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ミニマリズムがSDGsに貢献する理由|解決につながる目標は?
Wednesday, 05 June 2024
今回はミニマリズムのライフスタイルがSDGsに貢献する理由や、ミニマリズムと関わりの大きい、解決につながるSDGsの目標を解説します。
ミニマリズムってどんなライフスタイル?
ミニマリズムは必要最小限の物でシンプルに暮らす生き方を指し、それを実践する人は「ミニマリスト」と呼ばれています。
ミニマリズムのライフスタイルは、ただ少ない物で生活するのではありません。自分にとって本当に必要な物を大切にするために、それ以外の物や時間に対して無駄を省くという考えが本質です。
物や情報であふれる現代社会で、流されず自分が本当に大切にしたい物や、本当にやりたいことに集中するための生き方として、注目されているライフスタイルです。
ミニマリズムのライフスタイルがSDGsに貢献する理由
ミニマリズムのライフスタイルが、持続可能な社会を目指す「SDGs」の目標達成に貢献するのはなぜでしょうか。
それは、物を必要最小限しか持たない暮らしが、大量生産・大量消費による環境問題の解決に通じるからです。
例えば、買い物をする際は自分にとって本当に必要な物を厳選するため、無駄に買い過ぎたり、すぐに捨ててしまったりすることはありません。これは、大量生産・大量消費によって生じる環境負荷を抑えることにつながります。
大量生産・大量消費がもたらす環境負荷や社会問題は多く、SDGsの課題としても取り上げられています。ミニマリズムなライフスタイルは、大量生産・大量消費とは対極にあるため、多くの環境負荷や社会問題の解決に貢献できるのです。
ミニマリズムの実践で解決につながるSDGsの目標は?
地球が抱えるさまざまな問題の解決に向けたSDGsの目標は全部で17個あります。その中でもミニマリズムと深く関係し、大きく貢献できる目標は以下の6つです。
それぞれの目標内容と、ミニマリズムで解決につながる理由を見ていきましょう。
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」
ミニマリズムの実践によって目標達成に最も貢献できるのが、SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」です。これは、従来の大量生産・大量消費の生産システムを改め、持続可能な生産と消費のシステムを構築していくことを目指しています。
目標を達成するには、生産者だけでなく消費者としての行動も変えていかなければなりません。ミニマリズムを実践することで、衣類も食料も必要な分だけ買い、無駄に買わなくなります。
例えば衣類なら長く着られる品質の良いものを選ぶようになるため、衝動買いしてサイズが合わなかった服や傷んで着られなくなった服を廃棄する量を減らせるでしょう。
消費者の買い物の仕方が変わることで、大量生産で作られる品質の悪い商品の需要が減り、生産者側の取り組みにも良い影響を与えます。
また、ミニマリズムなライフスタイルでは物の所有にこだわらずシェアサービスやレンタルサービスなども積極的に活用するため、資源消費や廃棄物を抑えられるのも課題解決に通じる点です。
SDGs目標1「貧困をなくそう」/SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」
SDGs目標1は、世界中のあらゆる貧困をなくすことを目標としています。先述した大量生産の裏には、劣悪な労働環境を強いられている発展途上国の人がいることを知っておかねばなりません。
長時間労働にも関わらず低賃金で働かされ、貧困から抜け出せない人が大勢いるのです。こうした劣悪な大量生産は、先進国に流通している安い衣類や日用品でよく見られます。
「安いから」という理由で商品を買わずに、ミニマリズムの視点で物を厳選することで、大量生産による劣悪な労働環境の解決につながります。
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」
SDGs目標13は、地球温暖化による気候変動の影響を減らすために具体的な取り組みを実践することを目標にしています。
今世界では温暖化による気候変動の影響で干ばつや熱波、集中豪雨などさまざまな自然災害の影響を受けています。
気候変動を引き起こす温暖化の主な原因は、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスです。物の生産や焼却処分にあたっては、大量のエネルギーを消費し、多くのCO2が排出されます。物を作ったり捨てたりする行動が、温暖化を加速させてしまうのです。
ミニマリズムは物を厳選して長く愛用するライフスタイルであるため、CO2の排出量を軽減し温暖化による気候変動を抑えることにつながります。
SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」/SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」
これら2つの目標は、海と森や山などで起きている環境破壊を軽減させ、自然を大切にしようというものです。
大量生産・大量消費によってプラスチック製品のごみが海に流れ海洋生物に悪影響を及ぼし、山や森では農地開拓や経済発展のために違法な森林伐採によって環境破壊が進んでいます。
ミニマリズムな視点でプラスチック製品の利用を減らし、環境に優しい製品を選ぶことで、海や陸の豊かさを守るという目標達成に貢献できます。
(参照:SDGs(持続可能な開発目標)とは?WWFの取り組みと、これからの環境保全)
(参照:ミニマリストのライフスタイルとSDGsの共鳴)
ミニマリズムを実践してSDGsの達成に貢献しよう!
物を必要最小限しか持たないミニマリズムのライフスタイルは、大量生産・大量消費による環境破壊を抑え、SDGs達成に貢献します。
また、環境保全だけでなく貧困問題の解決にもつながります。ぜひこれを機に、ミニマリズムを実践してみてはいかがでしょうか。
あわせて読みたい: SDGsの達成に向けて何ができる?個人でもできる取り組みとは