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楽器のアップサイクルに注目!生まれ変わる流れを見てみよう
Thursday, 07 March 2024
今回は楽器が新たな製品としてアップサイクルされる流れや、廃棄楽器から生まれるインテリア製品の一部をご紹介します!
楽器のアップサイクルはなぜ始まったの?
そもそもアップサイクルとは、廃棄予定のものに付加価値をつけて、新たな製品として提供することを指します。楽器のアップサイクルとは、学校や家庭、音楽教室などで長年使われ古くなった修理不可能な楽器を再利用して、新たな製品に生まれ変わらせることです。
では、楽器のアップサイクルはなぜ始まったのでしょうか。それは、SDGsや環境問題への関心の高まりにより、社会で持続可能な開発が求められている点が理由として挙げられます。
楽器は基本的に手入れや修理をして、長く愛用するものです。しかし、低価格で購入できる楽器などは耐用年数が短く、壊れて廃棄されてしまうケースがあります。
また、修理ができないほど使い古された楽器は、廃棄されてしまうことがほとんどです。そんな廃棄楽器をなんとか減らせないかという思いから始まったのが、とある楽器店による楽器のアップサイクルプロジェクトです。
廃棄楽器の素材を生かし、おしゃれなインテリア製品にアップサイクルすることで、廃棄楽器の削減につながり、資源の循環や廃棄処分による環境負荷の軽減に貢献しています。楽器が持つ新たな可能性を導き出しているのもポイントです。
廃棄楽器がインテリア製品としてアップサイクルされる流れ
廃棄楽器のアップサイクルは、4つのステップで進んでいます。ここでは、楽器がアップサイクルされるまでの流れを見ていきましょう。
1. 楽器の回収
2. 検品とクリーニング
3. 職人がインテリアに生まれ変わらせる
4. 店舗やオンラインストアなどで販売
修理工房で修理不能になった楽器や、学校で使えなくなった楽器を回収し、検品とクリーニングをします。クリーニングではピカピカに楽器を磨くのではなく、あえて使用感を残し、サビやへこみはそのままにしているのがポイントです。
そうすることで、インテリア製品にしたときに長年使い込まれた雰囲気が出て、味のあるインテリアに仕上がるとされています。
楽器の形や大きさ、質感の特徴を生かして、テーブルやライトなどを製作します。実用性を重視しながらも、個性的で遊び心を感じられるデザインにするのもポイントです。
できあがったアップサイクルのインテリア製品は、店舗やオンラインストアなどで販売されます。廃棄楽器から作られているため、生産数が少なく、希少価値が高いのも特徴です。
楽器のアップサイクルはおしゃれなインテリア製品がいっぱい!
ピアノやクラリネット、サックスやマリンバ、ギターなどさまざまな廃楽器が、素敵なインテリア製品へとアップサイクルされています。具体的にどんなインテリア製品にアップサイクルされているのか、見ていきましょう。
<ピアノの鍵盤を活用したミラー>
アコースティックピアノの鍵盤交換で廃棄される鍵盤を再利用した、壁掛けタイプのミラーです。丸いミラーの周りに、白と黒の木製の鍵盤が放射状にあしらわれていて、太陽のようなおしゃれなデザインに仕上がっています。
存在感があるため、お部屋にアクセントが欲しい人にもおすすめです。
<クラリネットを再利用した照明>
学校や家庭で使われていた、音の出なくなったクラリネットから生まれた照明です。クラリネットのベルに電球を取り付けて使います。木製の土台付きなのでスタンドで使えるのが特徴。傷や汚れをあえて残し、ほどよいアンティーク感を演出しています。重厚感のあるブラックボディにシルバーのメッキが光る、カッコ良さも魅力的な照明です。
<サックスをアップサイクルしたミニテーブル>
役目を終えたアルトサックスをアップサイクルしたミニテーブルです。金色に輝くアルトサックスは、長年使い込まれてきた証である傷や汚れをそのまま生かし、ビンテージな風合いが漂っています。
テーブルの天板は学校で廃棄された学習机を再利用しているのもポイント。とことんアップサイクルにこだわった、デザイン性の高いミニテーブルです。
<ギターを再利用したウォールシェルフ>
学校や家庭で長年愛用されてきたアコースティックギターをアップサイクルした、ウォールシェルフです。アコースティックギターのボディの前面部分の板を外し、くり抜いた状態で使うのが特徴。中に小物を置いたり飾ったりできます。
また壁掛け用のフック付きで、壁に立てかけるだけでなく吊るすことも可能です。大切な雑貨や小物をおしゃれに飾りたいときにもおすすめです。
廃楽器のアップサイクルは地球環境の保護に貢献する!
楽器のアップサイクルから生まれるインテリア製品は、ミラーや照明、サイドテーブルやウォールシェルフなど、さまざまです。
いずれも楽器の形状や特徴をそのまま生かし、できるだけ環境負荷をかけずにアップサイクルされています。
インテリア製品として生まれ変わった楽器を眺めていると、物を大切にする気持ちや、楽器の新たな可能性を感じられるかもしれません。
ぜひ、地球環境の保護に貢献する廃楽器のアップサイクルに注目してみてはいかがでしょうか。
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