世界で最もサステナブルな企業の一つ!半導体メーカーの取り組み
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世界で最もサステナブルな企業の一つ!半導体メーカーの取り組み

Thursday, 10 July 2025

ドイツの半導体メーカーは、「世界で最もサステナブルな企業100社」に14年連続で選出され、持続可能性への取り組みが高く評価されています。

同社は、環境負荷の低減、サプライチェーン全体の脱炭素化、再生可能エネルギーの導入、そして革新的な技術開発を通じて、持続可能な未来の実現を目指し、取り組みを推進中です。今回は、ドイツの半導体メーカーのサステナブルな取り組みを解説します。

ドイツに本社を置く世界で最もサステナブルな半導体メーカーとは?

「世界で最もサステナブルな企業100社」に14年連続で選出された半導体メーカーは、ドイツ・ノイーベルクに本社を置く、世界有数の半導体メーカーです。

 

1999年に世界的なテクノロジー企業の半導体部門から独立し、現在ではパワーシステムとIoT分野におけるグローバルリーダーとして、エネルギー効率の向上クリーンで安全なモビリティースマートで安心なIoTの実現に貢献しています。

 

自動車、産業機器、再生可能エネルギーの活用エネルギー効率の高いソリューションの提供を通じて、より環境にやさしい社会の構築に貢献している点も、サステナブルな企業として注目されるポイントです。

 

(参考: https://www.infineon.com/cms/jp/about-infineon/press/press-releases/2023/INFXX202312-037.html)

再生可能エネルギーとエネルギー効率の向上

同社は、持続可能な未来の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入とエネルギー効率の向上に積極的に取り組んでいます。ここでは具体的な取り組みを見ていきましょう。

 

あわせて読みたい: SDGs時代における企業の責任ある取り組みと成功事例を解説

 

<2025年までに全事業所で100%再生可能電力を使用>

2025年までに全世界の事業所で使用する電力を、100%再生可能エネルギーに切り替えるという目標を掲げています。

 

この目標達成に向けて、国際的な再生可能エネルギー推進イニシアチブであるRE100に加盟し、再生可能エネルギーの導入を加速しています。

 

2024年度には、すでに使用電力の80%以上を再生可能エネルギーで賄っており、目標達成に向けて順調に進捗しているところです。

 

<エネルギー効率の向上に向けた具体的な施策と成果>

同社は、エネルギー効率の向上を重要な戦略の一環として位置づけ、以下のような具体的な施策を実施しています。

 

高効率な半導体技術の開発:

同社は、シリコンカーバイド(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などの次世代半導体材料を活用し、電力変換効率の高い製品を開発しています。これにより、電力損失の削減と機器の小型化を実現しました。

 

データセンターのエネルギー最適化:

米国の半導体メーカーと協力し、AIデータセンター向けの高電圧直流(DC)電力供給システムを開発中です。従来の交流(AC)からDCへの変換によるエネルギー損失を削減し、データセンター全体のエネルギー効率を向上させることを目指しています。

 

製造プロセスの最適化:

製造工程においても、エネルギー使用の最適化を図り、最大20%のエネルギー削減を達成しました。これにより、製品の品質を維持しながら、環境負荷の低減に貢献しています。

 

このように自社の事業活動だけでなく、顧客やパートナー企業との協力を通じて、持続可能な社会の実現に向けたエネルギー効率の向上と再生可能エネルギーの普及を推進しています。

サプライチェーン全体での脱炭素化 

同社は、サプライチェーン全体での脱炭素化を推進するため、100社以上のサプライヤーと連携し、CO2排出削減に取り組んでいます。

 

この取り組みは、同社のサステナビリティー戦略の重要な柱となっており、Scope 3(サプライチェーン由来の間接排出)の削減を目指して進行中です。

 

<サプライヤーとの協働によるCO2排出削減> 

同社は2029年までに主要サプライヤーの72.5%が科学的根拠に基づく排出削減目標(SBT)を設定することを目指しています。

 

この目標達成に向けて、同社の調達チームは100社以上のサプライヤーと協力し、CO2排出削減に向けたソリューションの開発と実装を進めています。

 

<サプライチェーン全体での持続可能性向上戦略>

同社はサプライチェーン全体での持続可能性向上を目指し、以下のような戦略を展開しています。

 

サプライヤーサステナビリティーサミットの開催: 

サプライヤーとの協力を強化するため、初の「サプライヤーサステナビリティーサミット」を開催しました。このイベントでは、約100社の主要サプライヤーが参加し、脱炭素化に向けた戦略や取り組みについて議論が行われました。

 

優れたサプライヤーの表彰: 

同社は、環境への取り組みが優れたサプライヤーを表彰しています。例えばある企業は、1.5℃目標に基づく気候戦略と革新的な「Xchange」プログラムにより、「BestPerformance Award」を受賞しました。

 

また、日本の半導体用シリコンウエハーを製造する企業は、科学的根拠に基づく目標を設定した最初のシリコンウエハーサプライヤーとして、「Best Improvement Award」を受賞しています。

 

パートナーシップの強化:

同社は米国に本社を置く半導体製造の後工程を担う企業と覚書を締結し、共通のサプライヤーと連携して効果的な脱炭素化戦略の開発と実施を支援しています。このパートナーシップにより、サプライチェーン全体での持続可能性向上が期待されています。

 

これらの取り組みにより、同社はサプライチェーン全体での脱炭素化を推進し、持続可能な社会の実現に貢献しています。

 

(参考: https://www.bisinfotech.com/infineon-strengthens-co2-reduction-efforts-awards-top-suppliers/)

ドイツの半導体メーカーの持続可能な未来への展望  

ご紹介した取り組み以外にも、他メーカーと協働でAIデータセンター向けの高電圧直流(800V HVDC)電力供給システムの開発や、世界初の完全リサイクル可能な非接触型決済カードの開発など、技術革新による持続可能性の推進にも取り組んでいます。

 

これらの成果は、「世界で最もサステナブルな企業100社」への選出や、ドイツ持続可能性賞の受賞など、国際的な評価にもつながっています。

 

持続可能な社会の実現には、企業だけでなく、私たち一人ひとりの意識と行動が重要です。共に未来を創造していきましょう。

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