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サーキュラーエコノミーに向けて取り組むマンションとは?
Friday, 29 March 2024
取り組みの背景には、不動産分野による住宅づくりでの資源の枯渇や、廃棄物などの問題があります。今回は、サーキュラーエコノミーに向けて取り組む、マンションの事例を解説します!
サーキュラーエコノミーに向けた取り組みをするマンションが増えている理由
サーキュラーエコノミーとは「循環型経済」を意味し、これまで廃棄されていた資源をリサイクルやリユースを通して付加価値をつけ、循環させていく経済システムのことです。
循環型経済のサーキュラーエコノミーは世界的に求められていて、さまざまな国の企業が取り組みを行っています。そんな中、マンション内で住民が参加型でサーキュラーエコノミーに取り組むケースが増えています。その理由にあるのが、不動産分野における環境問題です。
不動産分野による二酸化炭素(CO2)排出量は、国内全体の3分の1の量を占めていて、現在も増加傾向にあるといわれています。その他にも、建築による生物多様性の損失や、廃棄物問題など抱えている課題はさまざまです。
こうした環境問題を解決するためにも、住宅づくりやまちづくりにおけるサーキュラーエコノミーへの取り組みが求められています。
不動産業界では、サーキュラーエコノミーに向けた取り組みの一環として、資源の循環や廃棄物の削減、CO2排出量の抑制などに取り組むマンション事業を拡大しています。
(参照:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000107.html)
サーキュラーエコノミーに向けたマンションの取り組み事例
サーキュラーエコノミーに向けた取り組みを実践するマンションでは、共有部分のソファやテーブルなどに資源を再利用した家具を使うなどの事例があります。
また、住民参加型で取り組めるものも多いのが特徴です。ここでは、サーキュラーエコノミーに向けた取り組みを行うマンションの事例を見ていきましょう!
<マンション住民間のシェアリングサービス>
分譲マンションの住民間で、モノのシェアや売り買いをし合えるサービスを実施するマンションがあります。
このサービスの特徴は、住民同士が直接やり取りする必要がなく、マンションの共有部にシェアボックスを設置することで、非接触でモノの貸し借りや譲渡が完結できることです。
不動産会社とwebサービスを開発する企業で共同開発した、住民間のクローズドのプラットフォームを通してオンライン上でやり取りすることで、非接触でのシェアや譲渡が実現しています。
スキー板やスノーボードなどのウインタースポーツ用品や、アウトドア用品、ゴルフ用品などが貸し借りできるなど、住民間の需要と供給を満たし、資源を循環できるサーキュラーデザインの仕組みになっています。
(参照:https://cehub.jp/news/sharecom/)
<マンション内に不要品回収ステーションを常設>
都内の大規模なマンションで、不要品回収ステーションを常設する事例があります。マンションの居住者の衣服やファッション雑貨、おもちゃなど多品目の不要品を回収できるのが特徴です。
回収された不要品は資源として再流通されるほか、衣類については衣料品再資源化プロジェクトによって、リユースや水平リサイクルなど資源に適した方法で再利用されます。
取り組み当初の実証実験では、月に約200kgの不要品が回収され、焼却処分した場合と比べてCO2排出量が約70%削減される結果となりました。
マンション内に不要品回収ステーションを設けることで、マンションの住民がいつでも気軽に資源循環に関わり続けられるため、環境意識の高まりや行動につながっています。
<ラウンジなど共有部分にサーキュラーデザインの家具を導入>
マンション内の共有スペースに、サーキュラーデザインの家具を導入している事例もあります。サーキュラーデザインとは、資源の循環を考えて設計・製造された製品を指します。
例えば、家屋の解体で発生する廃棄木材を再生したテーブルや椅子などです。共有部分に設置された家具に触れることで、サーキュラーデザインを知り、興味や関心を持つきっかけになることを目的としています。
サーキュラーエコノミーのマンションを選択肢のひとつに
サーキュラーエコノミーに取り組むマンションが増えている背景には、不動産分野における資源の枯渇や廃棄問題、CO2排出など、さまざまな環境問題が存在します。これらの解決策のひとつにあるのがサーキュラーエコノミーに取り組むマンション事業です。
マンション住民が参加型でモノのシェアや不用品回収に取り組める仕組みが構築されているため、生活の動線上で気軽に取り組みやすく、環境問題に貢献できます。
ぜひ、住まいを検討の際には、サーキュラーエコノミーに取り組むマンションを選択肢のひとつに入れてみてはいかがでしょうか。