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廃棄野菜のアップサイクルで食品ロス削減!農産廃棄物の現状も解説

Tuesday, 07 May 2024

食品ロス削減の取り組みのひとつとして、廃棄野菜のアップサイクルが注目を集めています。廃棄野菜とは、規格外で市場に出せない野菜や本来捨てられてしまう野菜の皮や茎、ヘタ部分などを指します。

これらはどのようにアップサイクルされているのでしょうか?今回は、廃棄野菜を使ったアップサイクル製品の紹介に加え、日本の農産物廃棄の現状も解説します。

廃棄野菜から生まれるアップサイクル製品とは?

2-廃棄野菜のアップサイクルで食品ロス削減!農産廃棄物の現状も解説
廃棄野菜から生まれるアップサイクル製品とは、本来捨てられてしまう野菜に手を加え、新たな価値をつけて製品化したものを指します。

廃棄野菜とは、主に形が悪く市場に出さずに捨てられてしまう規格外の野菜や、食品の加工時にカットされる野菜の皮や茎、ヘタなどです。これらを捨てずに、加工技術を用いて新たな食品や文具、食器などの日用品に生まれ変わらせたものが、廃棄野菜から生まれるアップサイクル製品です。

日本の農産物廃棄の現状

3-廃棄野菜のアップサイクルで食品ロス削減!農産廃棄物の現状も解説
廃棄野菜のアップサイクルは、食品ロス削減のひとつの手段としても期待が高まっています。なぜなら、廃棄野菜は想像以上に多く、食品ロスの大きな要因でもあるからです。

色や形が悪く規格外とされた野菜や、食感の悪さや値段の調整などが理由で廃棄される野菜は、国内の農産物生産現場で年間200万トン以上、加工現場では142万トン以上といわれています。

例えば、形の悪いキュウリやトマトを始め、ダイコンやニンジン、ゴボウの皮、ナスのへた、ブロッコリーの茎、キャベツやトウモロコシの芯などが挙げられます。これらの廃棄野菜は、味としてはおいしく食べられるものがほとんどです。

大量に廃棄される野菜はもったいないだけでなく、焼却処分する際に大量のエネルギーを消費し、温室効果ガスの二酸化炭素を発生させます。温暖化を抑えるためにも、農産物の廃棄を減らす取り組みが不可欠なのです。

廃棄野菜のアップサイクルにはどんな製品がある?

4-廃棄野菜のアップサイクルで食品ロス削減!農産廃棄物の現状も解説

昨今では廃棄野菜を使ったアップサイクルへの取り組みが広がり、さまざまな製品が登場しています。ここでは廃棄野菜から生まれるアップサイクル製品の一部をご紹介します。

規格外野菜を乾燥させた「ドライベジタブル」

 

規格外のキュウリやトマト、タマネギなどを乾燥させ、ドライベジタブルとしてアップサイクルする製品があります。乾燥させるだけなので大掛かりな設備がいらず、製造工程でも環境負荷がかからない点が特徴です。

乾燥野菜はおやつ感覚でそのまま食べるのはもちろん、スープや炊き込みごはんにしたり、サラダにトッピングするなど幅広い食べ方が楽しめます。

栄養が凝縮されているため、野菜嫌いのお子さんにもおすすめです。

規格外野菜を使ったジェラート

  

サイズや形が悪く廃棄されてしまう規格外野菜を使ったジェラートがあります。廃棄野菜は直接農家から取り寄せ、季節に応じて廃棄量の多い野菜を使っているのが特徴。

トウモロコシやカボチャ、ブロッコリーなど味の種類も豊富で、旬の野菜を使ったジェラートが楽しめます。とても食べやすく、野菜をデザート感覚で味わえるのが魅力です。

規格外のフルーツトマトを活用したビール

  

規格外として廃棄されてしまうフルーツトマトをアップサイクルしたビールがあります。
ビールでありながら、酸味と甘さのバランスが絶妙な、みずみずしいフルーツトマトの味わいが感じられるのがポイント。

さっぱりフルーティーな味わいに仕上がっているため、ビールが苦手な人にも飲みやすく、おすすめです。

野菜の茎や皮をチョコでコーティングしたチョコクランチ

 

捨てられるはずのダイコンの皮やブロッコリーの茎をカリッと揚げ、チョコレートをコーティングしたアップサイクルのチョコクランチです。

シリアルなどは一切使わず、野菜とチョコレートのみのヘルシーなところも魅力。体にやさしいおやつを求めている人にもぴったりです。

食べられる野菜のシート

  

廃棄野菜に寒天を加えてシート状にアップサイクルした「食べられる野菜シート」です。
カボチャやダイコン、ホウレンソウ、ニンジンなどの廃棄野菜と寒天のみを使用し、添加物や化学調味料などは一切使用していないところもポイント。

野菜だけを食べるよりも食物繊維が多く含まれていて、手軽に栄養が摂取できます。おにぎりの海苔代わりにしたり、生春巻きのように食材を巻いたりと、食べ方もアレンジできるのが良い点です。

規格外野菜を使用したドレッシング

特殊技術を用いて規格外野菜を粉末状にし、ドレッシングに使用するアップサイクル製品もあります。野菜を粉末状にしても、生野菜に含まれる栄養素の70%は保持できるとされています。

ドレッシングの調味料に野菜の粉末を加えることで、野菜の風味がアップするだけでなく、ビタミンやミネラル、食物繊維といった栄養素もアップ。

ショウガ風味やゴマ風味などの種類があり、どちらも野菜に含まれる栄養素をふんだんに摂取できるのが特徴です。

食品として活用するアップサイクル以外にも、廃棄野菜を染料として使用するハンカチや紙文具などのアップサイクル製品もあります。

(参照:廃棄物から価値を生む 拡大する食品アップサイクルビジネス)

廃棄野菜のアップサイクル製品を選んで、食品ロス削減に貢献しよう!

5-廃棄野菜のアップサイクルで食品ロス削減!農産廃棄物の現状も解説
廃棄野菜のアップサイクルは、農産物の生産現場や食品の加工現場で捨てられてしまう廃棄野菜を減らす一手になります。廃棄野菜をアップサイクルした製品を選ぶことで、食品ロス削減に貢献できるでしょう。

また、私たち一人ひとりが食品廃棄物を減らす心がけも大切です。野菜を調理する際には、皮や茎まで無駄にせず使うようにしましょう。
あわせて読みたい: コーヒーかすはアップサイクル向きの万能素材!活用法を見てみよう

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