フランスを拠点とする鉄道車両メーカーのサステナブルな取り組み
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フランスを拠点とする鉄道車両メーカーのサステナブルな取り組み

Tuesday, 01 July 2025

フランスを拠点とする鉄道車両メーカーは、2025年の「世界で最もサステナブルな企業100」において、第7位を獲得しました。

この評価は、同社が持続可能なモビリティーの実現に向けて、環境・社会・ガバナンス(ESG)の各分野で先進的な取り組みを展開していることを反映しています。今回は同社のサステナブルな取り組みを解説します。

フランスを拠点とする鉄道車両メーカーとは? 

フランスを拠点とする世界的な鉄道車両メーカーは、持続可能なモビリティーの実現に向けた革新的なソリューションを提供しています。

 

例えば、高速鉄道、都市交通、信号システムなど、多岐にわたるモビリティーソリューションを提供中です。

 

同社の製品には、高速鉄道車両や、水素燃料電池で動く地域鉄道車両、低床式の路面電車や都市高速鉄道(地下鉄)などが含まれます。

 

また、同社は信号システムやデジタルモビリティーソリューションの開発にも注力しており、安全で効率的な鉄道運行を支援しています。さらに、持続可能な交通手段の普及を使命とし、環境負荷の低減に取り組んでいます。

 

革新的な技術と持続可能なビジョンを融合させ、世界中の都市や地域において、環境に優しい鉄道ソリューションを提供しています。

 

(参考:https://www.alstom.com/solutions/digital-mobility

https://railway-news.com/suppliers/alstom-group/)

「世界で最もサステナブルな企業100」での評価とその背景 

2025年、フランスの鉄道車両メーカーである同社は、カナダの調査機関が発表する「世界で最もサステナブルな企業100(Global 100)」において、世界第7位にランクインしました。

 

高評価の背景には、再生可能エネルギーの導入CO2排出量目標の達成サプライチェーンの持続可能性に向けた取り組みなどがあります。

 

これらの取り組みにより、持続可能なモビリティーの実現に向けたリーダーシップを発揮し、世界的な評価を受けています。

 

(参考:https://www.asahi.com/sdgs/article/15597815)

脱炭素社会に貢献する企業の環境戦略 

同社は持続可能なモビリティーの実現に向けて、温室効果ガス(GHG)排出削減、再生可能エネルギーの導入、エコデザインの推進など、環境への具体的な貢献を積極的に進めています。ここでは脱炭素社会に貢献する、具体的な環境戦略を見ていきましょう。

 

あわせて読みたい: 脱炭素化に向けて開発が進む水素電車とは?現状と展望を解説

 

< GHG排出削減目標の設定と達成>

同社は、2030年度から2031年度までに以下のGHG排出削減目標を設定し、Science Based Targets initiative(SBTi)(※)から承認を受けています。

 

・スコープ1および2(自社施設からの直接排出および購入電力による間接排出):2021年度から2022年度を基準に40%削減。

・スコープ3(販売製品の使用による排出)

・旅客輸送:乗客1人キロメートルあたり42%削減。

・貨物輸送:トンキロメートルあたり35%削減。

 

これらの目標は、パリ協定の1.5℃目標およびBeyond 2℃シナリオに整合しています。

 

※Science Based Targets initiative(SBTi)…国連グローバル・コンパクト、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)、CDPによる共同イニシアチブ。世界の平均気温の上昇を1.5度に抑えるために、企業による科学的に基づいた目標の設定を促進している。

 

< 再生可能エネルギーの導入>

同社は2025年末までに全世界の事業所で使用する電力の100%を再生可能エネルギーにすることを目指しています。2023年時点で、電力消費の75%を再生可能エネルギーで賄うことを実現しました。

 

また、スペインでは、160GWh規模の太陽光発電所との電力購入契約を締結し、ヨーロッパにおける電力消費の約80%をカバーしています。

 

(参考:https://perspectives.se.com/transportation/alstom-in-collaboration-with-schneider-electric-announces-major-solar-power-purchase-agreement-in-spain)

 

<エコデザインの推進と製品ライフサイクル全体での環境負荷低減>

同社は製品の設計段階から廃棄までの全ライフサイクルを通じて、環境負荷を最小限に抑える「エコデザイン」を推進中です。

 

2025年までに、新たに開発される製品の100%をエコデザインにすることを目標としています。

 

また、2023年度と2024年度には、新たに開発された製品の87%がエコデザインを採用し、平均23.4%の再生材を使用しました。

 

製品のエネルギー効率向上により、2025年までにソリューション全体のエネルギー消費を2014年比で25%削減することを目指しています。

循環型経済を実現するサステナブルなサプライチェーン改革 

同社はサプライチェーン全体での環境・社会・倫理的責任を重視し、循環型経済の推進に取り組んでいます。具体的な施策を見ていきましょう。

 

<サプライチェーンにおける持続可能性の強化>

サプライヤーに対して「倫理・持続可能性憲章」への署名を求めています。この憲章は、労働基準、倫理、環境、職業上の健康と安全、製品・サービスのライフサイクルに関する原則を含んでおり、サプライヤーはこれらの原則を遵守することが求められます 。

 

2024年3月時点で、同社の購買金額の97%がこの憲章に署名したサプライヤーからの調達となっており、2025年4月までに100%を目指しているところです。

 

また、同社はサプライヤーの持続可能性評価を行っており、2023年度と2024年度にはサプライヤーサイトの91%がCSR評価(スクリーニング、EcoVadis評価、現地CSR監査)を受けています 。

 

(参考:https://www.alstom.com/sites/alstom.com/files/2024/10/02/Modern%20Slavery%20Act%20Transparency%20Statement%20ALSTOM%20Product%20and%20Services%20Limited%202024.pdf)

 

<循環型経済の推進と製品のリサイクル>

同社は製品の設計段階から廃棄までの全ライフサイクルを通じて、環境負荷を最小限に抑える「エコデザイン」を推進しています。

 

2023年度から2024年度には、新たに開発された製品の87%がエコデザインを採用し、平均23.4%の再生材を使用しました。

 

2025年度までに、新たに開発される製品の100%をエコデザインとすることを目標としています 。

 

さらに、製品のリサイクル率向上にも取り組んでおり、例えば、鉄道車両は98%、水素燃料で動く地域列車は96%、路面電車は95%のリサイクル率を達成しています 。

革新的な技術と責任ある経営で持続可能なモビリティーの実現に貢献! 

上記の取り組みに加え、社会的責任とガバナンスの強化にも注力しています。2025年までに管理職の女性比率を28%に引き上げる目標を掲げるなど、多様性と包摂性の推進にも取り組んでいます。

 

環境保護、社会的責任、ガバナンスの各分野で先進的な取り組みを実践し、今後も革新的な技術と責任ある経営を通じて、持続可能な社会の構築をリードし続けていくでしょう。

 

(参考:https://www.alstom.com/company/commitments/diversity-equity-and-inclusion-alstom)

 

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