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世界で最もサステナブルな企業|フランスのエネルギー会社の取り組み
Tuesday, 24 June 2025

この快挙は同社が長年にわたりサステナビリティーをビジネスの中心に捉え、取り組みを継続的に強化してきた成果です。
今回は、この企業がどのようにして栄誉を手にしたのか、その具体的な取り組みや戦略を解説します。
フランスのエネルギーマネジメントをリードする企業とは?
「世界で最も持続可能な100社」の1位に選ばれたことのあるフランスの企業は、エネルギーマネジメントとオートメーションの分野で世界をリードしています。
1836年の創業以来、同社は鉄鋼業から電気機器製造、そして現在のデジタル技術を活用したエネルギー管理とオートメーションへと事業を進化させてきました。
同社は企業理念に、「Life Is On(すべての人にエネルギーと資源を最大源活用する力)」を掲げています。
このスローガンは、誰もが安全で持続可能なエネルギーにアクセスできる世界の実現を目指す、同社の姿勢を象徴しています。
エネルギーの効率化と脱炭素化を推進し、進歩と持続可能性の両立を図ることを使命としている点も特徴です。
(参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000007462.html

主な事業領域と技術力
同社は以下の分野で高度な専門知識と技術を提供しています。
・電化(Electrification)…エネルギーの供給と管理を最適化するソリューションを提供。
・自動化(Automation)…産業や建物の運用効率を高める自動化技術を展開。
・デジタル化(Digitization)…IoTやAIを活用したスマートソリューションで、エネルギー管理の高度化を実現。
これらの先進技術は、スマート製造、回復力のあるインフラ、IoTプラットフォームを活用しエネルギー使用量を最適化するなどした未来志向のデータセンター、快適性と省エネを両立させたスマートビルディングの構築、家庭内の照明や空調、セキュリティーなどを一元管理できる直感的なホームオートメーションなど、多岐にわたる分野で活用しています。

サステナビリティーへの具体的な取り組みをチェック!
同社は持続可能な未来の実現に向けて、多角的な取り組みを展開しています。ここではサステナビリティーへの具体的な取り組みを見ていきましょう。
<ジェンダー多様性の進出>
組織内のジェンダー平等と多様性を重視し、すべての人を包み込むインクルーシブな企業文化の育成に取り組んでいます。
同社のCEOは、国連のジェンダー平等の実現に向けたキャンペーン「HeForShe」の企業インパクトチャンピオンとして、女性のリーダーシップ促進を支援しています。
過去15年間で、同社のリーダー職における女性の割合は5%から20%に増加し、2020年までに30%を目指す目標を掲げました。そして2021年には女性の管理職が44%になり、2025年までに新規採用者の女性比率を50%にするという新たな目標を掲げています。
<エネルギー効率と脱炭素化の推進>
同社は、デジタル技術と電化を活用して、エネルギー効率の向上と炭素排出の削減を図っています。
例えば、既存のオフィスビルに同社のエネルギー管理ソリューションを導入することで運用時の炭素排出を最大70%削減できるとする研究結果が報告されています。
<サプライチェーンの脱炭素化>
同社はサプライチェーン全体の脱炭素化にも注力しています。2021年に開始した「ゼロカーボンプロジェクト」では、主要な100社のサプライヤーと連携し、2025年までにそれぞれのCO2排出量を50%削減することを目指しています。
この取り組みでは、サプライヤーに対して、排出量の測定方法や削減戦略の策定、再生可能エネルギーの導入支援などを提供中です。
<生物多様性の保全>
同社は生物多様性の保全にも積極的に取り組んでいます。2021年には、2030年までに事業活動における生物多様性のネット損失をゼロにする目標を発表しました。
具体的には、全拠点での生物多様性保全・再生プログラムの実施や、水資源の保全計画の策定、サプライヤーとの協働による使い捨てプラスチックの削減などを進めています。
こうした戦略は、企業が持続可能性とビジネスの成長を両立させるためのモデルケースになっています。
(参考:https://sustainablejapan.jp/2021/05/27/schneider-electric-biodiversity/62220)

革新的なプロジェクトとイニシアチブ
同社は主要な取り組みの他にも、革新的なプロジェクトやイニシアチブを展開しています。その中でも特に注目すべき取り組みをご紹介します。
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<メキシコシティーでサステナビリティー推進イベントを開催>
2024年には、メキシコシティーでサステナビリティー推進イベントが開催されています。このイベントは、電化、デジタル化、自動化、そして持続可能性をテーマに業界やリーダーや専門家が集まり、最新の技術やベストプラクティス(成功事例)を共有する場になりました。
同社はイノベーションを通じて、産業だけでなく国の発展にもポジティブな影響を与えることを目指しています。
<オフショア充電ステーションの開発>
スコットランドのオークニー諸島において、世界初となるクルーズ船向けのオフショア充電ステーションの開発に参画しています。
同社は技術的および商業的な実現可能性の評価を担当しています。この取り組みでは、風力、太陽光などの再生可能エネルギーを活用し、停泊中のハイブリッドクルーズ船に電力を供給する「コールドアイロニングブイ」を設置する計画です。
クルーズ船の排出ガスを削減し、沿岸地域の空気質の改善が期待されています。

先進的な企業からサステナビリティー戦略を学ぼう
世界で最も持続可能な企業のトップに輝くフランスのエネルギー会社は、持続可能性とイノベーションを融合させ、グローバルな課題に対処するための具体的な取り組みを実施しています。
同社の活動はエネルギー管理とオートメーション分野でのリーダーシップを強化し、より持続可能な未来の実現に貢献していくでしょう。
同社の取り組みを通じてサステナビリティー戦略を学び、会社や暮らしでどう生かすのかを考えてみてはいかがでしょうか。
