BLOG -SDGs and Sustainability
持続可能な未来を設計する米国のサステナブル企業の取り組み
Friday, 18 July 2025

同社は建築、エンジニアリング、製造業界向けの設計ソフトウエアを提供する企業であり、近年ではAIを活用したカーボン分析ツールの開発や、クラウドベースの設計プラットフォームを通じて、持続可能な設計と製造プロセスの最適化に注力しています。
今回は同社のサステナビリティー戦略や取り組みを解説します。
世界で最もサステナブルな企業に選出される米国のソフトウエア企業とは?
「世界で最もサステナブルな企業100社」に2017年から9年連続で選出されている企業は、建築、エンジニアリング、建設、メディア、エンターテインメント業界向けの設計・製造ソフトウエアを提供する米国の多国籍企業です。
1982年にカリフォルニア州ミルバレーで設立され、現在はサンフランシスコに本社を構えています。
同社は持続可能な設計と製造の実現を目指し、AIやクラウド技術を活用した革新的なソリューションを提供しています。
また、再生可能エネルギーの導入や温室効果ガス排出量の削減など、環境への取り組みにも積極的です。こうした取り組みが持続可能な企業として認められ、国際的に高く評価されています。
(参考:https://blogs.autodesk.com/autodesk-news-japan/global-100-2025/)

持続可能な未来の実現に向けたESG戦略とは?
同社は、持続可能な未来の実現を目指し、包括的なESG(環境・社会・ガバナンス)戦略を展開しています。その取り組みは、気候変動対策、循環型経済の推進、人権の尊重、責任あるサプライチェーン管理など多岐にわたります。この戦略について詳しく見ていきましょう。
<気候変動対策とカーボンニュートラルへの取り組み>
同社は、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を重要な目標として掲げています。具体的には、スコープ1および2のGHG排出量を2027年までに35%削減し、スコープ3の排出量を20%削減することを目指しています。これらの目標は、パリ協定の1.5℃目標に整合した科学的根拠に基づくものです。
また、2040年までにカーボンニュートラルを達成することも目標の一つです。
さらに、同社は再生可能エネルギーの導入にも積極的であり、すでに全社の施設、クラウドサービス、従業員のリモートワークにおいて100%再生可能エネルギーを使用しています。
< 循環型経済の推進>
同社は製品とプロセスの設計段階から廃棄物を排除し、資源の再利用とリサイクルを促進することで、循環型経済への移行を支援しています。
同社のソフトウエアは、設計者が材料の使用量を最小限に抑え、製品のライフサイクル全体での環境負荷を低減するためのツールを提供しています。
<人権の尊重と責任あるサプライチェーン管理>
同社は国際的な人権基準に基づき、従業員、顧客、サプライヤーに対して人権の尊重を求めています。同社の「パートナー行動規範」は、サプライチェーン全体での倫理的な行動と持続可能な慣行を促進するためのガイドラインを提供中です。
< 戦略の進捗状況>
同社は、毎年「Impact Report」を発行し、ESG目標に対する進捗状況を透明性高く報告しています。これにより、ステークホルダーは同社の持続可能性への取り組みを評価し、信頼性を確認することができます。
同社のESG戦略は、企業の持続可能性を高めるだけでなく、顧客やパートナーと協力して、より良い未来を共に設計・構築することを目指している点も魅力のひとつです。
(参考:https://sustainablebrands.com/read/autodesk-sustainability-report-shows-internal-external-victories)

AIとデジタルツインによるサステナブルイノベーションの推進
同社はAIとデジタルツイン技術を活用し、製品設計や製造プロセスの最適化、環境負荷の削減に取り組んでいます。これにより、サステナブルイノベーションを推進し、顧客企業の持続可能性への目標達成を支援しています。具体的な取り組みを見ていきましょう。
<AIによる製造プロセスの最適化>
同社はAIを活用して製造プロセスの効率化と環境負荷の低減を図っています。例えば、AIは製造工程の自動化や分析を通じて、エネルギー使用の最適化、廃棄物の最小化、資源効率の向上を実現します。これにより、製品の品質向上と同時に、持続可能な製造が可能になるというわけです。
<デジタルツインによる製品ライフサイクルの最適化>
デジタルツインとは、現実世界のモノや情報をデジタル空間上に再現する技術を指します。
同社のデジタルツイン技術は、物理的な製品やシステムの仮想的な再現を可能にし、設計から運用、保守に至るまでのライフスタイル全体を最適化します。
これにより、製品の性能予測やメンテナンスの効率化が図られ、環境負荷の低減とコスト削減が実現するのです。
<顧客企業への支援事例>
同社は建築業界においてもデジタルツイン技術を活用しています。例えば建築・土木エンジニアリング・建設業界向けのクラウドベースのデジタルツインプラットフォームを用いて建物のデジタルツインを作成するといった取り組みです。
施設データを統合することで、運用の最適化やエネルギー効率の向上が支援できます。
このように同社のAIとデジタルツイン技術は、製品設計や製造プロセスの最適化を通じて、サステナブルなイノベーションを拡大中です。
(参考: https://www.autodesk.com/jp/products/bim-collaborate/features/digital-twin)

サステナブルな企業と共に持続可能な社会を目指そう
米国のソフトウエア企業は、世界で最もサステナブルな企業100社の一つとして、持続可能性への取り組みが国際的に評価されました。
同社は、温室効果ガス排出量の削減、再生可能エネルギーの活用、AI技術を活用した設計の最適化などを通じて、環境負荷の低減に努めています。
また、多様性と倫理を尊重した人的資本の育成や地域社会への貢献活動にも注力しています。持続可能な社会の実現には、企業だけでなく私たち一人ひとりの行動が重要です。
共により良い行動を意識して、サステナブルな未来を築いていきましょう。
