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資源を循環利用して創作活動を行うサステナブルアーティスト

Thursday, 29 August 2024

廃棄物を材料に作品を創り「持続可能性」を表現することを、「サステナブルアート」と呼びます。サステナブルアートは、廃棄衣類を使ったものもあれば、使用済みのはがきを使うなど、手法はさまざまです。

今回は資源を循環利用して、空間アートをメインに制作するサステナブルアーティスト「レミー・ザザ」さんの活動内容やアート作品について解説します!

サステナブルアーティスト「レミー・サザ」さんとは?

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レミー・サザ (本名 佐座レミ)さんは、ロンドンと日本の2拠点で活動するアーティストです。シチズンサイエンスを通して、自然環境や社会システムを体感できる空間をアートで表現し、都会の暮らしと自然がつながり続けていることを伝えています。

2021年にロンドン芸術大学の持続可能なデザインコースを卒業し、同年にルイ・ヴィトングループが主催するサステナブルアートコンペティションで最終ノミネートされました。

また、COP26(国連気候変動枠組条約取締役国会議)の日本ユース代表に選ばれ、2022年には日本ユース代表としてスウェーデンに派遣されるなど、グローバルに活躍しています。

さらに、2023年にはG7気候・エネルギー・環境大臣会合の連携イベントや札幌ドームのイベントでアートディレクションを担当しています。

(参照:ABOUT | Lemie’s Portfolio)

資源を循環利用してアートを創るレミー・サザさんの想い

サステナブルアーティストとして活動しているレミー・サザさんは、廃棄物を材料としたアートを主とし、サステナブルに一歩近づけるような作品を制作しています。

今は「コンセプトと制作過程のプロセスすべてがサステナビリティ」と伝えて活動しているため、サステナビリティに関して興味を持ってもらえるといいます。

しかし、近い将来サステナビリティが当たり前の世界になったら「サステナビリティはプロセスだけで良い、というところまで行き着きたい」というのがレミー・サザさんの思いです。

レミー・サザさんが資源を循環させて創るサステナブルアートの一例

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レミー・サザさんが生み出すサステナブルアートは、テーマによってさまざまな廃棄資源から制作しています。

ここでは、レミー・サザさんが資源を循環して創るサステナブルアートの一例を見ていきましょう。

お菓子の製造過程で利用した、廃棄ビニールエプロンを使った空間アート

製菓会社とのコラボレーション企画で、廃棄ビニールエプロンを使った空間アートを制作しました。ビニールエプロンは、工場でお菓子を製造する際に、作業服へのチョコレートの付着や異物混入を防止するために着用するものです。

本来は使用後に廃棄されており、プラスチックごみのひとつとして廃棄量の削減が求められていました。レミー・サザさんはこの廃棄ビニールエプロンに新たな価値を加え、資源の循環を伝える作品を生み出したのです。

制作されたアートは、ふわふわと宙に浮いているようなデザイン。おやつの時間で心が軽やかになり、幸せな気分になる様子を表現しています。

素材を集めた人や作品を制作した人だけでなく、お菓子の製造、販売、企画、営業など仕事に携わるすべての人が事業を継続してきたからこそ生まれた作品であるとレミー・サザさんは伝えています。

(参照:しあわせをつくるサスティナブルアート 持続可能な社会はシアワセを共有することで叶うもの。 未来を描くアーティストのストーリー)

衣類廃棄物をカッティングボードにリサイクルして生まれたアート作品

 

本来、廃棄される衣類をカッティングボードにリサイクルして生まれたアート作品です。
「循環運動」というタイトルが付けられ、少しゆがんでいたり波を打っていたりとさまざまな円形にカットされたカッティングボードは、資源を永久に循環利用できることを示しています。

また、円が重なり合った部分は、過程やグループ、社会のさまざまなレベルで設計された資源の循環性を象徴しているのもポイントです。

さらに目には見えにくい釣り糸を使って天井から複数枚のカッティングボードを吊るすことで、近未来な雰囲気も漂う空間アートに仕上がっています。

(参照:廃棄衣類をリサイクルボードにアップサイクル「nunock by PANECO」)

廃棄予定の白いシャツ30着を解体してつなぎ合わせたアート作品

 

こちらは廃棄予定の白い長袖シャツ30着を解体し、さまざまなパーツをつなぎ合わせて制作したアート作品です。

サステナビリティは個人的な問題ではなく、それぞれが困難や違いを乗り越えつながる必要があるということを、解体したシャツをつなぎ合わせ、大きなひとつの流れとして表現しています。

持続可能な社会は個人で築けるものではなく、課題解決や前進するためには、共感が必要であるというメッセージが込められた作品です。

フリーメイソンのシンボルマークをイメージした柄の車椅子クッションを制作

 

車椅子利用者に自信をもたらすことを目的に創られたのが、フリーメイソンのシンボルマークをイメージした柄の車椅子クッションです。

車椅子利用者は「かわいそう」「大変そう」というイメージを持たれやすく、同情すべき存在として見られてしまうことに気づいたといいます。

そして浮かんだアイデアが、車椅子利用者のオリジナリティを現すクッションでした。ブルーの生地にフリーメイソンのシンボルマークをイメージしたイエローのプリントが施され、個性的な柄に仕上がっています。

皆一人の人間であることに変わりなく、車椅子利用者も自分の存在に自信を持ってほしいという願いが込められた作品です。

(参照:Lemie Saza)

資源を循環利用したサステナブルアートに込められる思いを感じ取ってみよう

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持続可能性を表現するサステナブルアートは、ごみの削減につながるだけでなく、廃棄物から生まれる新たな価値や可能性を感じさせてくれます。The use of arts to promote sustainability(持続可能性を促進するための芸術の使用)に挑戦していくレミー・サザさんの活躍に、今後も注目してみてはいかがでしょうか。

あわせて読みたい: サステナブルな未来へ|地球環境を守るカギになるマークとは?

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