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室内で食料生産できるUrban Farming|垂直農法とは?

Monday, 25 November 2024

室内で野菜を育てられる垂直農法は、Urban Farmingの可能性を広げてくれる栽培方法のひとつです。植物を垂直に積み重ねて育てるため、限られた都市のスペースでも食料生産が実現します。

今回はUrban Farmingでも増えつつある垂直農法について特徴やメリット、課題や事例もあわせて解説します。

Urban Farmingでも広く取り入れられている垂直農法とは?  

垂直農法とは、畑のように水平方向に作物を育てるのではなく、垂直に積み重ねて栽培する方法を指します。

 

垂直農法は都会の高層ビルや使われなくなった倉庫、コンテナ型の植物工場など室内空間を利用するのが一般的です。従来の農業のように広大な土地がなくても生産できるため、都市農業のUrban Farmingでも広く取り入れられています。

 

また気候変動への対策が求められる時代において、天候の影響を受けずに安定して食料生産できる垂直農法は、食料安全保障としても期待が高まっています。

垂直農法の特徴とシステム

Urban Farmingで用いられる垂直農法は、栽培方法やシステムに特徴があります。ここでは、垂直農法の特徴とシステムについて見ていきましょう。

 

<水耕栽培やエアロポニックスなど土を使わない栽培方法>

垂直農法では、主に水耕栽培やエアロポニックス、アクアポニックスなどの方法を取り入れ、土を使わずに栽培します。それぞれの特徴は以下の通りです。

 

・水耕栽培→水と液体肥料で育てる方法。

・エアロポニックス→空中に浮かせた植物の根に、栄養豊富な水を吹きかけて育てる方法。

・アクアポニックス→魚の養殖と水耕栽培を組み合わせて育てる方法。

 

稀にビルの側面を生かした垂直農法などで土耕栽培が用いられるケースもありますが、基本的には土を使用しない栽培方法が多い傾向です。

 

<LEDなどの人工照明>

建物内で野菜や植物を育てる垂直農法では、主にLED照明などの人工照明が使われています。植物の成長に必要な光を安定して照射できるため、自然光に当たらなくても野菜が育つのです。LED照明はエネルギー効率が良く、作物に合わせて光量を調節できるのも良い点です。

 

<高度な空調管理システム>

垂直農法では、高度な空調管理システムを導入しているケースが多く見られます。温度や湿度、換気などで空気循環を適切に保つため、いつでも野菜が育ちやすい安定した環境を維持できるのが特徴です。

 

<監視や水やりなどの自動化システム>

垂直農法では、水やりの水分量や栄養分の供給、照明の光量など、自動制御システムを活用しています。また、植物の健康状態を監視するAIシステムなども取り入れ、データ分析によって適切な栽培環境を維持するのに役立てています。

 

(参考:https://senzagro.com/blogs/jap/vertical-farming-is-the-future/

https://bipass.daicel.com/words/vertical-farming)

垂直農法のメリットと課題 

Urban Farmingで人気の高い垂直農法は、効率的な食料生産を実現するなどのメリットがある一方で課題も抱えています。ここでは、垂直農法のメリットと課題を確認していきましょう。

 

<垂直農法のメリット> 

 

・都市の限られた土地やスペースを有効活用できる

・気候に左右されず一年中安定した生産が可能

・都市部での食料自給率が向上する

・虫が発生しにくいため、無農薬で栽培できる
・輸送による環境負荷を軽減できる

 

広い土地がなくても、高さがある空間さえあれば野菜を育てられるのは垂直農法のメリットです。天候の影響を受けずに、一年中安定した生産が可能になるため都市住民の食料安全保障につながります。

 

また、虫が発生しにくく農薬や化学肥料を使わずに育てるため、体に優しいのもポイントです。輸送による二酸化炭素の排出量を削減できるため、温暖化の防止にも貢献できます。

 

<垂直農法の課題> 

 

・設備投資や維持コストがかかる。

・エネルギー消費の問題

・栄養管理やシステム管理などの技術的な課題

 

垂直農法は作物を並べるための構造物や装置、システムなどを構築しなければならないため、設備投資や維持コストがかかります。

 

また、屋内の垂直農場では24時間、365日LED照明や空調管理システムを利用するためエネルギー消費量が多いのも課題のひとつです。

 

さらに垂直農法では栄養管理やシステム管理など、高度な技術と知識が求められます。

 

テクノロジー関連の事故があった場合、壊滅的な被害に見舞われる可能性があることも課題として挙げられます。

 

(参考:https://ideasforgood.jp/glossary/vertical-farming/)

垂直農法を用いたUrban Farmingの事例をチェック! 

ここでは、垂直農法を用いたUrban Farmingの代表的な事例をご紹介します。

 

<スコットランドの屋内高層タワーで行なう垂直農法>

スコットランドでは屋内の高層タワーを利用した垂直農法の事例があります。複数の栽培層が積み重なった高層タワー型の構造を生かし、水耕栽培やエアロポニックスの技術を使ってハーブや葉物野菜が栽培されています。

 

施設の運営に必要なエネルギーの多くは風力や太陽光発電など、再生可能エネルギーを利用しているのも特徴です。AIと自動化技術を導入し、最適な成長条件を提供することで、収穫量の最大化につながっています。

 

(参考:https://techblitz.com/startup-interview/intelligent-growth-solutions/)

垂直農法はUrban Farmingの可能性を広げてくれる! 

室内で野菜を育てる垂直農法は、都市部に安定的な食料生産をもたらしてくれます。課題を解決することで、今後もUrban Farmingの可能性を広げてくれることでしょう。

 

グリーングロワーズのレタスも無農薬の垂直農法で栽培しています。垂直農法で育ったレタスの味が気になる方は、ぜひ一度グリーングロワーズのレタスを試してみてはいかがでしょうか。

 

合わせて読みたい:国産野菜の危機と日本の農業の未来

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