ミニマリズムを実践する人は、世間からしばしば「貧乏くさい」というイメージを持たれることがあります。なぜなら「物を持たない暮らし」が定着しているからです。

しかし、ミニマリズムを実践する人はそれぞれ異なる目的を持ってミニマリズム（最小限）を追求しています。

例えば、趣味に没頭するためにそれ以外を省く人もいれば、とにかく生活を楽にしたくて物を買わない人もいるなど、実にさまざまなタイプがいるのです。

その中でも究極に物を削り、質素な暮らしをしているストイックなタイプは、客観的に見て「貧乏」と思われてしまう可能性が高いといえます。

（参照:ミニマリストって貧乏生活！？ 本質に触れるとあなたもやってみたくなる【断捨離】)

ミニマリズムを実践する人が貧乏だと思われてしまうのには、いくつか理由があります。ここでは、考えられる理由を見ていきましょう。

家賃の安い物件に住んでいるから

ミニマリズムを極める人の中には、物が劇的に少ないことから住まいをコンパクトにし、家賃の安い物件で生活する人がいます。

家賃月2万円の風呂無し物件や、キッチンやリビングを共同で使うシェアハウスなどで暮らす人も増えている傾向です。こうした格安物件に住むミニマリストを見て、貧乏だと思い込んでしまうのでしょう。

部屋に物がないから

ミニマリズムを実践する人は、極端に物が少ない部屋に暮らしている人もいます。中にはテレビやソファに加え、テーブルや椅子、洗濯機も手放したという人もいるほどです。

また、ベッドや布団の代わりに寝袋を活用して寝ている人もいます。こうした情報を目にして、「貧乏」というイメージがついてしまうのかもしれません。

着ている服がほぼ同じだから

ミニマリズムを実践する中で、衣服の枚数も最小限に抑える人がほとんどです。同じデザインの服に統一し、毎日同じ服を着る人もいます。「いつも同じ格好＝服が買えない貧しい人」という印象が残ってしまうのでしょう。

お金を使わないように見えるから

ミニマリズムを実践する人が貧乏だと思われる理由のひとつに、お金を使わないように見えるという点があります。

無駄遣いや衝動買いを極端に避けるため、お金を使わないように見られがちです。「お金を使わないようにしている＝余裕がない」と思われてしまうのかもしれません。

質素な生活をしているから

ミニマリズムを実践する人は、必要最小限の物でシンプルに暮らすことを大切にしています。しかし、物の少ないシンプルな暮らしは一般的に見て質素な生活に見えてしまうのです。

また、「派手な生活を送る人＝お金持ち」という固定観念から、「質素な生活を送る人＝お金のない人」と思い込んでしまうのでしょう。

さらに、ミニマリズムを実践する人は効率を重視するため、食事も毎回同じメニューや少ない品数などで質素になりがちです。

このようなミニマリズムな暮らしの特徴から、貧乏なイメージを持たれてしまうと考えられます。

では、実際のところミニマリズムを実践する人は本当に貧乏なのでしょうか。結論は「貧乏とはいえない」ということです。

ミニマリズムな暮らしをする人の中には、生活が苦しい人も一部いるかもしれません。しかし、実際は貧乏な状態からミニマリズムを実践したことによって無駄遣いが減り、お金が貯まって現在はゆとりある生活をしている人が多い傾向があります。

また、ミニマリズムを実践する人はお金を使わないように見られますが、自分が大切にしていることには惜しまずにお金を使います。友人へのプレゼントや家族との外食など、必要と感じる場面では出し惜しみしません。

さらに押し活や趣味にはとことんお金をつぎ込む人もいます。加えて、無駄な支出を減らした分、投資に回すなどして将来への資産形成をする人もいるのです。

このような点から、ミニマリズムを実践する人が実際に貧乏とは限りません。

（参照:お金のムダ使いを減らす7つの習慣。ミニマリストの有益なお金の使い方)

これからミニマリズムを実践しようと考えている人の中には、「貧乏だと思われるのは嫌」という人もいるかもしれません。

その場合は、以下のようにミニマリズムな暮らしをしていても貧乏だと思わせない工夫をすると良いでしょう。

・上質なファッションアイテムを取り入れる　
・身だしなみに気を付ける
・品質の良い家具を取り入れる
・定期的に旅行に行く

少ない枚数でも上質な服や靴、バッグなどを取り入れることで、貧乏なイメージではなくなります。

また、清潔感を意識して身だしなみを整えるのも大切です。さらに部屋には品質の良い家具を置いたり、旅行の思い出を語ったりするのも良いでしょう。

ミニマリズムを実践する人は、部屋に物が少なく、無駄にお金を使わないなどの理由で貧乏に思われがちです。しかし実際は、無駄な出費が減ってお金が貯まり、豊かな暮らしをしている人が多いといえます。

これからミニマリズムを実践する際には、貧乏に思わせない工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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