油の流出と聞くと、工場排水や船からの石油流出事故などを思い浮かべるかもしれません。
しかし生活の中で家庭から排水される油も問題になっています。
今回は、油の流出が環境に与える影響にはどんなものがあるのか、また家庭でできる水質汚染対策として油の正しい処理方法を解説します!
実際に家庭から流出している油は、どれくらいなのでしょうか。環境省のデータによると、日本では年間約230万トンの食用油が消費され、そのうち約45万トンが廃棄されています。
廃食油の多くは飲食店や食品製造工場から出ているといいますが、それらの約70%は回収業者によって飼料用にリサイクルされています。
一方、家庭から出る廃食油はリサイクルが進んでおらず、およそ9割がゴミとして廃棄処分されたり、排水と一緒にキッチンから流出してしまっているのが現状です。
(参照:油脂・油脂製品化(廃食用油のリサイクル)の現状)
家庭からの廃食油はほとんどリサイクルされていないことがわかりましたが、排水と一緒に油が流出すると環境にどのような影響があるのでしょうか。
私たちにできることは、家庭からの水質汚染を防ぐために廃食油を正しく処理することです。揚げ物料理に使う植物油は3~4回を目安に再利用できますが、油は古くなったり空気に触れたりすると酸化してしまうため、いずれは捨てなければなりません。
ここからは正しい油の処理法をご紹介します。
油の流出は水鳥や魚といった動物から人間までさまざまな影響を及ぼします。しかし、油を流出させてしまっているのは私たち人間です。
環境に影響を及ぼさないよう、石油の運搬では海に流出しないよう対策をしたり、家庭では油の使用をできるだけ控えたりする工夫も必要といえます。
例えば揚げ物は油を多く使用するため、揚げ焼きにして油の消費量を抑えるなどのちょっとした心掛けも大切です。また油を捨てる際には、今回紹介した処理法を参考に正しく捨ててくださいね。
一人ひとりの行動で水質汚染を防ぎ、地球環境と健康な暮らしを守っていきましょう。
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