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エコロジカルフットプリントとは?地球への環境負荷を知ろう
Friday, 12 August 2022
エコロジカルフットプリントとは?
エコロジカルフットプリントとは、人間の活動がどれだけ地球環境に負荷をかけているのかを測る指標のことです。人間が消費する資源の量と地球が生み出す資源の量を数値化し比較することで、資源を使いすぎているのかどうか、言い換えれば地球の持続可能性がわかります。
エコロジカルフットプリントとは、「生態系を踏みつけている足跡」という意味。人間は温室効果ガスの排出や森林伐採、水質汚染など地球環境にさまざまな負荷を与えています。
この負荷を目で見えるように数値化することによって、環境負荷を減らして持続可能な暮らしを実現していこうというのが、エコロジカルフットプリントの目的です。
エコロジカルフットプリントは、人間が与えた環境負荷をどれだけの地球面積でまかなえるかで示します。エコロジカルフットプリントは以下のような計算方法で数値化します。
「エコロジカルフットプリント=人口×1人あたりの消費×生産・廃棄効率」
エコロジカルフットプリントから見る日本の環境負荷
エコロジカルフットプリントでは自分の国が地球にどれだけの負荷をかけているのか知ることができます。ここでは最新のエコロジカルフットプリントから見る日本の環境負荷を調べていきましょう!
<日本は世界で何番目に環境負荷をかけている?>
2022年国別のエコロジカルフットプリントランキングでみると、日本は中国、アメリカ、インド、ロシアに続き世界で5番目に環境負荷をかけている国です。資源を大量に使う、産業や経済が発達した国が上位を占めていることがわかります。
なお2017年のデータになりますが、一人当たりのエコロジカルフットプリントでみると、日本は世界で38番目(約200か国中)になります。こちらは1位ルクセンブルク、2位カタール、3位オーストラリアとなっています。日本はアメリカやロシアに比べれば順位は低いですが、中国やインドよりは高く、インドと比べると一人当たり4.7倍も資源を使っていることになります。
日本は世界の中でも大きな負荷を地球に与えている国であることを、一人ひとりが自覚する必要があるでしょう。
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<世界中の人が日本人と同等の暮らしをするには地球が2.9個必要!>
エコロジカルフットプリントの世界平均は2.9gha/人。一方日本は1人あたり5.0gha/人
と平均を大きく上回っています。もしも世界中の人々が日本人と同じような暮らしをした場合、地球は2.9個必要になる計算です。日本はそれだけ地球に対して負荷を与えているのです。
ちなみに日本の環境負荷で最も多いのは二酸化炭素。地球に与える環境負荷全体の74%を占めています。こうした事実を知り、地球1個分の暮らしを目指していくよう努めることが大切です。
地球1個分の暮らしをするための3つのヒント
エコロジカルフットプリントを減らして地球1個分の暮らしを実現するためには、3つのヒントがあります。これを世界自然保護基金(WWF)は3本の矢として紹介しています。
1.環境負荷の少ない商品を選ぶ
2.生産時に投入する資源の量や、廃棄物の量を減らす
3.効率よく資源を利用するための技術革新を進める、または支援する
まず1に関して、買い物の際には環境負荷の少ないもの、例えばMSCやFSCといったエシカル認証マークが入ったものを選ぶよう心掛けましょう。
また、2に関して私たちができることはごみの量を減らすことです。特に食品ロスは家庭にも深く関わる問題のひとつです。食材は買い過ぎないよう注意し、使い切る、食べ切るようにしましょう。
3に関しては再生可能エネルギーやAIなどの最新技術で開発されたものを選ぶことが支援になります。エコロジカルフットプリントを減らすためには、環境にやさしい技術革新を進めることが重要です。
今の自分は地球何個分の暮らしをしてる?
エコロジカルフットプリントで日本がどれだけの環境負荷をかけているかが実感できたのではないでしょうか。持続可能な生活を守るためには、地球が生産できる資源を消費量がオーバーしていることを一人ひとりが自覚し、地球1個分の暮らしを目指して行動する必要があります。
今回の記事を参考に、エコロジカルフットプリントを通して自分にできることを考えてみてください。エコロジカルフットプリントは個人でも計算することが可能です。今、自分は地球何個分の暮らしをしているか、チェックしてみてはいかがでしょうか。