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服のアップサイクルとは?リメイクとの違いやメリット・デメリットも解説

Wednesday, 20 December 2023

アップサイクルという言葉を耳にする機会が増えた昨今。アパレル業界においても服のアップサイクルに取り組む企業やブランドが増えつつあります。

服のアップサイクルは、リメイクとどのような違いがあるのでしょうか?今回は服のアップサイクルについて、リメイクとの違いやメリット・デメリットを解説します!

服のアップサイクルとは?

服のアップサイクルとは廃棄予定の服や不用な生地に手を加え、新しい付加価値をつけて別の製品に生まれ変わらせることをいいます。単純に資源を再利用するだけでなく、アイディアや工夫によって元の製品よりも「価値を高める」という点がアップサイクルのポイントです。

アパレル業界における服のアップサイクルでは、服の生産過程で発生する布の切れ端や大量の在庫を生かし、他の価値ある商品に作り変えるなどの取り組みが広がっています。

服のアップサイクルが世界中で推進されている背景には、衣服の大量生産・大量廃棄による環境負荷の深刻化が挙げられます。

服のアップサイクルは資源の消費を抑え、生産や処理過程で発生する温室効果ガスの排出を削減し、廃棄物そのものや処理にかかるコスト削減につながるとして期待されているのです。

(参照:環境省 令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務-「ファッションと環境」調査結果)

服のアップサイクルとリメイクの違い

服のアップサイクルは、リメイクと混同されがちですが意味合いが異なります。リメイクは、既存の製品に手を加えて、新たなイメージのものに作り変えるという概念です。

よくあるケースとして、穴の開いたジーンズにワッペンを施すなどもリメイクのひとつです。しかし、リメイクでは新しいものに作り変えたときに元の製品よりも価値が下がる場合も含まれます。

例えば、古着を雑巾にするなどが一例です。一方、アップサイクルは新たな製品に作り変えたときに、元の製品よりも価値が上がる取り組みです。

またリメイクに比べて、以前の製品よりも見た目や用途が大きく変わるケースが多いのも異なる点です。

服のアップサイクルのメリット

服のアップサイクルは、環境負荷を軽減し、エネルギー消費やコストを抑えるなど多くのメリットをもたらします。ここでは、服のアップサイクルで得られるメリットを見ていきましょう。

消費エネルギーやコストを抑え、環境負荷を軽減できる

アップサイクルは服の廃棄を削減しながら、新たな製品を生み出すことができます。日本では年間約50トンもの衣類が廃棄され、埋め立てや焼却処分されているのが現状です。

埋め立てや焼却処分には大量のエネルギーやコストがかかります。これらの消費を抑え、環境負荷を軽減できる点は大きなメリットです。また、アップサイクルはリサイクルと違い資源に戻さずに再活用するため、二酸化炭素を排出しない点もポイントです。

(参照:衣料廃棄物について考える)

異業界とのビジネスチャンスが広がる

アップサイクルは、元の製品とは全く異なるものに作り変えるケースが多いといえます。例えば、廃棄衣料を活用して新たなペンケースを作るなど「アパレル業界×文具業界」といった、異業界がコラボ商品を開発した事例があります。

これまで関わる機会の少なかった業界との取引が増えるなどビジネスチャンスが広がるのはアップサイクルのメリットです。

服のアップサイクルのデメリット

服のアップサイクルは大きなメリットが得られる一方で、デメリットも生じます。どんなデメリットがあるのかチェックしていきましょう。

材料の供給が不安定

服のアップサイクルの材料はあくまで廃棄衣料であるため、毎回安定して素材を供給できないのがデメリットのひとつです。アップサイクルの製品は、多くの量を生産するのは難しいといえるでしょう。

製品の開発までに時間がかかる

廃棄物を再利用して新たな製品を開発するには、これまでのプロセスやノウハウが通用しないため、新たな知識や技術が必要になります。

廃棄物を生かし、できるだけ環境負荷をかけない生産方法や商品提供を考えなければなりません。製品を開発し提供するまでに多少時間がかかるのは仕方ないでしょう。

廃棄物がゼロにはならない

廃棄物から生まれるアップサイクル製品は、資源の寿命は伸ばせるものの、いずれは不要になり廃棄されるときがきます。アップサイクル製品を作っても、廃棄物を完全にゼロにすることはできないのです。

アップサイクル製品で資源の再利用や消費エネルギー、コストを抑えて環境負荷を削減しつつ、資源を廃棄せず循環利用していく仕組みの構築が求められています。

(参照:アップサイクルとは?リサイクルやリメイクとの違いやアイデアを紹介)

服のアップサイクルの事例

国内のとあるブランドでは経年変化によって販売できなくなったデッドストック(在庫)の服をアップサイクルして、生地の素材を生かしたトートバッグを販売しています。

パンツのポケットやコートの裾のボタンはあえてそのままにするなど、元のデザインの一部を生かしているのが特徴です。

同じものは一つとしてない、オリジナルなトートバッグに仕上がっている点も魅力です。マイバッグやエコバッグとして活用することで、レジ袋やプラスチックの削減にもつながります。

服のアップサイクルから生まれたアイテムを生活に取り入れてみよう

リメイクでは価値が下がる場合もあるのに対して、アップサイクルは元の製品に比べ、より価値の高いものを生み出す点が異なるポイントです。

服のアップサイクルは衣類の大量廃棄問題や資源やエネルギー消費を抑えるなどのメリットがあります。材料供給が安定しないデメリットもありますが、廃棄物が減るのは環境にとって良いことです。

服のアップサイクルから生まれた価値あるアイテムを、ぜひ生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい: サステナブルなファッションを選ぶポイント!着目すべき点とは

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