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SDGsツーリズムを重視した金沢市の取り組み|持続可能な観光へ

Monday, 03 February 2025

石川県のほぼ中央に位置する金沢市は、美しい街並みや伝統文化、豊かな自然環境や美味しい食べものなど、魅力が詰まった都市です。

国内のみならず海外からも多くの観光客が訪れており、金沢市は持続可能な観光を目指してSDGsツーリズムを重視した取り組みを進めています。

今回は「SDGs達成のための、地域の取り組み」をテーマに、金沢市におけるSDGsの取り組みを解説します。

金沢市におけるSDGsの方向性 

持続可能な社会の実現を目指し、世界共通目標として取り組みが求められているSDGs。金沢市では「金沢らしいSDGs」の取り組みについて議論を重ねてきたといいます。そして金沢市でSDGsを効果的に進めていくために導き出したのが5つの方向性」です。

 

金沢の風土や歴史、文化を踏まえること、また「経済・社会・環境」3つの側面を総合的に捉えることをポイントにしています。

 

金沢SDGs「5つの方向性」は以下の通りです。

 

①古くて新しくて心地よいまち

→自然、歴史、文化に立脚したまちづくりをすすめる

 

②“もったいない”がないまち

→環境への負荷を少なくし、資源循環型社会をつくる

 

③子どもが夢を描けるまち

→時代を担う子どもたちの可能性を引き出す環境をつくる

 

④働きがいも、生きがいも得られるまち

→誰もが生涯にわたって学び、活躍できる社会風土をつくる

 

⑤新しいこと、ものを生み出すまち

→文化や産業に革新的イノベーションが起きる仕組みをつくる

 

金沢市は、持続可能な都市を実現するためには、上記の5つの方向性を基にパートナーシップでSDGsに取り組んでいく必要があるとし、IMAGINE KANAZAWA2030」のプロジェクトを立ち上げました。

 

また、それぞれの目標はすべて関連し合っており、ひとつの目標を達成するためには別の目標にも取り組む必要があると考えています。

 

(参考:https://kanazawa-sdgs.jp/sdgs/)

SDGsツーリズムを重点に置いた金沢市の取り組み 

5つの方向性を実現し、金沢らしいSDGsの達成を実現していくために、パートナーシップでさまざまな取り組みを進めています。ここからは、金沢市におけるSDGsの取り組みを見ていきましょう。

 

<金沢ミライシナリオの作成> 

金沢市ではIMAGINE KANAZAWA2030」のプロジェクトに取り組むうえで行政や市民、企業や団体などの各主体が連携を取りやすく、対話ができる場を広げて取り組みを進めていくための道しるべとして、「金沢ミライシナリオ」を作成しました。

 

金沢ミライシナリオには、先述した5つの方向性」の目標実現に向けた、行動指針や実践アイデアが記載されています。

 

自身や周囲の人のアイデアを書き込む欄もあり、SDGsへの興味関心を高め、活動に参加するきっかけづくりにもなっています。

 

(参考:https://www4.city.kanazawa.lg.jp/material/files/group/2/mirai-scenario.pdf)

 

<金沢SDGsツーリズムの推進> 

金沢SDGsツーリズムとは、地元住民と旅行者が地域の文化や自然を守り、経済的な発展も含めて持続可能な観光を目指す取り組みです。

 

金沢市では、SDGs達成に向けて取り組む観光事業者を支援するため、「金沢SDGsツーリズム推進事業者」を認定する推奨制度を実施しています。

 

以下の画像にある8つの指標のうち、2つ以上の指標に取り組んでいることを認定取得の条件としています。

(参照:https://kanazawa-sdgs.jp/2023/01/13/tourism_certification/)

 

2024年には、11社が「金沢SDGsツーリズム推進事業者」として認定されました。

また、金沢SDGsツーリズムの公式サイトでは、市が持続可能な観光を目指しSDGsに取り組んでいることを紹介しており、旅行者に向けてエコでサステナブルな旅の楽しみ方を提案しています。

 

(参考:https://kanazawa-sdgs.jp/2024/04/25/tourism_certification_2024/

https://kanazawa-sdgs.jp/kanazawa-sdgs-tourism/)

 

<木造建築「金澤町家」の保全活動> 

金澤町家とは、昭和25年以前に市内で建てられた木造住宅のことです。金澤町家は城下町の歴史的資源として住み継がれており、現在約6,000軒あります。

 

歴史的文化遺産である金澤町家を、次世代に継承していく重要性があるとして取り組んでいる保全活動のひとつが「特定金澤町家制度」です。

 

町家を解体しようとする場合に90日前までに届け出をし、文化や伝統を伝える上で保全や活用の必要があると市長に認められたものを「特定金澤町家」とします。特定金澤町家に認定された場合、流通支援や修理補助などが受けられるという制度です。

 

老朽化した町家が改修によって再生され、アトリエや宿泊施設、レンタルスペースなどに活用されています。

 

(参考:https://kanazawa-machiyajouho.jp/registration/)

 

<シェアサイクル「まちのり」の推進>

金沢市では、公共のシェアサイクルサービス「まちのり」を推進しています。主要な観光スポットを含む市内75カ所に専用駐輪場があり、どこでも借りられてどこでも返せるのがポイントです。

 

また、500台すべてが電動自動車で、坂が多いといわれる金沢のまちでもスムーズな移動が可能となり、観光客の移動や市民の足として利用されています。

 

自家用車の利用を控えシェアサイクルを活用することで、温室効果ガスの排出量が削減でき、シェアによって資源の効率的な利用にもつながっています。

 

(参考:https://www.machi-nori.jp/)

金沢市はSDGsツーリズムに重点を置き、SDGsの取り組みに励んでいます。金沢に旅行する際には事前にサステナブルな旅の楽しみ方を確認し、金沢のSDGsツーリズムを体験してみてはいかがでしょうか。

 

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