ミニマリズムを実践する人の多くは、所有する服も必要最小限に抑えています。例えば、1週間分の7枚を毎日交換できるように所有する人もいれば、同じデザインの服を何組か所有して、着まわしている人もいます。

「毎日同じ服を着ている人」というのは、後者に該当する人です。ミニマリズムを極める人が必ずしも毎日同じデザインの服を着ているとは限りませんが、一定数そういう人がいます。

「毎日同じ服を着るなんて、貧しい人と思われそう」「洗濯していないと思われそう」と、マイナスなイメージを持つかもしれません。

しかし、最近ではApple創業者のスティーブ・ジョブズやfacebook創業者のマーク・ザッカーバーグ、Microsoft創業者のビル・ゲイツなど、IT業界の経営者たちが毎日同じ服を着ていたこともあり「毎日同じ服を着る人＝成功者」というイメージに変わりつつあります。

成功者たちが毎日同じ服を着ている理由は、決断力の無駄を減らすためです。服選びで毎日「どれを着ようかな」と悩む時間こそが無駄という考えを持っています。

また、人は1日に数千回から数万回もの決断をしているといわれています。仕事で多くの決断を迫られる経営者たちは、無駄な決断を減らして意思決定のエネルギーを節約し、決断疲れを防いでいるのです。

経営者たちの「本当に大切な決断のために無駄な決断を省く」という考えは、ミニマリズムに通ずるといえます。

ミニマリズムを追求して毎日同じ服を着る習慣を持つと、決断力の無駄を減らす以外にもさまざまなメリットが得られます。どんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

身支度の時間が短縮できる

着る服が決まっているため、服を選ぶのに時間がかからないのが最大のメリットです。
服が多いと、何を着たら良いのか、どう組み合わせたら良いのかと悩んでしまい身支度に時間がかかってしまいます。

同じ服を着るようになれば朝の時間にも余裕が生まれ、コーヒーをゆっくり楽しむ時間が作れるでしょう。

クローゼットに余白が生まれ部屋がスッキリする

同じ服に厳選することで、クローゼット内にスペースが生まれます。部屋に置いていた荷物をクローゼット内に収納できるようになるため、部屋がスッキリして広く見えるのがメリットです。ワンルームで生活している人は、より開放感を実感できるでしょう。

服の衝動買いがなくなる

同じデザインの服しか持たないため、服の衝動買いがなくなるのもメリットです。「安いから」「流行りだから」という理由で買うことがなくなるため、無駄な出費が減りお金が貯まります。

服が劣化してきたタイミングで買い足すだけなので、ショッピングにかかる時間が短縮できるのも良い点です。

自分のキャラクターや個性が定着する

毎日同じデザインの服を着るため、周囲に「あの服の人ね」と覚えてもらいやすくキャラクターが定着します。

また、いろいろな服を着る人が多い中で同じ服しか着ないため、個性が際立ちます。個性を出したい人こそ、同じデザインの服を着続けると良いでしょう。

（参照:「心の負担が減った」──3年間、毎日ほぼ同じ服を着ている私が手に入れたゆとりと変化)

毎日同じ服を着るメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは、ミニマリズムを追求して毎日同じ服を着るデメリットを確認していきましょう。

お金がないと思われる

毎日同じ服を着るデメリットはやはり、お金がないと思われることです。成功者のイメージがある一方で、「服を買うお金もないんだな…」と思う人も少なからずいるでしょう。

しかし、上質な素材や品のある服を選ぶことで印象を変えられます。シンプルでありつつ品質の良い服を選ぶのがポイントです。

清潔感がないと思われる

毎日同じ服を着ていると、洗濯していないと思われる可能性もあります。会話するほどの関係ではない場合、勝手にそう思われてしまっても仕方がありません。できるだけ髪型や持ち物などで清潔感を意識するようにしましょう。

ファッションの楽しみが減る

同じデザインの服しか着ないため、ファッションの楽しみが減ってしまうのがデメリットです。もともと服に興味がない人は、何も感じないかもしれません。

しかし、コーディネートを考えるのが好きな人や、いろいろな服を着るのが楽しい人は、つまらなく感じてしまうでしょう。そのため、おしゃれをするのが好きな人やファッションを追求したい人は、同じ服を着続ける生活はあまりおすすめできません。

毎日同じ服を着ると、身支度の時間が短縮でき、忙しい朝にも余裕が生まれます。クローゼットに余白が生まれ、部屋がスッキリするほか、服の衝動買いもなくなるのがメリットです。

実践する際には、品質の良い服を選び、清潔感を保つことが大切です。無駄な決断力を減らしたい人や、ファッションよりも他に追求したいことがある人は、ミニマリズムな視点で毎日同じ服を着てみてはいかがでしょうか。
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