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フードテックとは?食の未来を変える最新テクノロジーに期待!

Wednesday, 10 August 2022

世界的に注目されるフードテック。食に関するさまざまな問題を、最新テクノロジーで解決するとされています。今回はこのフードテックの可能性や具体例を見ていきましょう!

フードテックとは?

フードテックとは、最新テクノロジーを使い、これまでにない食品を開発したり、新しい調理法を生み出したりすることをいいます。身近なものでいうと植物由来の代替肉や昆虫食、藻類などの新食材商品もフードテックによって生まれたものです。

海外ではフードテックへの関心が高まっており、2019年のフードテック分野への投資額は米国が9574億円、中国が3522億円、インドが1431億円です。一方、日本の投資額はたった97億円と、海外に比べて小規模でした。

しかし、フードテック分野で世界から出遅れてしまったことに危機感を覚えた日本政府は、フードテックの研究開発への投資を促し、農林水産省が中心となって「フードテック研究会」を立ち上げるなどして、日本の国際競争力を高めるための取り組みを急速に進めています。

(参照:農林水産省フードテック研究会中間とりまとめ

フードテックが解決できる食の問題

フードテックの研究・開発が進むことで、食に関するさまざまな問題の解決策につながるといわれています。

<人口増加による食糧不足>

世界の人口は増加傾向です。2050年には97億人を超えると予測されており、食糧不足が深刻な問題となっています。

フードテックで新素材の開発をしたり、農場に新技術を用いた食料生産を取り入れたりして効率良く農産物を生産することで、食糧危機の救いの一手となることが期待されています。

(参照:333. 7月11日は世界人口デー

<食品ロス問題>

世界では飢餓問題がある一方で、大量の食品ロスが出ているという問題もあります。フードテックではこの解決のため、食品の長期保存についての研究・開発も進められています。

長期保存が可能になれば食品の廃棄が減り、飢餓人口を減らすことにもつながるでしょう。

<植物由来の代替品で栄養不足を解消>

最近では環境保全や動物愛護などの理由で菜食主義の人が増えつつあります。菜食主義の人は動物性食品を摂らないため、たんぱく質など特定の栄養素が不足しがちです。

しかしフードテックで生み出された植物由来の代替品があれば、植物性たんぱく質などを摂取でき栄養不足を防ぐ助けになります。

あわせて読みたい: 培養肉はどうなる?日本の研究状況と実用化に向けた世界の動き

<農業や食品製造の人手不足>

日本では過疎化や高齢化によって農業や漁業、食品製造業でも人手不足が深刻な問題となっています。フードテックによるAI技術やロボットを取り入れることで、人手不足を改善できると期待されています。

<食中毒や異物混入などの問題>

フードテックでは食材が傷んでいないかチェックするツールがあります。このツールを使うことで、食中毒による健康被害を減らすことができます。

また長期保存ができたり、異物混入を防いだりする梱包材の開発も進んでおり、期待が高まっています。

あわせて読みたい: 食料安全保障とは?日本と世界の現状や取り組みを知ろう

フードテックによって生まれた最新テクノロジー

ここからはフードテックによって生まれた最新テクノロジーを紹介します!

<植物性素材の代替肉>

先ほども軽く触れましたが、フードテックによって、植物性の代替肉が作られるようになりました。本物の肉を食べなくても、植物由来の栄養素でたんぱく質などを補えるとしてヴィーガンやベジタリアンの間でも人気です。

植物性代替肉には大豆ミートやグルテンミートなどがあり、スーパーでも気軽に買えるようになったことで認知度も高まっています。

<培養肉>

動物の幹細胞を抽出して培養する「培養肉」もフードテックにより生まれた最新テクノロジーのひとつです。膨大なコストがかかりますが、家畜を傷つけることなく、環境負荷もかけずに肉を製造できるとして注目されています。

<植物工場>

天候など外的要因の影響を受けることなく、室内で植物を生産できるのが「植物工場」です。フードテックによって生まれた植物工場は天候や害虫などに左右されないため、生産性を高めることができます。

また、植物工場があれば砂漠など農業に向かない地域でも食糧生産ができるとして注目を集めています。

あわせて読みたい: エコロジカルフットプリントとは?地球への環境負荷を知ろう

<陸上養殖>

陸地のプラントで魚を養殖する陸上養殖がフードテックによって広がっています。陸上での魚の養殖は、作業負荷を減らせて飼育環境も管理しやすいため、養殖可能な魚の種類を増やせるなど多くのメリットがあります。

また、消費地の近くで養殖を行えば、都市部などへ新鮮な魚を迅速に届けることもできるでしょう。

<藻類や昆虫など新食材の製品化>

ミドリムシなどの藻類やコオロギなどの昆虫は、新食材と呼ばれフードテックにより商品化が進んでいます。ミドリムシの粉末状サプリやコオロギのクッキーなどさまざまな商品が流通するようになりました。

食糧危機を救う貴重なたんぱく源として、今後も研究・開発が進み、市場が拡大していくと予想されています。

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新たな食の可能性を広げてくれるフードテックに注目しよう!

フードテックに含まれる最新テクノロジーは、食糧危機や飢餓問題、食品ロスや農業の人手不足など、食に関するさまざまな問題の解決策につながります。

これまでの食生活では考えられなかったような新食材や商品が今後も登場してくるかもしれません。最初は抵抗感があったとしても、当たり前のように食べる日が来るのではないでしょうか。新たな食の可能性を広げてくれるフードテックに今後も注目していきましょう!

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