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色の効果で運動パフォーマンスは向上する?そのメカニズムとは

Friday, 06 December 2024

スポーツ選手が試合前に好きな音楽を聞いて集中力を高めたり、気分を高揚させたりするように、「色」も運動パフォーマンスを向上させる可能性があるとして研究が進められています。

今回はPsychological effects of color(色が及ぼす効果)をテーマに、色と運動パフォーマンスの関係性や、運動中に適した色について、また色で運動環境を整える方法を解説します。

色によって身体能力が上がるわけではない?

色の特性が人間の心理や行動に与える影響を研究する色彩心理学では、色と運動パフォーマンスの関係性についても研究が進められています。

 

例えばヨーロッパでは、サッカーで赤いユニフォームを着たチームがPKを行うとシュートが決まりやすく、反対にゴールキーパーが赤いユニフォームを着ているとシュートが決まりにくいという研究事例があります。

 

赤は着ている人の自信を高め、相手側には赤が攻撃的に映るためです。しかし、数々の研究結果から、赤のユニフォームを着れば必ずしも優位になるとは限らないとしています。また、人間が持つ基本的な身体能力が上がるわけでもありません。

 

(参考:https://www.afpbb.com/articles/-/2369153

https://core.ac.uk/download/pdf/228937087.pdf

https://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/pdf/2017/03/14/a1180463.pdf)

色と運動パフォーマンスの関係性  

色で基本的な身体能力は変わらないとされていますが、運動パフォーマンスは向上する可能性があります。なぜなら人間は、光や色によって筋肉の状態が変化するからです。

 

1910年にシュタインは、光線を当てることで筋肉が緊張したり弛緩したりする変化を実証し、これを「トーナス変化」と名付けました。また、色によって筋肉の緊張を数値化したものを「ライト・トーナス値」といいます。

 

ライト・トーナス値では正常の筋肉の状態を23と数値化し、色と筋肉の緊張状態は寒色系から暖色系の「黄色=30」「オレンジ=35」「赤=42」の順で数値が高くなっています。

 

数値の高さは緊張や興奮状態に比例しているのが特徴です。トーナス変化は視覚からの影響は受けず、色の好き嫌いに関係なく筋肉の状態を変化させます。色の効果で無意識のうちに筋肉が緊張したり緩んだりしているというわけです。

 

また、色は視覚から入り脳を刺激して感情にも大きな影響を与えます。色によって光の周波数が異なるため、視覚から脳の神経回路を通る際に、異なる光の周波数があらゆる感情や行動を引き起こすのです。

 

色によって落ち着いたり興奮したり、エネルギッシュになったりと感情や行動に影響するのはこのメカニズムによるものです。

 

(参考:https://contest.japias.jp/tqj19/190088/k_sports.html

https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/sports/h_vol41/)

運動パフォーマンスの向上が期待できる色 

運動パフォーマンスの向上が期待できる色は「赤・青・緑・黄色」などです。ここでは色が持つ効果や、取り入れるのに適した運動を見ていきましょう。

 

<赤>

赤は興奮色と呼ばれアドレナリンの分泌を促し、血圧や心拍数を上昇させるといわれています。この効果によって、瞬発力やパワーが要求される運動、筋力トレーニングなどでパフォーマンスの向上が期待できます。

 

適した運動は、短距離走やウェイトリフティング、格闘技などです。

 

<青>

青は鎮静作用があり、冷静さや集中力を高め、心を落ち着かせる効果があるといわれています。持久力が求められるスポーツや、集中力を要する場面で効果的です。

 

また、青は疲労感を和らげる効果もあるため、運動中の休憩にも活用できます。適した運動は、長距離走やヨガ、ゴルフなどです。

 

<緑>

緑はリラックス効果があり、視覚的な疲労感を軽減するのに役立ちます。自然との調和を感じさせるため、屋外スポーツや長時間の運動に適しています。精神的なバランスを維持しながら運動するのに効果的です。

 

適した運動には、ハイキングやサイクリング、サッカーなどが挙げられます。

 

<黄色>

黄色は活力を与えてくれる色で、ポジティブな気分を引き出すのに効果的な色です。やる気を高める効果もあるため、運動へのモチベーションを上げたいときに活用するのも良いでしょう。

 

また、コミュニケーションを円滑にする色ともいわれており、バレーボールやバスケットボールなどチームプレーのスポーツに適しています。

 

(参考:https://www.lesmills.com/jp/instructors/instructor-news/color-psychology/)

色の効果を生かして運動環境を整える方法 

色の効果を生かして運動環境を整えるには、主に以下のような方法があります。

 

・ウェアやユニフォームで色を取り入れる

・スポーツ用品の色選びにこだわる

・ジムやトレーニングルームに色を取り入れる

 

ウェアやユニフォーム、スポーツ用品の色選びは、気分や運動パフォーマンスに影響を与える重要な要素です。機能性だけでなく、色の心理的効果を考慮して選ぶことでトレーニング効果や運動パフォーマンスの向上につながります。先述した色に加え、黒も自信や強さを感じさせる色で競技用のウェアにおすすめです。

 

また、ジムやトレーニングルームの色選びは、運動へのモチベーションや集中力に大きく影響します。刺激的でエネルギッシュな赤や黄色などは、アクセントウォールなど部分的に取り入れると良いでしょう。

色の効果を活用して運動パフォーマンスを最大化しよう!

色の光によって筋肉の緊張状態が変化したり、視覚から受け取った色が脳を刺激して感情に影響したりすることで運動パフォーマンスの向上が期待できます。

 

今回ご紹介した色は、ウェアやトレーニング環境に適していますが、個人の感じ方や好みもあるため、自分にとっての効果的な色を見つけることが大切です。実際に試しながら、運動パフォーマンスの最大化を目指していきましょう。

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