d3467c278

https://en.thsrc.com.tw/corp/79bcc3f1-f893-406d-a56b-39279726ed35)

社会的責任とガバナンスに関する取り組み 

台湾の高速鉄道企業は、社会的責任とガバナンスの強化において、先進的な取り組みを展開しています。ここでは代表的な施策を見ていきましょう。

 

<持続可能な発展推進委員会の設置> 

 

2018年に「コーポレートガバナンス推進委員会」を設立し、2024年にはこれを「持続可能な発展推進委員会」へと改編しました。

 

この委員会は、環境持続性、持続可能なサービス計画、従業員ケア、社会統合、企業統治、倫理的管理の6つのチームで構成され、四半期ごとに会議を開催し、持続可能な発展に関する戦略や方針を策定・監督しています。

 

<地域社会との連携と災害支援活動>

 

2009年から「微笑列車計画」を実施し、経済的に困難な人々に無料または割引料金で高速鉄道の乗車機会を提供しています。2024年までに894の団体と149,927人がこのプログラムに参加しました。

 

また、2024年に発生した日本の能登半島地震や台湾の花蓮地震に対し合計15,000万台湾ドルの寄付を行い、被災者の支援に貢献しています。

 

<人権と労働環境の整備> 

 

同社は2018年に「人権ポリシー」を制定し、国際人権規範に基づく労働環境の整備を推進中です。これには、児童労働の禁止、強制労働の排除、雇用差別などが含まれます。

 

また、従業員の健康管理を重視し、法定基準を上回る健康診断や健康促進活動を実施しています。職場の安全向上のため、労働安全衛生方針を策定し、定期的なレビューと改善を行っています。

 

サステナブルな交通の未来を牽引する高速鉄道企業の挑戦に注目! 

台湾で高速鉄道を運営する企業は、世界で最もサステナブルな企業トップ5に入り、持続可能な未来へのリーダーシップを発揮しています。

 

今後も環境保護、社会的責任、ガバナンスの各分野での継続的な努力が期待されます。その先進的な取り組みと挑戦に注目してみてはいかがでしょうか。

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