持続可能な社会を目指し、さまざまな分野でサステナブルな取り組みが行われていますが、ジュエリー業界もそのひとつ。
環境負荷が少なく、人や社会にも配慮したサステナブルなジュエリーの販売などを行っていますが、その背景にはダイヤモンド採掘に伴う人権問題や紛争問題があります。
今回はサステナブルジュエリーとは何か、またダイヤモンド採掘で起きている問題やサステナブルジュエリーの種類もあわせて解説します!
サステナブルジュエリーとは、持続可能な方法で製造、販売されるジュエリーのことです。例えば、環境負荷の少ない方法で採掘しているか、紛争の資金源とならないものであるかなども重要視されます。
また、厳密には金やプラチナなどの貴金属をはじめ、天然宝石を使用したものを「ジュエリー」と呼びますが、サステナブルジュエリーでは海洋プラスチックなど、資源をリサイクルしてつくられたものも含みます。
(参照:サステナブルジュエリーという選択。地球に優しいブランドを厳選)
そもそも、なぜサステナブルジュエリーがつくられるようになったのでしょうか。それは、ジュエリーの製造や販売が、持続可能性に反するものだったからです。中でも重大な問題となっているのが、ダイヤモンドの採掘や採取、製造過程での環境負荷と人権問題です。
実はダイヤモンドなどの貴金属の採掘・採取には、大量のダイナマイトを使用し、大量のCO2を排出するほか、大量の水を消費します。
また、過酷な労働環境で働かされ死者が出たり、児童労働を強いられる子どもたちがいるのが現実です。
人権を守ることを目的としたアメリカのNGO団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」が2009年に発表した報告書では、ジンバブエのマランゲダイヤモンド鉱山にて、ダイヤモンドの違法採掘と密輸を止めるために派遣されたはずのジンバブエ国軍が、違法採掘と密輸で利益を得ていたことがわかりました。
それだけに留まらず、住民たちに無報酬で採掘させ、反抗する住民には暴力を振るい、児童労働なども行っていたのです。
加えて、紛争地域においてダイヤモンドが武器売買の資金源にされるなどの問題も発生しています。こうした問題の解決策として、サステナブルジュエリーがつくられるようになったのです。
(参照:あなた持ってるそのダイヤ、輝きは本物?)
(参照:アフリカ地域:紛争ダイヤモンドはまだ消えない)
(参照:「血塗られたダイヤモンド」の実態 明らかに)
サステナブルジュエリーは人や環境に配慮された素材や、製造方法でつくられているのが特徴です。どんな種類があるのか見ていきましょう。
普段何気なく身に着けているジュエリーは、どのように採掘され、製造されたものなのか、考えたことがなかったという人も多いかもしれません。
これからジュエリーを選択する際には、サステナブルな視点で選んでみることをおすすめします。人権問題や紛争に関与せずにつくられたものかどうか、自身で調べたりお店の人に聞いてみたりするのも良いでしょう。
今回紹介したサステナブルジュエリーのような、環境や人、社会に配慮されたものを選ぶことで、問題解決の一手になります。
大切な人へのプレゼントや、自分へのご褒美にもぜひサステナブルジュエリーを選択してみてはいかがでしょうか。
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