BLOG -SDGs and Sustainability
製品開発や製造プロセスを最適化するサステナブル企業の取り組み
Thursday, 17 July 2025

同社のクラウドベースのプラットフォームは、バーチャルツイン技術を活用し、製品設計や製造プロセスの最適化を通じて、顧客企業の環境負荷削減を支援しています。
今回は、同社のサステナビリティー戦略と取り組みについて解説します。
ソフトウエア企業が「世界で最もサステナブルな企業」に選出された背景
2025年、フランスのソフトウエア企業は、「世界で最もサステナブルな企業100社」において、第31位に選出されました。同社は2012年から13年連続で選出されています。
この評価は、同社が掲げる「製品・自然・人の調和」という目的のもと、持続可能性を中心に据えた事業運営が国際的に高く評価された結果です。
特に、バーチャルツイン技術を活用したクラウドベースのプラットフォームは、顧客企業の製品設計や製造プロセスの最適化を支援し、環境負荷の削減に貢献しています。こうした取り組みが高評価につながったといえるでしょう。
(参考: https://www.sustainablebrands.jp/news/1219650/
https://sustainablejapan.jp/2025/01/25/global-100-2025/110177)

サステナビリティー戦略の全体像
同社は持続可能性を企業戦略の中心に据え、以下の3つの柱を軸に具体的な目標と進捗を定めています。
<1.自社の環境負荷削減>
同社は、パリ協定に沿った環境目標を掲げ、以下のような具体的な数値目標を設定しています。
・スコープ1および2の温室効果ガス排出量を2027年までに35%削減
・スコープ3(出張や通勤など)の排出量を同年までに20%削減
・2040年までにカーボンニュートラルを達成
・2025年までにサプライヤーの50%が科学的根拠に基づく排出削減目標を設定
<2. 顧客の持続可能性支援>
同社は、クラウドベースのプラットフォームを通じて、顧客企業が製品設計や製造プロセスを最適化し、環境負荷を削減できるよう支援しています。
バーチャルツイン技術を活用することで、物理的なプロトタイプの削減や資源の効率的な使用が可能となり、顧客のサステナビリティー目標達成に貢献しています。
<3. 人材の育成と多様性の推進>
同社は、従業員の多様性と倫理を重視し、持続可能な未来を築くための人材育成に取り組んでいます。
例えば、独自のプログラムを通じて次世代のスキル習得や再教育を支援し、変化する社会に対応できる人材育成を強化中です。
これらの戦略的取り組みにより、同社は持続可能な未来の実現に向けて、企業としての責任を果たしつつ、顧客や社会全体への貢献を続けています。

環境への取り組み:カーボンニュートラルへの道
同社は、2040年までにカーボンニュートラルを達成するという明確な目標を掲げ、具体的な施策を通じて環境への取り組みを進めています。
<スコープ1・2・3の温室効果ガス排出削減目標>
同社は、温室効果ガス排出量の削減において、以下の具体的な目標を設定しています。
・スコープ1および2(自社の直接的な排出および購入したエネルギーによる間接的な排出)を2027年までに35%削減
・スコープ3(サプライチェーンや製品の使用など、その他の間接的な排出)を2027年までに20%削減
これらの目標は、Science Based Targets initiative(SBTi)(※)によって承認されており、同社の環境への真摯な姿勢を示しています。
※Science Based Targets initiative(SBTi):https://sciencebasedtargets.org/
<2040年までのカーボンニュートラル達成に向けた具体的な施策>
同社は、2040年までにカーボンニュートラルを達成するため、以下の具体的な施策を実施しています。
再生可能エネルギーの導入:オフィスやデータセンターでの再生可能エネルギーの使用を拡大し、エネルギー効率の向上を図っています。
サプライチェーンの脱炭素化:サプライヤーに対しても、科学的根拠に基づく排出削減目標の設定を促し、2025年までに主要サプライヤーの50%がこれを達成することを目指しています。
バーチャルツイン技術の活用:クラウドベースのプラットフォームを通じて、製品設計や製造プロセスの最適化を支援し、物理的なプロトタイプの削減や資源の効率的な使用を実現しています。
これらの取り組みにより、自社だけでなく、顧客企業の持続可能性向上にも貢献しています。

バーチャルツインによる持続可能なイノベーションの推進
同社が開発したクラウドベースのプラットフォームは、バーチャルツイン技術を通じて、製品設計や製造プロセスの最適化、環境負荷の削減に大きく貢献しています。
以下に、具体的な活用事例とその成果をご紹介します。
あわせて読みたい: サステナブルな取り組みの背景にある環境問題|重要課題をチェック
<バーチャルツイン技術の概要と利点>
バーチャルツインとは、製品やプロセスの仮想モデルを作成し、現実の挙動をシミュレーションする技術です。これにより、物理的なプロトタイプの削減、設計ミスの早期発見、リソースの最適化が可能となり、持続可能な製造プロセスの実現に寄与できるのです。
<クラウドをベースにしたプラットフォームの活用事例>
・コバルト不使用のリチウムバッテリーを製造する企業:
コバルトフリーのリチウムバッテリーを製造するフランスの企業は、このプラットフォームを活用して、設計から製造、サプライヤーとの統合までを一元管理しています。
バーチャルツインの導入により、物理的なプロトタイプの必要性が減少し、リソースの節約とプロジェクトの迅速な実行が可能となりました。

世界で最もサステナブルなソフトウエア企業は持続可能なイノベーションに貢献
事例からもわかるように、同社のプラットフォームを活用したバーチャルツイン技術は、製品開発の効率化、リソースの最適化、環境負荷の削減に寄与しています。
顧客企業が持続可能なイノベーションを推進するための強力なツールを提供し、より持続可能な未来の実現を支援しています。
自社のみならず顧客や社会全体に対してもポジティブな影響を与えるサステナブル企業に、今後も注目していきましょう。
