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環境教育に関する学校の取り組み|重要性や事例を解説
Tuesday, 21 November 2023
今回は、学校での環境教育の重要性や実際に行われている取り組み事例を解説します!
学校での環境教育の重要性
学校で環境教育の重要性が高まっている理由には、地球温暖化を始めとする環境問題が関係しています。持続可能な社会を目指すSDGsが掲げられたことを受け、文部科学省は2017年3月に小・中学校の学習指導要領を改訂しました。その中では、持続可能な社会の作り手を育成する必要性があることが前文と総則で示されています。
社会の変化に対して受け身になるのではなく、一人ひとりが主体的に考え行動し、創造的に生きていく力が求められています。
つまり、持続可能なより良い社会を築くためには、SDGsや環境問題の課題解決に向けて、主体的に取り組む人材の育成が重視されているのです。また、環境教育においては地域と学校の連携や協働の推進も必要といわれています。
さらに環境教育に取り組むにあたって学校全体で取り組むことや、子どもたちの年齢などに応じてねらいが変化する点もポイントになっています。
(※参考:教委135-1-2 平成29年3月31日公示 新学習指導要領等における持続可能な社会づくりに関連する主な記載(抜粋))
学校が実践する環境教育の取り組み事例
環境教育を取り入れ、環境に配慮した施設作りを実践している学校を「エコスクール」と呼びます。ここからは、エコスクールにおける環境教育の取り組み事例を見ていきましょう。
(※参考:環境を考慮した学校施設づくり事例集)
手作りビオトープと芝生の校庭
保護者や地域住民が学校と連携し一体となって、ビオトープと芝生の校庭作りに取り組む学校があります。ビオトープとは、さまざまな植物や動物が生息できる空間のことです。
地元の川に生息する動植物のみで手作りビオトープを整備し、地域の環境に馴染む工夫をしています。
また芝生の校庭作りでは、子どもたちと保護者が協力し校庭に穴を掘って苗を植えました。芝生が育ってくると手押し芝刈り機で芝刈りを行うなど、手入れや維持管理を子供たち自身で行っています。
校庭を芝生にすることでけがが防げるほか、猛暑の時にも地表温度が抑えられるなど、校庭で授業を行う際の環境も良くなります。
琵琶湖からの風や太陽光を自然エネルギーとして生かす学校
琵琶湖の近くの校舎で、湖からの風や太陽光を自然エネルギーとして生かしている学校があります。波状になった校舎の屋根が、湖から陸地に向かって吹く風を最大限に取り込む仕組みになっています。
また、風だけでなく夏至や冬至の太陽の高さを考慮し、穏やかな光を取り込む庇(ひさし)もポイント。太陽光を多く取り入れて照明を控えたり、自然の風で換気を行うなど、省エネにも貢献しています。
さらに太陽光が入る校舎の中で照度の管理を学ぶ「光の授業」や、風船を使い校舎内の風の流れを学ぶ「風の授業」も取り入れています。自然エネルギーを最大限に生かし、ゆくゆくはゼロエネルギーを目指しているエコスクールです。
地元の豊かな森林資源を活用した温かみのある木造校舎
森林資源の循環や環境保全を教育に取り入れた学校です。温かみのある木造の校舎は、地元の木材を使用して建てられています。
校舎を教材にして、地元の木材がどのように使われているかを子どもたちが間近で学べるうえ、地元への愛着を育めるのが良い点です。
またPTA主催のイベントでは、地域の団体による出張講座として校内で「木育ひろば」が開催されます。木を組み立ててジャングルジムを作ったり、木に関するクイズを楽しんだりと、地域の木に親しみを持ち環境保全を学ぶ機会になっています。
環境教育に関心を向けて未来を担う人材を育てよう
地球温暖化を始めとするさまざまな問題を解決するためには、一人ひとりが環境問題に関心を持ち、主体的に取り組むことが求められています。
持続可能な社会で幸せに暮らし続けるためには、その担い手になる子供たちへの教育が不可欠です。これまで環境問題への関心が低かった人も、この機会にぜひ環境教育に目を向けてみてはいかがでしょうか。
子どもたちが幸せに暮らせる未来のために、今できることから始めていきましょう。
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