プラントベースフードが環境にもたらす良い影響とは？

プラントベースフードとは、植物由来の原材料で作られた食品を指します。「肉・乳製品・卵」といった動物由来の原料は使用せず、「豆類・穀物・野菜・果物・ナッツ・種子」などの植物性の食材を主成分としている点が特徴です。

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ただし、プラントベースフードと呼ばれる食品は必ずしも完全菜食なわけではなく、肉や乳製品を部分的に置き換えた食品も含まれる場合があります。

プラントベースフードの種類には、主に肉や乳製品、卵、魚介類などがあり、パスタソースやスイーツなどの加工食品も挙げられます。

プラントベースフードは植物由来の原材料を使用していることから、環境に優しく持続可能な食の選択肢として重要視されているのです。

(参考:https://www.caa.go.jp/notice/other/plant_based/assets/representation_cms201_210820_01.pdf)

プラントベースフードが「環境に優しい食品」といわれる理由は、植物由来原料の生産過程において、動物由来よりも環境負荷が低く、環境問題の改善に貢献できるためです。

ここからはプラントベースフードが環境にもたらす良い影響について、詳しく見ていきましょう。

＜温室効果ガス排出量の削減＞

プラントベースフードは温室効果ガスの排出量削減に貢献します。なぜなら、プラントベースフードの主成分である植物由来の原料は、畜産業に比べて温室効果ガスの排出量が少ないからです。

畜産業のサプライチェーン全体で排出される温室効果ガスは、CO2換算で71億トンとされ、世界で排出されている温室効果ガス全体の約14.5％といわれています。これは運輸に関するCO2排出量を上回る量です。また、牛はゲップや排泄物からCO2の28倍もの温室効果があるメタンガスを発生させます。

牛によるメタンガスの排出量は畜産全体の約3分の2を占めており、1頭あたりが1日に排出するメタンガスは約250〜800Lです。

一方、植物由来の原料は生産する過程でCO2を排出しますが、その量は畜産の約半分といわれています。さらにオックスフォード大学の研究によると、通常量の肉を食べる人がプラントベースフード食品に切り替えた場合、温室効果ガスを75％削減できるといいます。

このことから食肉の需要が減り、プラントベースフードの需要が高まることで、温室効果ガスの排出量を大幅に削減できるといえるでしょう。

(参考:https://www.fao.org/family-farming/detail/en/c/1634679/

https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/71459

https://www.rotary.org/ja/consider-your-carbon-foodprint)

＜水資源の節約＞　

プラントベースフードが環境に良いとされる理由に、水資源を節約できる点があります。畜産業は大量の水を必要としますが、植物性食品は比較的少ない水資源で生産可能です。

例えば、大豆1kgを生産するのに使う水の量は、牛肉を1kg生産するのに必要な水の8分の1で済むといわれています。

日本は水資源に恵まれているため、水不足を感じにくいかもしれません。しかし、世界の国々では気候変動の影響や人口増加によって、水不足が深刻化しています。プラントベースフードは深刻化する水不足の解決策としても貢献できるのです。

(参考:https://www.maff.go.jp/kanto/seisan/nousan/daizu/seminar/attach/pdf/221208-5.pdf

https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/mizsei/mizukokudo_mizsei_tk2_000021.html)

＜森林破壊の防止と土地利用の効率化＞　

プラントベースフードの生産は森林破壊を防止し、土地利用の効率化を図れるメリットがあります。畜産業は、家畜の飼育や飼料の生産のために広大な土地が必要であり、森林伐採の原因にもなっています。

実際、地球上で移住できる土地の半分が食料生産に使われており、そのうち70％以上を畜産業が占めている状況です。一方、プラントベースフードの原料となる植物性食材は、少ない土地で多くの食料を生産できます。

例えば大豆1kgの生産に必要な面積は、牛肉1kgを生産する土地面積の約90分の1です。土地利用を効率化し、森林伐採を抑制できるプラントベースフードは環境に良い影響をもたらしているといえます。

(参考:https://shizen-hatch.net/2020/12/01/alternative_meat/)

＜生物多様性の保護＞

プラントベースフードは土地の利用効率が高いため、生物多様性の保護にも寄与するといわれています。森林伐採や農地を目的とした土地の利用が縮小することで、多様な生物の生息地を守れるからです。

また、プラントベースフードは魚介類の乱獲などを防ぎ、海の生態系を守ることにもつながります。さらに、温室効果ガスの排出量が少ないため、気候変動を緩和し、間接的に生物多様性の保全に貢献しています。

(参考:https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/c_bd/bds_maff/attach/pdf/index-50.pdf)

＜水質汚染や土壌汚染の軽減＞　

プラントベースフードは畜産業に比べて、水質汚染や土壌汚染のリスクを軽減できるといわれています。畜産業は家畜の飼料を生産する過程で使う化学肥料や農薬、家畜の排泄物などが水質汚染や土壌汚染を引き起こすことがあるとして、問題視されているのです。

一方プラントベースフードは、飼料用の作物を生産せず、家畜の排泄物も出ないため、水質汚染や土壌汚染のリスクと生態系への負荷を軽減します。

(参考:https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/lin/l_tiku_manage/attach/pdf/zizoku-6.pdf)

プラントベースフードは温室効果ガスの削減や水資源の節約、森林伐採の抑制や生物多様性の保護など、環境に良い影響をもたらし持続可能な地球環境の実現に貢献します。

ぜひ環境保全の観点から、地球に優しいプラントベースフードを選択してみてはいかがでしょうか。